･前走2着以内馬をのぞく、前走でG1以外に出走していた馬
※阪神過去5年[0-1-0-18]
●2011年該当馬→ドナウブルー(5着)、メデタシ(9着)、ユースティティア(13着)
○2012年該当馬→ラスヴェンチュラス、サトノジョリー、ハナズゴール

･前走500万下戦出走馬
※阪神過去5年[0-0-0-19]
●2011年該当馬→ビッグスマイル(4着)、マイネジャンヌ(7着)、メデタシ(9着)、ハッピーグラス(11着)、ユースティティア(13着)
○2012年該当馬→スピークソフトリー、サンマルクイーン、ニコールバローズ

･前走で地方競馬のレースに出走していた馬
※阪神過去5年[0-0-0-5]
●2011年該当馬→ナナクサ(14着)
○2012年該当馬→スズカウインダー、サトノジョリー

2011年残った馬→ホエールキャプチャ、マイネイサベル、キョウワジャンヌ、マルセリーナ、リヴァーレ、エリンコート、ファーマペニー

【2011年結果】
1着：ホエールキャプチャ(○)
2着：マイネイサベル(○)
3着：キョウワジャンヌ(○)

2012年残った馬→キャトルフィーユ、トーセンベニザクラ、ジェンティルドンナ、ヴィルシーナ

2012年下半期[星取り表]：●●●○●○●●●●●

須田：先週の京成杯オータムHは、5頭残しで「すべて4着以下」という惨憺たる結果に。いくら波乱決着だったとはいえ、この結果はさすがにいかがなものかと。

井崎：……申し訳ないねえ。たぶん「当てに行こう」と日和ったのが悪かったんだな、ウン。いくらハズレが続いても、日和らず攻め続ける姿勢じゃないと！

須田：ほほう。黒星が5つも並んでいるというのに、まだそんなことを言いますか(笑)。確かに日和ったらダメだとは思いますが、当たらないっていうのは問題外ですよ？

井崎：ものすごく真面目に当てようとしてるんだよ、これでも！　しかし、1分30秒7という勝ち時計には驚かされたねえ。馬場の高速化、どこまでいっちゃうんだろうか。

須田：関東では取水制限って話が出ているくらい降雨量が少ないですからね。その影響で馬場の路盤が堅くなってるのが要因でしょうけど、それにしても速いですなあ。

井崎：で、今週は3日間開催で、日曜日のメインは阪神のローズSか。阪神も時計はかなり速いし、それ以外にもアレコレと悩まされる3日間になりそうだねえ。

須田：ではローズSの予想へと話題を移しますが、消去ネタでふるい落とした結果「ものすごく堅く決まる公算が高い」って見解でよろしいですかね？

井崎：この4頭が残ったんだから、そういうことになるよな。ただでさえ能力差が大きいメンバー構成で、しかも11頭立ての少頭数。波乱の可能性はきわめて低いと思うぞ。

須田：ただ、そのまま買ったら確実にトリガミですよ、これ(笑)。それに、最初の消去ネタで札幌記念4着のハナズゴールが「消し」になっているのも気になりますね。

井崎：ああ、ハナズゴールの扱いについては、じつはけっこう悩んだんだよ。「牝馬限定戦で「牡馬との混合戦での成績を重視せよ」というのは、セオリーだもんな。

須田：しかも、単なる混合戦ではなく、札幌記念で古馬の一線級と対戦しての結果ですからね。それに、チューリップ賞ではジェンティルドンナに勝っているワケですし。
井崎：うーん……でもさ、ただでさえトリガミ危険度が高いラインナップなんだから、さらにハナズゴールまで残すっていうのは厳しすぎるだろ？
須田：つまり、人気サイドではこの馬が最も消しやすいと。
井崎：うん、パターン的には間違いなく、いちばん消しやすいよな。夏をしっかり休養にあてていた組が強いレースだというのは、誰がどう見ても明らかだしさ。

須田：確かに、距離が1800mに短縮されて以降、その傾向がより強くなっていますからねえ。極端な話、前走オークス組を買っていれば、それで当たってしまうというか。

井崎：なら、ハナズゴールは「消し」で勝負するしかないよ。で、軸も素直にジェンティルドンナ。面白味のない予想になってしまって申し訳ないけど、コレで勝負！

須田：……井崎センセイ、ソレって日和って当てに行ってません？

井崎：そ、そんなことないよ！　ちゃんと攻めの姿勢で考えた結果がコレなんだから、仕方がないだろ！！

　実績的に断然なのが▲ジェンティルドンナと○ヴィルシーナ。その仕上がりに関しては、最終追い切りの内容から減点にするところはありません。ただ2頭に共通するのが、馬体重の増加。10キロ程度なら増えていても問題ないと思っていますが、それがローズSに影響を与える可能性については未知です。

　だったらここで優先出走権(馬券圏内)を獲れないといけない馬で調教内容が良ければ評価したいと思います。それが◎ラスヴェンチュラス。最終追い切りの動きは小島茂之調教師がコメントしている「レースで弾けるイメージを残しての動き」というイメージがしっかりとできる、いい走りを見せてくれました。また、それをレースでも騎乗する川田将雅騎手が乗ってのものというのもプラス。

