【これが実力】3歳馬
ダノンデサイルの跳躍力に期待。性格は激しく爪にも不安を抱え、
皐月賞は発走直前除外。幼さと才能が混在する状態でも、
日本ダービーは好位の内を終始馬なり。1000m通過は62秒2の超スロー、上がりが速くなるのは当然とはいえ、ラスト1000mのラップは11秒7-11秒3-11秒1-11秒2-11秒5(4Fは45秒1-3Fは33秒8)という超高速ラップを連ね、
皐月賞を1分57秒1という歴史的レコードで勝ちあがった
ジャスティンミラノを、ゴール前逆に2馬身差突き放した。
菊花賞の522kg(前走比+18)という造りは想定内。4番枠を利し
日本ダービーのように前半部分は好位のポケットを馬なりで追走できたが、勝負どころの3コーナー過ぎ第一のラ
イバル、
アーバンシックに前に入られ、さらにもう一頭割り込まれた。
次々と外からも被せられ直線入り口では先頭は遥か先、絶望的な位置に押し込められてしまった。しかし勝負の大勢は決着したあととはいえ、大外からメンバー中第二位の上がりで力量の在処は示した。中山2500mの
有馬記念は、1-2Fの瞬発力決着ではなく、3コーナーからの残り4F――持久力に長けた馬こそが狙い。今年の
有馬記念は確たる逃げ馬不在、スローペース濃厚。
日本ダービーの上がり4F推定45秒1-3F・33秒5のラップを他馬に先駆け駆使すれば、先頭ゴールの論理が成り立つ。5か月の休み明けを叩き、短期間に四肢の踏ん張りと体の張りがさらに上昇。枠は1番、好発を決めれば絶対の吉。3-4コーナーはすぐに下り先行集団に無理なく取り付ける。
有馬記念はスタンド前をいかにロスなく内で進められるかがキーワードとして連動する。逆にまさかの出遅れ――その時は腹を括って二週目の3コーナー過ぎからロングスパートを決めればいい。
第一目標だった
ドウデュースは無念の取り消し。となると決着は先行または好位で立ち回れる、
ベラジオオペラにも俄然金星の目が出てきた。キャリアは3歳馬並みの[5-1-1-3]。成長は一歩一歩、その過程でGI・
大阪杯をもぎ取り、重馬場の
宝塚記念も3着と見せ場を作った。夏は苦手、前走の
天皇賞(秋)は体調7分程度を承知の見切り発車だったが、4F・45秒5-3F・33秒7というレースラップに沿い、内から0秒4差に最後まで粘り通した。父は
ロードカナロアでも馬体
バランスは明らかに中距離馬。秋冬を迎え調教の負荷を一変。研ぎ澄まされた肩回りや腰・臀部の筋肉の束が浮きあがって見える。
アーバンシックは、秋は
セントライト記念を坂下から馬群を断ち割り一気。
菊花賞も中団内で折り合い、鞍上の指示に従い教科書通りの完勝を遂げた。体力と機動力が備わった今なら、真っ向勝負も試していい。
秋華賞馬
スタニングローズは長い眠りから覚め、
エリザベス女王杯は直線入り口猛然と先頭。残り3Fを推定・11秒7-11秒1-11秒2(34秒0)で後続を封印。2分11秒1という走破タイムは歴代2位。スピードに乗ったGI牝馬は、
リスグラシュー、
クロノジェネシスの驚きの
有馬記念完勝という先例もある。鞍上はムーアJ、後ろの強敵はハナから無視。迷いのない大胆なスパートを頭に描いているか。
8枠を引いてしまったが、それでも
ハヤヤッコに一票を投じたい。
アルゼンチン共和国杯の2分29秒0は文句なしのレースレコード。時計通りなら連下圏内となる。
スターズオンアースも牝馬クラシック二冠馬、昨年の
有馬記念は0秒1差の2着に踏ん張った。
ジャパンCは少し重め残り、絶好調時の動き出しや伸びにもうひと息だったが、完調までは微妙だが上積みはある。