今週土曜日の新潟競馬場でのメインレースは1600万下クラスのハンデ戦、日本海ステークスです。

　本命にはエーブチェアマンです。斤量が58キロなのが気がかりではありますが、前走の重賞エプソムカップでは2着に入り重賞クラスの能力があることを示していますし、このクラスでの勝ち経験もあります。今回初めての新潟で初めてのレースになりますが、同じ左回りの東京コースで結果を残していますし、脚質的にも適性があると思うので期待します。

　対抗にはネコパンチを推します。前走は少し離された4着でしたが、前々走はほとんど着差のない5着とこのクラスでも通用すると思いますし、3走前にはハンデに恵まれた面もありますが、オープンクラスの競争で2着という結果も残しています。さらに今回の距離は合っていると思います。

　三番手にはコスモラピュタです。菊花賞や阪神大賞典で掲示板にのる好走実績があり、前走1000万下条件ですが、斤量58キロを背負って、見事な逃げ切り勝ちを見せています。これまでこのクラスで結果を残せていませんが、実績的には上位なので期待します。

　押さえには前目で競馬をしたら堅実な成績を残しているアサティスボーイと前走見事な差し脚を見せたレッドスパークルです。

東大ホースメンクラブ　キャラメル

「父スタミナ×母スピード」の配合形は先行流れ込みの中距離馬になりやすい。ラーイやエンドスウィープやロイヤルスキーの肌にマンハッタンカフェを配すると、メイショウクオリアやゲシュタルトやセラフィックロンプのような脚質になる。

　◎も母父が安田記念のハートレイクでしかもフェアトライアルの薄い継続クロスになるので、小回り向きの先行捲りタイプだと書いてきたし、だから東京や外回りでは重い印は打ったことがない。

　新潟内2200mならセントライトやラジオNIKKEIのような好位捲りでOKで、それぐらいのパフォーマンスは出せるはずだ。

【軸不動】エーブチェアマンが中心。ハンデは重たいが前走重賞で2着の実績は一枚上だ。コスモラピュタも重賞で好成績。いかにマイペースを持続できるかがカギも逆転可能の位置にいる。セントライト記念3着のアロマカフェもこのクラスなら力上位。堅実に走れるタイプのネコパンチも上位争いが期待できる。休み明けのアサティスボーイは気配良好。バアゼルリバーも展開次第で浮上の目。休み明けがカギも能力上位のキングスパークにも注意。

【チョイ荒れ】コスモラピュタは、昨年の菊花賞を0秒3差の5着。阪神大賞典を4着に粘った、次代の長距離シーンの指針となるべき好素材。前走の安房Sは、1000m通過・1分0秒2、2000m通過・1分59秒7という精緻な平均ペースを、58キロを背負っての逃げ切り勝ち。ラスト2Fは11秒7―12秒0。中山の急坂を脚色衰えることなく駈け上り、2分11秒7という重賞級の快時計で押し切っている。新潟の2200mは、元々先行馬有利の平坦の内回り。準オープンへの昇級戦になるが、ハンデも57・5キロ止まりで、条件はむしろ好転。連勝に期待だ。エーブチェアマンも、1000万・準オープンを連勝して、エプソムC2着という、本格化著しい4歳馬。通過順だけをみると、追い込み一手に映るが、意外にインを器用に捌く脚もある。レッドスパークルも、3歳春は京成杯3着、すみれSでオープン勝ちもある、昨年のクラシックを賑わせた実力馬。前走の上がり33秒1で復調をアピール。格上げの不安はない。ただ、両馬ともに自力で競馬を作れない弱みは残る。新潟コースは7戦して馬券の対象から外れたことがないアサティスボーイ。良化はスローだが、ラジオNIKKEI賞馬アロマカフェの実績。ポルカマズルカの流れ込みを許すシーンも頭に入れておきたい。

新潟芝2200ｍというのはなかなか難しいコースである。距離と直線の長さを考えると上がり勝負が多くなりそうだが、外回りに比べたら直線は短いという騎手心理が働くせいか、意外と丸っきりの上がり勝負にはならない。かといって完全な持久力勝負にもならず、結果としてシンボリクリスエス産駒あたりはけっこう苦戦している。

　コースや血統から手がかりをつかむのが難しいならば、既にコース実績のある馬を買ってしまうのがいいだろう。ということで◎アサティスボーイ。

　昨年の2着馬だが、今回は近走内容がイマイチ＋休み明けということで人気は落ち着きそう。しかし前走はＧ２、前々走は同クラスで４着なのだから臨戦過程としては悪くない。休み明けも、過去のパフォーマンスを見る限りまったくマイナスではない。

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　◎コスモラピュタは「ロージズインメイ×トニービン」。この組み合わせは成功しており、ほかにミヤビファルネーゼ、マイネルグートなどが出ている。父ロージズインメイが異系色の強いアメリカ血統なので、重厚なヨーロッパ血脈で固められたトニービンがフィットするのだろう。

　スパッと切れる脚はなく、小回りコースに強いというのがこの配合馬に共通する大まかな特長。新潟芝2200mは内回りコースで、決め手を必要とせず、粘りがモノをいう舞台。その意味では前走の中山芝2200mとよく似ている。

　中山芝2200mで持ち味を発揮できるなら、新潟芝2200mも得意のはず。一度叩いて上昇が見込める今回は、自分の競馬さえできれば勝ち負けに持ち込めるだろう。