京都の新馬戦を同日の古馬1000万下(勝ち馬
オースミナイン)よりも0.3秒差速い、1分20秒6のレコードタイムで圧勝した
モーリス、前半3F34秒5の逃げから、そのまま力任せに京都の未勝利戦を逃げ切り、本日の
ひいらぎ賞でワンサイド勝ちを決めた
ミッキーアイルなどのPP指数上位の素質馬が揃って除外となりました。前記の3頭はここへ出走してきたらヒモが絞り切れないから厄介と思っていた馬たちだけに、馬券的には嬉しい除外でした。
また、当初は逃げ馬揃いで先行争いが激化すると思われていましたが、新馬戦としては高いPP指数で逃げ切った
オーシャンヒーローはこの中間、屈腱炎発症で戦線離脱、制御不能の逃げ馬
ミッキーアイルは除外、
千両賞を単騎逃げで圧勝した
ウインフルブルームは14番枠に入り、ハナ争いに加わっていけない可能性が高いとなれば、逃げ、先行馬にもチャンスが出てきます。
しかし、中山芝1600mはインコースを確保しやすいという点では内枠が圧倒的有利ではあるけれども、世間で言われているよりも実は逃げ、先行馬がそこまで有利なコースではありません。坂の頂上からスタートとなり、レース序盤が下り坂となる上に、2コーナーの急カーブでロスを強いられてポジションを悪くしないようにと、先行勢がインコース争奪戦を繰り広げるからです。
実際に朝日杯フューチュリティSの過去10年を振り返っても、前半3Fで35秒以上も要したことは1度のみ。過去10年10レースのうち9レースがハッキリとした前傾ラップで決着しています。ペース自体は差し、追い込み馬に向いていることが多いのです。つまり、視点を変えれば、「ロスがイヤなら前半で脚を使え、前半で脚を使いたくなければロスを覚悟しろ」という平等のコースとも受け取れます。よって脚質や枠順に捕われすぎることなく、能力の高い馬を素直に狙いたいです。
◎は9月阪神の新馬戦では終始窮屈な競馬を強いられ、本来は負け戦となるレースで、土曜日の
ひいらぎ賞を圧勝した
ミッキーアイルに勝利し、次走の
デイリー杯2歳Sではキャリア2戦目でいきなり2着と好戦した
アトム。前記の2戦ともに出走馬最速の上がり3Fタイムで追い込んでいるように、瞬発力は底知れないものがあります。
今回の出走馬は内枠に前に行きたい馬が多く、それらをやり過ごして中団の内目をコースロスなく進むことが出来る3番枠も理想的。あとはバテて下がってくる馬を、鞍上がどうやって捌くかだけ。前が開けば強烈な瞬発力を武器に突き抜けるでしょう。
○は新馬戦3着、未勝利戦1着、
くるみ賞3着、からまつ賞1着と、ここまで4戦2勝の成績の
ショウナンアチーヴ。確かに成績は今回のメンバーに入ると特別に光るものではありません。しかし、
ショウナンアチーヴはここまでのレースで着順以上に光るものを見せてきました。それはデビューから前走までの4戦、全てのレースで出走馬中、最速の上がり3Fタイムをマークしていることです。
スローペースの競馬になることが多いデビュー直後の2歳戦芝のレースでは、瞬発力は着順以上にその馬の秘めた能力を示すことが多く、とても重要な要素です。どんな展開になっても出走馬の中で最も速い上がりをマークしていることは、成績以上の潜在能力を秘めていることを示しています。
ショウナンアチーヴもそういう1頭でしょう。
今回は11番枠を引きましたが、内枠の馬たちは先行タイプばかりで、意外と簡単に距離ロスのない内にもぐりこめそうです。あとは持ち前の瞬発力で直線は強烈に伸びてくるでしょう。
▲はここまで逃げて3戦2勝、
ファンタジーSを勝利した
ベルカント。今年の2歳芝戦線は牝馬が好成績を残し続けているように、牝馬のレベルは高いと言えます。
逃げ馬にとっては理想的な1番枠を引き当てた
ベルカント。テンのスピードが遅い逃げ馬ならば1番枠は歓迎材料と言い切れない面もありますが、
ベルカントは今回のメンバーのなかでは明らかにテンのスピードが速く、単純に距離ロスなく、マイペースでレースを進められる分、有利となりそうです。
基本的にはマイルG1の舞台で逃げ切るのはとても難しいことなのですが、今回のレースで
ベルカントの直後に付けてきそうな逃げ先行タイプの馬たちは能力がやや劣る馬が多く、直線では失速する馬が多いでしょう。それらが壁になって、直線で後続の差し馬たちの追い出しが遅れた場合には逃げ切りというシーンも十分ありそうです。