※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。
数ある2歳重賞のなかでも、近年重要性がとくに増しているのがこのレース。近6年の勝ち馬から、
皐月賞馬、ダービー馬、
マイルCS勝ち馬、JC勝ち馬、
宝塚記念馬が出ています。
このレースを勝つことで、GIレースで勝ち負けできるような将来性を約束されるようなものです。裏を返せば、それだけの素質が要求されるわけですが、だからといってスケール感ばかり追い求めると痛い目に遭うレースでもあります。
1.前が止まらず先行有利
ナカヤマフェスタ以降の1着馬6頭のうち、5頭までが4コーナー5番手以内で競馬をしています。唯一の例外
サダムパテックにしても、前走では先行策で未勝利を勝ってスピードと器用さを示していました。「前走先行」はこのレースを勝ち切るためにはマストの実績と言えます。
これには、日程面のカラクリがあります。スピードタイプの実力馬は、ほとんどが賞金が高いGII京王杯に向かうからです。今年からは京王杯との間隔が広がりましたが、その間にマイルのGIIデイリー杯が入ってきたから同じこと。東京スポーツ杯は有力スピード馬不在で行われるため、ほぼ必然的に先行馬に流れが向きます。
去年は
サトノアラジン、一昨年は
サトノノブレスが人気を集めて馬券圏外に沈みました。いくらすごい末脚を持っていても、このレースでは前が止まらないので、それが決定打にはなりづらいのです。
2.格はともかく前走1着馬
連対馬という括りでは、近5年でこのデータの例外は一頭もいません。近10年まで広げても3頭いるだけ。前走重賞・オープンで「負けたけど好走(2、3着)」しながらこのレースで連対を外した馬には、
クラリティシチー、
ワンアンドオンリー、
サトノノブレス、
ジャスタウェイ、
マイネルラクリマなどがいます。
重賞・オープンでチョイ負けしたよりも新馬・未勝利の勝ち馬が優勢。つまり、経験よりも素質・勢いを重く見るべきです。
3.血統的には間口が広い
今年の特別登録馬の中で
ディープインパクト産駒は4頭。過去には
ディープブリランテがこのレースを制していますが、このレースに出走した
ディープインパクト産駒は初年度以来4年で8頭いて、馬券圏内に入ったのは
ディープブリランテ1頭だけ。とくに得意レースとはいえません。
近5年で
フジキセキ産駒と
キングカメハメハ産駒が2勝ずつしていて、
シンボリクリスエス産駒が2回馬券圏内に入っています。切れ味よりも体力優先という傾向があり、クラシック向き種牡馬がメリットを発揮しにくいレースであることに注意が必要です。
新潟2歳S2着の
アヴニールマルシェは、指数的にも高い数値をマークしていますし、
藤沢和雄厩舎の良血馬ということで、将来性の面でも人気を集めることは必至です。しかし、2走とも最後方からの競馬になっているように、位置取り的に「無理をしない・できない」のが現状。前走のように「強い内容の敗戦」を喫する可能性も充分考えられます。
もっと1着に近い馬が他にいます。
グリュイエールは前走芝2000mの未勝利戦で長く脚を使ってレコード勝ち。スタートが安定していますし、捲りに対応して早めに動いた器用さは大きな武器になります。
ディープインパクト産駒で唯一このレースを制している
ディープブリランテは、岩田騎手が鞍上でした。「待っているだけではダメ」ということが骨身に染み付いている岩田騎手こそが、
グリュイエールの切り札になります。
ジャストドゥイングは3戦2勝、唯一先着を許したのが
札幌2歳Sを制した
ブライトエンブレムですから、序列的に
アヴニールマルシェに匹敵するほどの評価が可能です。離して勝つような爆発力はありませんが、3戦いずれも先行しているスタートセンスとレース上手さがここでは心強い材料。
クラージュシチーの前走未勝利戦は、途中から捲って出て10馬身差の圧勝という凄まじい競馬でした。しかしながら「先行しない・できない」という現状の荒削りさは
アヴニールマルシェと同様です。豪快さよりも器用さを重く見るのが本稿の趣旨であり、ここは4番手までの評価。
マイネルシュバリエも
ジャストドゥイング同様に、
ブライトエンブレム以外には先着を許していないという戦歴です。父の
バトルプランは地味な印象ですが、それで評価を落とす必要がないということは前述したとおり。人気的なギャップも生じそうで、消す理由が見当たりません。
以下、ムーア騎手が合いそうな
サトノクラウン、相手なりに走れる
ソールインパクト。