母父スペシャルウィークが大活躍の秋競馬だが、エピファネイアもユールシンギングもヴェルデグリーンも、スペシャルウィークの母父マルゼンスキーの母父バックパサーの血を増幅した配合をしている、という共通点がある。

　◎クラリティシチーもバックパサー6×6･6にブサンダ≒ミスターブッシャー≒ブルーアイドモモ7･8×6･7･7で、キンカメ産駒としてもなかなかの好配合と言っていいし、ミスプロやニジンスキーやナスキロのクロスの影響で胴長でいかにも東京向きのストライドで走るから、東京ならばこのメンバーでも素質上位とみる。

　ハイアーレートは母母がポーカー3×4でナスキロ柔さのある牝系で、東京なら更にパフォーマンスが上がる可能性があるし、前々で立ち回れるのも有利でこれが相手筆頭。

　人気はおそらくサトノフェラーリだろうが、この馬はデインヒルが強い体型体質で、スローなら関係ないかもしれないが、どちらかというと小回り向きではないかと思う。

　イスラボニータは“柔らかく斬れるニューベリー”というイメージのマイラーだが、スローなら1800mが長いことはないだろう。

【混戦】イスラボニータは新潟2歳S2着。能力示した内容で中間順調、好勝負必至。ウインフェニックスは同レース4着。末脚堅実で展開次第で出番十分。クラリティシチーは新馬戦快勝。上積み十分でこのメンバーでも。ニシノハイツリーも前走内容良好でOPでもそん色ない。サトノフェラーリはコース替りで素質発揮。ハイアーレートも潜在能力高く、マイネルメリエンダも上位を伺える。

【しぶい】クラリティシチーの前走は、なかなか味わい深い好内容。平坦の新潟で前半1000mは1分2秒8のスロー。上がりラップに比重が高くなるのは当然として、11秒6-10秒7-11秒5というレースラップに対し(3Fは33秒8)、自身の上がりは33秒2。その加速ラップは、しぶく精密だ。祖母はクリスタルC優勝の快速馬ながら、母の父にスペシャルウィーク、父にキンカメを配しスタミナを獲得。東京1800mで、まずは力試し。洋芝の函館ゆえ、ラップの比較が難しいが、サトノフェラーリの、新馬･コスモス賞の上がり35秒台は、野芝の33秒台に匹敵。マイラー色の濃い、新潟2歳S2着のイスラボニータよりも、1800m適性と将来性を上位に置いた。やや気分屋に映るぶん、惑星としたが、ハイアーレートは、ドロドロの不良馬場で行われた札幌2歳Sを3着の粘り腰。ウインフェニックスは、外を振り回されるロスがありながら、新潟2歳Sでナンバー2の上がりをマークしている。

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