【血統通り】カイルアコナがスピードで圧倒。祖母アンブロワーズは、函館2歳S優勝(阪神JF2着)。母は芝1200から1400mで4勝、父はキンシャサノキセキ。430キロのコンパクトな快速系が誕生した。

　上り重点ながら、デビュー前の坂路・CWの終いは俊敏。いざ実戦でも、前半3F・34秒0というミドルペースを、外からかぶせるようにして2番手。直線を向いても脚色は優勢、ブワッと一段完歩を大きく膨らませ、みるみる間にゴール板に接近。決勝線通過後、有り余って外にヨレたのはご愛敬(笑)。後続には4馬身差の圧勝、1分9秒1も速い。新馬戦一発で、小倉2歳S勝ち負けが見えた。

　次位はマイネルグリットの実直さと経験値。中京マイルで新馬勝ちを果たしたが、祖母コスモヴァレンチは小倉2歳S1着、母は函館2歳S2着(など)。平坦・小倉適性はかなり高いとみていたが、フェニックス賞は、前半3Fは33秒5で展開。6Fの早い流れに遅れないよう、勝負どころはロスをカバーすべくインを突いたが、決勝線では後続に1馬身余、時計は1分9秒0。記録面でも適性を証明できた。コースも二度目、行き脚もギアの入りもスムーズになるか。

　まとめて負かせばトリプルエース。デビュー戦は阪神6Fの新馬戦では歴史的ともいえる超スロー(3Fは37秒7)。馬場は稍重、走破タイムは1分12秒5と平凡だったが、推定11秒2前後のラップを並べ直一気。21日の坂路では51秒1-37秒1-12秒1を軽々と計測、1分8秒台でも戦える良質スプリンターかもしれない。

　ラウダシオンは、坂コースの阪神で5F通過・58秒3というHペースの新馬戦を勝ち上がってきた。テーオーマルクスは、前走の小倉戦を重馬場・1分9秒6で走破。シゲルミズガメザは1分9秒0、馬体減りもなく好調。

　過去10年の前走クラス別成績だと前走新馬組が未勝利組・オープン特別組を上回る。それ自体は不思議でないというか自然な形だが、この組から馬券に絡んだ17頭のうち、6番人気以下から馬券に絡んだ馬が8頭、うち3頭は2ケタ人気。新馬組どうしの順位付けはけっこう難しいものだと分かる。

　どうしても勝ち時計で判断してしまいがちだが、馬によっては2戦目で伸ばす余地を残しているし、馬場状態や展開によってタイムは変わりうる。変わる度合いが小さい年は順当に収まり大きい年は荒れると考えられるが、どうせなら後者寄りの発想で予想していきたいところだ。

　今年の新馬組は6頭。▲カイルアコナはつけた着差が大きいが、できれば逃げ以外の戦法で勝ってきた馬から入りたい。上位人気にはなってしまうだろうが◎トリプルエースを軸に、できれば○カリニートあたりを引っかけていきたいところ。

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【上位拮抗】自分で厳しいペースを作って、最後は突き放す強い新馬戦を見せた7カイルアコナ。ここも先行策。5トリプルエースは2歳馬離れしたレースセンスの高さが売り。小倉コースでも決め手を発揮する。3ラウダシオンは間隔をとって、どれだけ成長したか楽しみ。

※8/25時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　私がキャリアの浅い2歳戦で一番重視するのは追い切りでの走りが前走より成長しているのかどうか。なので、直前の追い切りまでしっかり見て最終決断します。本命視しているのは、マイネルグリットです。新馬戦を勝ち上がり、前走は一気の距離短縮もあっさりこなしました。それに内の馬場の悪いところを最速の脚で上がっているところも評価できます。

※8/24時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　カイルアコナはデビュー戦で4角手前から仕掛けて後続をちぎった。センスの良さは抜群。今回も同じ競馬ができるとは思わないが、好位からしっかり差し切れるのでは。テーオーマルクスの前走は重馬場だったが時計的には評価可能。ヒバリは出遅れながら加速ラップで差し切った初戦の内容が素晴らしい。マイネルグリットはフェニックス賞勝ち馬。距離は1200の方がいいだろう。実戦に行って強いタイプだ。

