【世界を驚かせた】
ヴィブロスは、まだまだ強くなる。デビュー時から数字的には大きくなっていない。しかし、昨年夏の中京2勝目を境にして、
紫苑Sを2着、
秋華賞を上り33秒4で一気差し。
中山記念は、たたき台のぶん5着に終わったが、
ドバイターフではモレイラという世界屈指の騎手の後押しも大きかったにせよ、世界の名だたる中距離GI馬たちを、直線外から豪快に差し切り勝ち。
東京は初コースになるが、決め手の生かせる左回り1800mは、ドバイの舞台と共通点が多い。ちなみに全姉の
ヴィルシーナは古馬となり
ヴィクトリアマイルを連覇。半兄の
シュヴァルグランもGIIを勝ったのは4歳。GI・
天皇賞(春)を2着連対したのは、本年の春5歳になってから。小柄だがハルーワ一族特有の成長力は、本馬にも脈々と受け継がれている。中間の追い切りにも、
ワンステップアップが見て取れる。
アドマイヤリードとの決め手比べが本線。小回り・コーナー4つの
クイーンSは末脚不発に終わったものの、今度はGI・
ヴィクトリアマイルを制した東京が舞台。マイルにも適応力が高いが、1800mもコースや馬場を問うことなく、目の覚める加速ラップで2勝をマーク。馬体の造りの精度も前走より格段に高い。
三番手は
クイーンズリングの実績。春は香港遠征の疲れが抜けきれなかったのだろう。覇気に乏しく精彩を欠いたが、昨年は
府中牝馬S快勝を
ステップに
エリザベス女王杯を奪取。まだ5歳、老け込む歳ではなく、稽古の動きにも活力が戻りつつある。
使える脚が一瞬というのが少し悲しいが、
クインズミラーグロは今年1月の
愛知杯から前走の
クイーンSまで、すべて3着以内。チークピーシーズを着用するようになって、さらに崩れが少なくなった。
クロコスミアは、
ローズS2着など重賞連対歴があり、今夏の函館・北斗特別では1分45秒7のレコードをマーク。単騎逃げの形に持ち込むと相当しぶとい。
バンゴールも、スローの上り勝負とはいえ長岡Sの上り3Fのラップと二枚腰なら、オープンでも戦える。