昨年の
シリウスSは、
マスクゾロの逃げ切りが決まりました。昨年9月末に単行本『逃げ馬必勝
ナビゲーション』が発売され、「阪神ダ2000mは逃げ馬受難」と綴っているのに、初日のメインレースで
シリウスSが阪神ダ2000mで行われるようになって、初めての逃げ切りが決まってしまう始末。
休養明け2戦目で、まだ調子が上がってこない逃げ馬
メイショウイチオシがハナを主張できず、最内枠から
マスクゾロが出して行く形での逃げ切りでした。昨年のこのレースは、少頭数の上に馬場がやや軽く、先行勢も手薄でしたから、
メイショウイチオシがハナを奪えない場合は、「行った、行ったが決まるかもしれない」と覚悟はしていましたが、まさに、見た目にはそのとおりの決着でした。
しかし、レースラップを見ると、芝スタートで最初のストレートが約500mと長い阪神コースらしく、前半4F目の2コーナーまで息が入っていませんでした。やはり、どう考えても、逃げ、先行馬が消耗度の高いレースをしていたのです。つまり、昨年、前から押し切った
マスクゾロ、
ピオネロ、
アポロケンタッキーの上位3頭が強かったということ。
逆に目下3連勝で、その後の
みやこSや東京大賞典を制した
アポロケンタッキーがここで取りこぼしたのは、ペースがそれほど上がっていないと錯覚して、早めに位置を上げた分の3着凡退でしょう。
マスクゾロも前走の
ジュライSでは、6馬身差の圧勝でしたが、このレースでは指数を落としています。何が言いたいのかというと、やはり逃げ馬は、能力がワンランク上でなければ勝てない受難のレースであるということ。
よって、◎には、昨年のこのレースで2列目追走から、2着に粘り、自己ベストのPP指数をマークした
ピオネロを推します。この馬は、その後のオープン特別や重賞でも善戦しているように、ここでは能力上位。前走の
エルムSは、明らかな距離不足で7着に凡退しましたが、ダ1700mよりも楽に追走できるこの距離ならば挽回が可能でしょう。
また、この馬は、昨年の
シリウスSや、前々走の
マーキュリーCでも先行して2着と結果を出しているように、末脚を生かす競馬は好ましくない馬。しかし、今回の距離ならば、逃げ馬
マスクゾロを見ながら、ある程度、前を意識した競馬が出来るでしょう。
○は、昨年のこのレースを逃げ切り勝ちして、予想以上に力をつけていることを証明した
マスクゾロ。前走・
BSN賞は
トップディーヴォに0.1秒差先着を許しましたが、これは長期休養明けでスタミナ切れしたものでしょう。ひと叩きされての変わり身に期待します。
▲は、
ブリリアントS、
マーキュリーCと目下2連勝の
ミツバ。昨年のこのレースでは上位3頭に完敗の4着でしたが、昨年よりも力をつけた今ならば太刀打ちできるでしょう。今回は休養明けの一戦になりますが、昨年よりもさらにペースが上がれば、この馬によりチャンスが巡ってきます。