昔は“馬七人三”と言われていたが、近年の競馬はそれだけでは決まらない。育成技術の発達で馬の実力も拮抗し、ちょっとした馬場の変化で着順もガラリと入れ替わる。予想における“馬場の読み”は、もはや重要な
ファクターとなった。自分も、馬の力関係を推し量る前に、まずは馬場予想に頭を悩ませている。
先週は土曜の降雨により、日曜の
ヴィクトリアマイルも稍重発表の馬場。
ステイゴールド産駒と
メイショウサムソン産駒というパワフルな血統同士の決着だったが、2頭の上がりはともに33秒台前半。
皐月賞でも週明けにかなりの降雨があったが、いざフタを開けてみれば高速馬場での前残りだったものであり、現在の造園技術をもってすれば、先週程度の雨ならビクともするまい。今週も軽い馬場が継続すると見ていいだろう。
今日の東京メインは逃げ馬不在のメンバー。ゴール前の瞬発力勝負になると見て、東京向きの軽いキレ味を持つ
ナスノセイカンに注目してみた。4走前の
ウェルカムSは、その後にダービー卿CT2着の
キャンベルジュニア、
京成杯と
共同通信杯で3着の実績があった
メートルダールなど、ちょっとした重賞レベルの強力メンバーだった。2走前の
金鯱賞も、内で何度か進路を切り替えながら渋太く伸びており、左回りならいずれは重賞でも勝ち負けになる馬だ。
相手の大本線は人気の
アストラエンブレム。自在性がある馬だけに、スローの前残りになったとしても十分に対応ができるタイプだ。▲には実績で最右翼の
ヒストリカル。東京コースは得意であり、この頭数なら届いてもいいはずだ。
クラリティスカイは、トップハンデを背負っていることもあるが、速い上がりの決着には不安が残り、4番手の評価とした。