　先週の阪神芝1800mで好走していたのが併用系統だったことを考えると、ラスヴェンチュラスの標準坂路主体という調教タイプも非常に魅力です。

1.スズカウインダー
今回：軽目トラック
前回：地方

2.スピークソフトリー
今回：乗込坂路
前回：軽目トラック

3.キャトルフィーユ
今回：標準少め併用
前回：標準多め坂路主体

4.トーセンベニザクラ
今回：標準少めトラック主体
前回：標準併用

5.サンマルクイーン
今回：一杯平均坂路主体
前回：標準併用

6.ジェンティルドンナ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

7.ヴィルシーナ
今回：標準坂路主体
前回：標準多め併用

8.ラスヴェンチュラス
今回：標準坂路主体
前回：標準多め坂路主体

9.サトノジョリー
今回：標準多め坂路
前回：地方

10.ハナズゴール
今回：軽目坂路
前回：軽目トラック

11.ニコールバローズ
今回：馬ナリ平均坂路
前回：標準トラック

　トライアルというのは本来、実績馬よりも上がり馬のほうが有利なレースです。その理由は実績馬が休養明けで、あくまでも本番へ向けての叩き台の一戦となるからです。しかし、ローズSで上がり馬があまり通用しないのは、ローズSが秋華賞へ向けての唯一のトライアル重賞で、指数(-18)-(-21)くらい(1000万下強?から600万下通用レベル)が求められるからです。つまり、前走で1000万下上位の馬はさらなる上積みが要求されます。

　二冠馬ジェンティルドンナはオークスですでに、1600万下通用可能の指数(-21)で勝利しています。現時点での最強3歳牝馬であることは間違いなく、今回でも最有力でしょう。しかし、ジェンティルドンナからでは馬券を買う意味がないので、同馬を対抗○評価とし、◎には3着、運が良ければ2着を期待して上がり馬のラスヴェンチュラスを◎とします。

　ラスヴェンチュラスが勝利した前々走の500万下は、牝馬限定ながらもキャリアの浅い3歳馬がズラリと揃って上位を独占したハイレベルのレース。上位のレイカーラ、ラスヴェンチュラス、パストフォリアの3頭ともに上がり3F32秒8をマークしています。

　昨年牝馬限定500万下で上がり32秒台をマークした3歳馬といえば、鹿ヶ谷特別のキョウワジェンヌとビッグスマイル。キョウワジェンヌは次走1000万下特別を勝利した後のローズSで3着、ビッグスマイルは次走500万下特別を勝利した後のローズSで4着でした。ラスヴェンチュラスは次走1000三面川特別で0.1秒差の3着に敗れていますが、瞬発力比べの一戦で再び32秒台の末脚を使えている点は評価できます。今回で1000万下強くらいの指数を叩きだせる素質を秘めた馬と言えるでしょう。

　▲は関東の素質の高い2歳牝馬が集結する赤松賞の勝ち馬トーセンベニザクラ。今年1月のフェアリーS以来、勝ち星から遠ざかっていますが、3走前のアネモネSは不良馬場、前々走桜花賞は出遅れ、前走オークスは差し勢が上位を独占する流れを先行と、それなりの敗因があるので巻き返しの可能性もあります。

　ハナズゴールの取り消しは残念だが、春の実績馬が揃った一戦。実績的にはジェンティルドンナ、ヴィルシーナが抜けてるが、指数的にはスピークソフトリーを狙ってみたい。

　2走前にマークした最高指数｢109｣が、実は今回のメンバー1位の数値で、2度の阪神替わり(京都→阪神)でキッチリ指数を跳ね上げているのがポイント。トライアルだけにスローの上がり勝負が想定されるが、今開催の阪神芝、特に外回りコースはキレより持久力指向のタイプが台頭しているだけに、スローだった前走の札幌1500mで定石通りに指数を下げているのも好材料。指数的には今回が狙い目と読む。

