【また強くなった】春のマイル王
モズアスコットが、前哨戦の
スワンSを叩き青写真通りに急上昇。GIは堂々騎手買いもあり。秋の
マイルCSや、より一層
モズアスコット--巷間広まっている「ルメール教」に、照れることなく入信だ。
今春はGI出走権を得るため賞金加算に苦労。7ハロン戦をベースに決め手を磨き、
安田記念前に3戦を消化(2・2・2着)、連闘策でようやく出走がかなった。陣営の執念と上昇カーブが、きわどくGIの舞台で合致したものの、いわば結果オーライの「苦肉の策」。年齢はまだ4歳。
安田記念が到達点とは、いい意味でも思っていなかったか。
タイトル奪取なった秋は、
マイルCSを逆算する形で調教メニューを組み、
ステップレースに
スワンSをチョイス。前走比10キロ増という492キロという造りも、他馬より重い58キロという斤量も想定内。決勝ライン寸前、ハナ差2着と敗れたものの、1F延長を視野に置いた京都・外回りマイルの操作は確認できた。
中間坂路で51秒台を2本ビッシリ追え、一度使ったことで、思惑通り背腰に張りが生まれ、立ち姿も瑞々しさいっぱい。
当該コースは4月の
マイラーズCを1分31秒5で2着歴があるが(勝ち馬は天皇賞2着馬
サングレーザー)。当時より確実に
スケールアップ、末脚研磨にルメールも自信あり。
対抗一番手は
アエロリット。牡馬混合のNHKマイルを1分32秒3という過去十年で3位タイの好記録で優勝。
安田記念を1分31秒3という好タイムでクビ差の2着に奮闘した4歳馬。
完成途上の緩い造りでも重賞戦績を残してきたが、4歳秋。
毎日王冠はラスト3F目から10秒9にペースを上げ、終い2Fを11秒2-11秒7で走破。コースレコードに0秒2差と迫る1分44秒5で牡馬を一蹴。
馬体の充実した今季は調教も手加減なし。理想像に創り上がった今なら、ムーアなら、右回りも伸び脚は確か。
一角崩しがあれば、
毎日王冠を最速の33秒2という末脚を繰り出し2着に食い込んだ3歳馬
ステルヴィオ。
ワンターンの東京と異なり、京都マイルはコーナーのすり抜け方やエンジンの負荷しどころに注文が付くが、鞍上のビュイックは、今やゴドルフィンの主戦を務めるジョッキー。
過去
マイルCSで5着2回、調教に跨りギアや要加速時間を確認できたのも大きい。
毎日王冠5着の
ケイアイノーテックは、プラス10キロ増という数字通り、脂肪が抜け切らず造りはブヨブヨ。
NHKマイルC・1分32秒8は同時期の
安田記念より1秒5遅く、前走の
毎日王冠は正直ハテナマークだらけだった。しかし、一旦は2着争いに参加。もがきつつも0秒4差の5着なら上々。
距離短縮は好材料、ひと叩きした上積みも十分。今回もまだ立場は
チャレンジャー、藤岡佑の一発長打も魅力。
ロジクライは3歳1月の
シンザン記念優勝馬。1年11か月の長期休養を余儀なくされ、完全復活に少し時間がかかったが、富士Sを1分31秒7という、
安田記念と横並びの好記録で快勝。今馬も自信満々、調教の俊敏さも際立っている。
去年の
マイルCS1-2着
ペルシアンナイト、
エアスピネルも、一年たち新勢力も台頭し相手関係はタフなものになっているが、狙いいはここ。