※8/24時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　末脚に注目したい一戦。「“JRA、かつ芝、かつ出走頭数が10頭以上のレース”における最高上がり3ハロンタイム順位が2位以内だった馬」は2013年以降[5-4-6-33]と比較的堅実でした。また「前走との間隔が中2週以内だった馬」は2013年以降[1-3-1-47]といまひとつ。ちなみに、3着以内となった5頭は、いずれも前走のコースが小倉芝1200ｍ、かつ前走の出走頭数が10頭以上、かつ前走の上がり3ハロンタイム順位が2位以内だった馬です。これらの傾向から強調できるカリニート、ヒバリ、ミントティーあたりを重視すべきでしょう。

※特別登録段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　早期の2歳スプリント重賞ではあるが、ファンタジストやレーヌミノルなどクラシック路線でも活躍する馬、シュウジ、ベルカントら古馬になっても活躍する馬が多く輩出されている。秘められた素質が開花し始める出世レースとして見逃せない2歳戦。

1.ゆったりとしたローテーション

　過去10年で中4-8週で出走した馬が複勝率28.6％で、単・複回収率ともに100％を超えており上々の成績。以下、間隔が1週詰まる毎に複勝率も低下する傾向にあり、ある程度間隔を空けて臨んでくる馬を重視するのが良さそうだ。

2.逃げ・先行馬優勢

　過去10年の成績を前走の4角位置取り別にみてみると、勝ち馬はすべて前走4角3番手以内だった。明らかに逃げ先行有利だ。ただし、前走小倉1200mで逃げ切り勝ちを収めた馬でここでも馬券になった12頭中10頭は、前走の前半3Fが33秒台だった。逃げ馬ならば、重賞のペースに対応するためスピードを活かす経験はしておきたいところ。

3.前走の出走頭数に注目

　過去10年で、前走レースの頭数が9頭以下だった馬は複勝率5.3％しかない。対して、前走10-13頭だった馬は複勝率23.6％、14頭以上だった馬は複勝率24.3％に上る。ある程度頭数の揃ったレース経験はアドバンテージとなる。

　カリニートは新馬戦で勝負強さを見せ勝利。道中は若さを見せたが、スタート、追走、終いの脚まで及第点の内容だったと言える。馬体にはまだ余裕があったので、使って良くなってきているはず。重賞のここでも上位争いを期待できるだろう。

　ラウダシオンの新馬戦は阪神1200m。派手な内容ではなかったが、センスを感じさせる競馬で勝利した。中間の調整も順調で、ここでも期待できるだろう。初戦を完勝したカイルアコナにも注目。今回は同型との掛け合いがカギとなるが、控えても競馬できそうなタイプで特に心配はいらないか。

　マイネルグリットはフェニックス賞の勝ち馬。距離短縮の一戦だったが、器用さを見せ突き抜けた。昇級は苦にしないタイプでここでも好走可能だろう。以下、使った上積みがありそうなローランダー、フェニックス賞2着のゼンノジャスタ、先行力上位のヒメサマ。

【混戦模様】毎年のことだが、かなり先行指向の強いメンバー構成。好位や中団から差した実績のある馬を狙いたくなる。本命は、フェニックス賞の勝ち馬である10マイネルグリット。馬格もあって血統的にパワーも十分。荒れ馬場や道悪も苦にしない。相手は、07カイルアコナと06ヒバリの2頭を上位に評価。混戦模様とみて、◎○▲の組み合わせから流す3連複・3連単主体で勝負。

【小波乱】テーオーマルクスは力量上位。前向きでしぶといマイネルグリット。トリプルエースは追われてしっかりしている。

初戦値76というのは決して高くはないが、ぶっちぎりの流したレースのものでは仕方なしの◎カイルアコナ。出せばもっと出たが2戦目で高数値が期待できる。相手には○マイネルグリットと重の中京で87出している▲テーオーマルクス。一発に☆シゲルミズガメザ。

実戦を経験しての変わり身が見込める5トリプルエースが主力。短距離向きで額面通りなら抜け出せる。次位は10マイネルグリットで2勝馬で素質は高い。▲は7カイルアコナでスピード能力は非凡で積極策から好走は必至。