セントライト記念が行われる中山芝2200mは、前半で高低差約5.3mの最高地点を目指し、後半で最低地点まで下って行くコース。前半で坂を上るので極端にペースが上がることはありませんが、向こう正面の下り坂も手伝って、上級条件ほど淀みなく流れることが多いコース。
近年の
セントライト記念は、逃げ馬不在、もしくは強い逃げ馬不在でスローペースで決着していますが、本日、日曜日の時点ではかなりタフな馬場。台風一過で月曜日はどこまで馬場が回復するかが鍵ですが、台風の後は雲ひとつない晴天で気温が上がることが多いので、想定以上に馬場が早く回復し、レースの上がりが速い決着になりそうです。警戒すべきは、前々で運べる馬と決め手ある馬ということになるのでしょう。
また、今回のメンバーで一番の実績馬は、当然、
皐月賞馬の
アルアインです。確かに今年の
皐月賞は戦前の段階から言われていたほど低レベルではありませんでしたが、けっしてレベルが高くもありませんでした。決着指数でいえば、
オークスよりも0.3秒遅い、準オープンレベルの18ポイント。つまり、今回のメンバーで準オープン通用の馬がいれば、下剋上も可能ということになります。
今回のメンバーでそのレベルに近い指数をマークしている馬は、
すみれSの勝ち馬
クリンチャーと
信濃川特別の3着馬
サーレンブラント。しかし、
クリンチャーは決め手がないために先行馬になったような馬。超スローペースのダービーで13着に失速しているように、上がりの速いレースは向かないでしょう。
また、
サーレンブラントは、
信濃川特別が淀みないペースで流れて前が崩れたところをジリジリと追い込んで来たもの。外から強烈な末脚で伸びて来た
キセキと、上がり3Fタイムを比較しても0.4秒も見劣るものでした。この馬は切れる脚が使えるというよりは、いい脚が長く使える馬。スピードと決め手が問われる
セントライト記念は向きません。
よって、◎にはデビュー戦から上昇一途の
ミッキースワローを推します。この馬はキャリア5戦ながら、近走の能力と勢いを示している指数5位にランクイン。スローペースで流れた
京都新聞杯、
いわき特別ともに外々を回るロスの多いレース内容だったわりに、最後までしっかりと伸びて上位争いに加わって来ました。また、レースを使われるごとに速い脚が長く使えるようになって来ているし、レースぶりにもまだ余力があるので、ここは前走
いわき特別3着以上の走りが可能と見ました。
アルアインとの大勢逆転を狙うのであれば、この馬の成長力ということになるでしょう。
○は、
皐月賞馬の
アルアイン。前走のダービーではゆったりと流れたために折り合いを欠く場面を見せていましたが、裏返せばスピードがある証拠。今回も極端すぎるほどのスローペースにならなければ、この馬の能力を出し切ってくる可能性が高いでしょう。
▲は、逃げ戦法を取るようになって目下2連勝の
サンデームーティエ。この馬も地力強化が目立つ馬。また、馬場回復により、意外と楽なペースで逃げ、もしくは
ブラックロード辺りを前に置いて競馬が出来る可能性が高いと見ているので、この馬を3番手評価としました。