4番：仕上がり良く、馬場も合いそう。
6番：成長うかがえるし、素晴らしい素材も、まだ筋肉が緩い。
7番：18キロ増も、ほとんど成長分。

【怪物牝馬】ジェンティルドンナの能力が図抜けている。二冠目のオークスは、従来の記録を一気に1秒7も短縮する2分23秒6のレコード。翌週のダービーの走破タイムを0秒2上回っていたが、ダービーの2000m通過は1分59秒4のHペース。トーセンホマレボシのウィリアムズの、乾坤一擲の先行策に引っ張られる形で2分23秒8だったのに対し、オークスは、ゴール板が近づくにつれグングンと加速しながら、容赦のない5馬身差圧勝。自身で時計を切り開くレコードと、レース内容は遥かにダービーを上回っていた。あのオークスで、牡馬を含めた3歳世代の頂点に立った。乗り出しから1か月、春と違って調教も加減なくできている。ウオッカ、ブエナビスタの後継たる、怪物牝馬の秋初戦を見守る一戦。ヴィルシーナは、桜花賞が0秒1差の2着。オークスも、厳しい競馬を2着に踏ん張った。ジェンティルとはすでに勝負付けがすんでいるが、距離は1800m、11頭立て。緩ペースの先手勝負に持ち込めば、2割くらいの勝機も。瞬発力勝負なら、ハナズゴールも負けていない。チューリップ賞の切れ味は今も記憶に鮮やか。牡馬混合の札幌記念4着で距離にもメドがたった。課題は札幌から関西への遠征。やはり当日の馬体重はチェックしたい。ラスヴェンチュラスは夏の新潟で素質開花。栗東入りもハナズよりは余裕がある。トーセンベニザクラは、春はタイトなローテーションを余儀なくされ、ストレスとの戦いもあったか。ガス抜きが好結果に出る可能性あり。サトノジョリーは思い切った先行策に活路。

　セントライト記念も似たようなところがあるが、最近は春の時点で素質馬が出世している率が高く、「夏の上がり馬」がローズSで食い込むことは難しくなりつつある。しかし、今年はオークス組の絶対数が少なく、うち2頭はそのオークスで2ケタ着順。連対するとまでは言わずとも、夏に条件戦を使われていた馬がなにかしら3着に絡むチャンスはありそうだ。そうでなくとも、1000万条件で好走していた馬の3着くらいは近年のローズSでも実現している。

　そこで、3連単の3着付けという変則的な前提で◎ラスヴェンチュラスを狙ってみたい。春にも重賞に顔を出し掲示板に載れなかったが、実力面での限界というよりは馬体減りでどうにもならなかったという印象。休んだことで体も増えたし、人気を裏切ったとはいえ1000万条件で馬券に絡んだ馬なら3歳牝馬限定重賞の3着は可能だ。

各馬の上昇度・脚質・騎手・調教師・血統データを「先週最も儲かった」設定で解析。導き出された4頭の馬単・3連単ボックスで勝負！

なお、プレミアムサービス(※)にご登録されますと、中央競馬全レースで、上昇度・脚質・騎手・調教師・血統の項目を自由にカスタマイズして予想することができます。各レース情報ページの予想タブから「CP予想」にお進みいただき、ご利用ください。

※netkeiba.comのスマートフォン版・競馬総合チャンネルでは、プレミアムコースにご登録されますとご利用頂けます。

【小波乱】春2冠馬ジェンティルドンナが不動の主役だ。レコードタイムでオークスを制した後は、放牧に出して心身をリフレッシュ。8月1日に帰厩し、ここを始動戦に定めて順調に調整されてきた。夏の上り馬もこれといって見あたらず、秋華賞へ向けて好発進を決める。ヴィルシーナは桜花賞、オークスともに2着。こちらも休み明けになるが、器用なタイプで根性もあるので崩れることはない。ハナズゴールは古馬相手の札幌記念で4着なら悪くない。ひと叩きしているアドバンテージがあり、チューリップ賞で見せた切れ味を再現したい。キャトルフィーユは前々で気分よく運べばしぶとく粘る。ラスヴェンチュラス、トーセンベニザクラ、サトノジョリーを押さえる。

　◎ジェンティルドンナは「ディープインパクト×ベルトリーニ」という組み合わせで、母ドナブリーニはイギリスのG1ウィナー。全姉ドナウブルーは関屋記念(G3)、京都牝馬S(G3)の勝ち馬で、ヴィクトリアマイル(G1)でも2着となった名牝。ダンジグ系のパワーと持続力、ディープインパクトの柔らかさと瞬発力が融合した傑作で、後続に5馬身差をつけて圧勝したオークスは、2分23秒6という勝ちタイムがレースレコードだっただけでなく、翌週のダービーをも上回る破格の内容だった。同世代の牝馬と比べて競走馬としての器が断然上であり、わずか3か月でこの差が逆転するとも思えない。スピードの持続力が最大の持ち味なので、極端な上がり勝負になった際は接戦となるかもしれないが、牡馬相手や古馬相手ならともかく、同世代の牝馬を相手に連を外すことはないだろう。

　◎ジェンティルドンナは、直結コースのGIレースとなる桜花賞とオークスを制したので、当然、最有力馬となる。特に、もっとも直結する阪神マイルで桜花賞を勝ったことは高く評価したい。今回は桜花賞と同じ阪神外回りコース、距離は桜花賞より1ハロン長いが、距離の融通がきく馬であることから勝ち負けになる。

○ヴィルシーナは、直結コースの桜花賞とオークスで2着になり、直結コース東京芝1600mで重賞のクイーンCを制している。◎ジェンティルドンナとは互角の評価、仕上がり次第では逆転も狙える。

△トーセンベニザクラは、直結コースの東京芝1600mで赤松賞(500万下)を勝ち上がった。G?レースでは足りていないが、フェアリーSを制したようにG??G?は馬券圏内を争える。脚をタメて後方からの競馬になりそうな今回は、阪神外回りの長い直線を活かして差し脚を伸ばす。