クイーンSは夏場に行われる唯一の牝馬限定重賞ということもあり、例年それなりに頭数が揃います。しかし、今年はどういうわけだか、登録頭数11頭、出走頭数8頭の少頭数となりました。先週の
中京記念に出走した
アカンサスの畠山よっしー調教師も「こんなに頭数が少ないなら、こっちに出走すれば良かったぁー」(8着でも5%の賞金がもらえるため)とつぶやいていたほどの前代未聞のボーナスレースです。
16頭から18頭立てのフルゲートのレースでは、コーナーで大外に張られるリスクはありますが、逃げ、先行、差し、追い込みが
バランス良く出走していることが多いために、概ねレースが平均ペースからハイペースで流れて能力どおりに決着します。しかし、少頭数のレースでは、脚質に偏りが生じることが多く、その偏りがペースを狂わせ波乱を演出します。それが少頭数のレースほど、馬連3桁配当の出現率が低い正体です。
あまり展開に左右されない短距離戦なら、少頭数でも能力どおりに決着することがしばしばですが、中距離以上の少頭数のレースでは脚質の偏りから有利なポジションを探り当てることも重要となってきます。さて、今年の
クイーンSと言えば、出来れば末脚を生かす競馬をしたい馬ばかりが揃い、先行勢がスカスカとまではいかないものの手薄。よって逃げ、先行馬が有利の流れとなる可能性が高いでしょう。
◎はマイペースの逃げ、前有利の競馬が続く函館芝コースで粘り込みを期待の
クィーンズバーン。前走の
巴賞はテンから緩みのないペースを強いられたために13着に失速していまいました。
ディープインパクトC、
阪神牝馬Sと芝1400m戦としてはゆったり目のペースのレースが続いていたところからいきなりタフな競馬を強いられたことがかなり応えてしまったようです。また自身にとって初距離となった芝1800m戦であったことも影響が大きかったでしょう。今回は前走で厳しい競馬を経験したことでスタミナ面はかなり強化されているはずです。一昨年前の
阪神牝馬Sでは
マルセリーナを2着に降して逃げ切りVを決めた実績もあり、能力比較でも見劣りしません。
〇は昨秋の
秋風Sでは牡馬相手に休養明けながらいきなり2着に入線したように高い能力を秘める
スピードリッパー。もともと3歳時は牝馬クラシック3冠レースすべてに出走した馬なわけで、潜在能力は高いものを持っているはずです。近走は完全にスランプ状態が続いていますが、前走で初ダート戦に使われたことで体の
バランスが良化したようで、中間の動きには覇気が出てきています。他の有力馬がモタモタしている間に2番手から流れ込む競馬で大金星というストーリーもありそうです。
▲は昨年のこのレースの勝ち馬
アイムユアーズ。前走の
ヴィクトリアマイル時はひと叩きされてデキが良化し、一発も期待されたのですが、逃げの競馬が合わなかったようで最後に止まってしまいました。今回も調教は良い具合なだけに更なる上昇も期待できるでしょう。