【一騎打ち?】3歳5月、
アスコリピチェーノのマイル能力と時計は牡・牝の中でも世代屈指。阪神JFを1分32秒6のレースレコードで駈け、歴代3位の時計決着となった
桜花賞は0秒1差の2着、成長曲線を描きつつ記録でも結果を残してきた。
桜花賞はプラス10kg、ゼッケン下に白い汗が流れ、若干厚ぼったい造りに見えたが、中3週というローテーションはひと絞りするにはちょうどいい。一週前に6F・79秒4というハードワークを課し、直前も余力残しで6F・82秒2、上がり1Fは11秒1。懸案の鞍上も水曜日に栗東でルメールJが調教に騎乗、身体を点検。日曜日のメインに全神経を集中して挑む。
第一本線は
ジャンタルマンタル。本年の
皐月賞は1分57秒1という大レコードで決着をみた。1000m通過は57秒5、マイル通過はダービー卿CTに匹敵する1分33秒4、9F通過は
中山記念と同レベルの1分45秒1。ゴール寸前2頭の強襲に屈したものの、超Hレベル決着を坂上一旦先頭。ウムム、負けて強しという言葉はこのことか。
皐月賞は後先なしの仕上げだっただけに、次走はさて? コンディション維持が最優先の目的となったが、フォームは崩れず。硬さも感じられず、いい意味でマイル仕様の前進気勢が表に出ている。力量通りなら両者の一騎打ちとなるが、
アスコリピチェーノはルメールJの体調――
ジャンタルマンタルは目に見えない疲労や折り合いが微妙。
一瞬の隙を突いて、
武豊J=
ボンドガールがゴール前一閃。
サウジアラビアRCは折り合いに泣き、阪神JF出走直前の調教での放馬で
桜花賞ロードへの青写真が白紙となってしまった。その
桜花賞は除外、関東圏の中山・ニュージーランドTへ回り2着は確保。関東圏で競馬できたことは、疲労も残らず却ってラッキー、調整もしやすくなった。賞金も加算、東京マイルを上がり33秒0の加速ラップで駆ける瞬発力タイプが、稍重馬場でも踏ん張った。
武豊Jとのコンビは二度目、ラチ沿いの大外を削るようにして上がり1F・11秒2の調教も圧巻。折り合いさえつけば、まとめて負かす可能性も十分。
ブランク明けになるが、
ゴンバデカーブースの一発長打も同様。
サウジアラビアRCは当面のラ
イバルである二頭が掛かり気味に競り合うラッキーもあったが、ゴール前の推進力はそれを抜きに秀逸。爪に不安など抱えているが、前走はノドの痛みを抱えながら勝った。堀=モレイラJのタッグなら難を克服、一気のジャンピングアップも一考の余地あり。
スケールや完成度は
ジャンタルマンタルに及ばないが、同じ
パレスマリス産駒の
ノーブルロジャーも、マイルはベスト。末脚勝負に徹すれば連下圏内に浮上。
ディスペランツァも今季3戦目、上がり調子でGIへと駒を進めることができた。