※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。
秋のナンバーワンマイラー決定戦。JRAのマイル路線は、たとえばス
プリント路線ほどは専門化が進んでいません。中距離や短距離など、別路線からのチャレンジが成功しやすいという特徴があります。
直近の古馬マイルGIの勝ち馬は、
ジャスタウェイ、
トーセンラー、
ロードカナロア、
サダムパテック。いずれも中長距離か短距離、別カテゴリーのGIレースで連対実績があった馬でした。どうしてこういうことになるのでしょうか。
1.信頼すべきはGI実績
安田記念もマイル
チャンピオンシップも、シーズン末期で荒れ気味の馬場に豪華メンバーが集結して、ほとんどいつも持続力勝負になります。
ところが、一連のマイル路線のGII、GIII戦では、スタミナを問われるような場面がなかなか発生しません。必然的に、直近のマイル路線での序列はGIにおいては当てにならず、信頼できるのは過去のGI実績(距離は問わない)、ということになります。
2.上がりが速いだけでは届かない
最近5年間で、終い3Fで最速ラップをマークして勝ち切ったのは
トーセンラー一頭だけでした。他の年は馬券圏外に沈む馬が目立ちます。
コーナー二つのマイル戦は、固まった隊列からのヨーイドンになるのが通例ですが、このレースでは馬群がバラけることが多いので、いくら瞬発力が優れていても、それだけでは勝ち負けに届きません。ある程度早めに押し上げられる自在性が必要になります。
3.有力
ステップは京都かGI
このレースの前にひと叩きしようとするならば、前開催の京都か東京を使うことになりますが、天皇賞組を除いた東京
ステップは劣勢です。例年出走頭数の半数以上を占めることを考えれば、積極的に手が出しにくい状況です。おそらく、前開催の東京が瞬発力勝負で終始することが原因していると思われます。
今回の出走メンバーのうちGI好走馬は、1着が
グランプリボス、
サダムパテック、
トーセンラー、
ミッキーアイル、
ロゴタイプ。2着が
ダイワマッジョーレ、
ワールドエース。3着が
クラレント、
ダノンシャーク。
この中から、◎は
ミッキーアイル。マイル戦は本質的に差し有利で、同程度の力量であれば先行馬よりも差し馬を買うのが
セオリーです。しかし、他のGI好走馬がのきなみ近況がもうひとつなので、「先行脚質でも勝てるほど力量が抜けている」という判断になりました。57kgを背負いながら長く脚を使った
スワンSの内容は優秀で、今回56kgで出走できるのも追い風になります。
ダノンシャークはGIだと脚質的に「差され役」に回りますが、3度のマイルGI挑戦で[3・3・4]の着順は立派の一言。前走は切れ味不足に泣いただけで、地力の高さについては疑う余地がありません。岩田騎手を確保できたのも陣営の
ナイスプレー。
ダノンとミッキーは実質的に同馬主と考えられますから、今回の
マイルCSではこの2頭が展開面で大きな重石になります。一目置かれる先行馬・岩田+
ダノンシャークの存在は
ミッキーアイルの
アシストになりますし、簡単に止まらない逃げ馬
ミッキーアイルを目標にできることで、
ダノンシャークもレースを進めやすくなります。
グランプリボスは古馬マイルGIで2着が3回ある歴戦の勇者。使い込まれると成績的に尻すぼみになる傾向があり、昨年来この馬の好走はすべて間隔が開いた時です。今回は
スプリンターズS以来のぶっつけですが、これは究極の勝負ローテーションと考えられます。
トーセンラーは昨年の覇者で、
京都大賞典3着からの
ステップも昨年と同様。ただし、その前が天皇賞2着、
宝塚記念5着と王道を歩んでいた昨年と比べると、今年の
パワーダウンは否定できません。
京都大賞典も内容的には凡戦の部類で、昨年ほどの評価は難しいところ。
クラレントは田辺騎手とのコンビがぴったりで、ここに来て再度充実期を迎えた印象。GIIIとは言ってもマイル重賞連勝は簡単なことではなく、重い斤量を背負い慣れていることも強調できます。
ワールドエースは
毎日王冠の大敗が気になりますが、瞬発力勝負にはあまり向いていないので、スタミナ戦で見直す余地があります。
ダイワマッジョーレは昨年の2着馬。今季は不振ですが、順調に使えるのはこれが久しぶりのこと。京都コースでは3戦3連対と凡走知らずで、今回は好走の条件が揃っています。