母系のロベルト的機動力で走るケイアイチョウサンと、母系のボールドルーラー的軽さで走るマーブルカテドラルは、東京や外回りよりも小回り内回りでこそ真価を発揮する馬だと思っている。

　ともに東京で凡走後というのが狙いやすいし、行きたい馬も揃ったから、あとはノリと戸崎がどう捲ってくるかに観戦料。

　まずは先週行われた福島芝1800m(2歳戦を除く)の1着から3着までの調教タイプを列記します。

　雄国沼特別(500万下)
1着　馬ナリ平均トラック
2着　軽目トラック
3着　標準併用

　未勝利
1着　乗込トラック
2着　軽目併用
3着　軽目トラック

　ラジオNIKKEI賞
1着　標準坂路
2着　標準トラック
3着　標準トラック主体

　未勝利、500万下で連対しているのが、馬ナリ平均系統。軽目の好走がこれだけ多いのは、馬場状態の良い開幕週だからこそ。なおかつ、スピードが必要という馬場だから、馬ナリ平均系統のトラックもしくは併用系統が好走しているのでしょう。

　福島芝1800mのラップの特徴として、スタートから2コーナー途中まで前半3Fが35秒で流れ、向正面は少し遅めのラップとなり、3コーナー手前からまた速くなる感じ。雄国沼特別もラジオNIKKEIもそんな感じだったので、トラックと併用系統がカーブでのスピードの持続で優勢にレースを進めることができたのでしょう。もちろん、標準坂路のアンビシャスの圧勝は能力の高さという前提です。

　ここもしっかりした逃げ馬がいます。先週と同じ流れになる可能性は高く、そうなれば、乗込併用の◎パシャドーラにもってこいの流れになるでしょう。直近で挙げている2勝はいずれも乗込坂路。ここにトラック調教の要素が加わることは、福島芝1800mという条件にはもちろんプラスに働きます。

1.メイショウインロウ
今回：標準トラック
前回：標準トラック

2.ベリーフィールズ
今回：標準少め坂路
前回：標準少め坂路

3.オコレマルーナ
今回：馬ナリ平均併用
前回：馬ナリ平均併用

4.パシャドーラ
今回：乗込併用
前回：乗込坂路主体

5.ブライトボーイ
今回：標準トラック
前回：標準少めトラック

6.マーブルカテドラル
今回：馬ナリ平均トラック
前回：軽目トラック

7.サングラス
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

8.コスモユッカ
今回：急仕上げ坂路
前回：標準少め坂路

9.ブロードスター
今回：標準少め坂路
前回：標準多め坂路

10.ミヤジタイガ
今回：標準併用
前回：一杯平均併用

11.ケイティープライド
今回：標準坂路
前回：標準坂路

12.ロジメジャー
今回：軽目トラック
前回：馬ナリ平均トラック主体

13.ケイアイチョウサン
今回：馬ナリ平均トラック
前回：軽目トラック主体

14.バロンドゥフォール
今回：標準トラック
前回：馬ナリ平均トラック

15.オメガキングティー
今回：標準少めトラック
前回：標準トラック

【伏兵注意】バロンドゥフォールは充実顕著。中間の調整順調で、動きも活気に溢れており勝ち負け見込む。オコレマルーナも能力非凡。引き続き気配良好で好勝負十分。オメガキングティーはしまい堅実でリフレッシュ効果にも期待。ケイティープライドも動きよく巻き返しが期待できる。パシャドーラも前走以上で侮れず、マーブルカテドラルやメイショウインロウなどにも注意を払いたい。

【増量中】バロンドゥフォールが、もてる本来の資質を発揮し始めた。3歳春中山のマイルで2連勝したものの、馬体減に泣き3か月以上の休養を5回も余儀なくされたが、明けて5歳。二走前の秋川特別では、一時期464キロに減った馬体を486キロに増量し、力勝負の東京マイルを1分33秒7の好タイムで快勝。続く昇級の多摩川Sでは、1分32秒9に時計を更新。

コーナー4つの中山1800mにも勝ち鞍があり、追走に手間取った前走を見ると、1F延長のこの距離のほうがきっと競馬も組み立てやすい。

逆転があればケイアイチョウサン。福島は、ラジオNIKKEI賞勝ち、58キロを背負い、準OPで2着、OP特別で3着。横山典とのコンビなら、小回りの福島はインをすくってよし。外一気の脚も自在に使える。

前走が少し負けすぎだが、資質ならマーブルカテドラルも五分以上。アルテミスS勝ちの切れ者牝馬。坂コースの中山マイル・芙蓉S勝ちの実績を考慮すれば、福島1800mも十分対応できる。

休み明けのむらさき賞を0秒2差に踏ん張ったパシャドーラは道悪巧者。ひと叩き効果とあわせ、前進と粘り込みは十分。

追い込み一手だけに展開に頼る面が大きいが、ベリーフィールズは二走前のパールSで32秒9という最速の上がりをマーク。51キロなら、ハンデ戦ならではの大駈けが期待できる。

右回りは得意とはいえないが、オコレマルーナは、むらさき賞は惜しい0秒1差に追い上げてきた。

　ハンデ戦だが、このクラスで掲示板に入ったことのない牝馬を除けば斤量差はあまり無い状況。ハンデについて神経質になる必要はない。

　4歳馬は2頭いるが、△マーブルカテドラルは前走の内容を見ると今回は押さえまでで様子を見たいところ。それよりは▲サングラスのほうが展開次第でチャンスもありそうだが、1000万条件を勝った2勝はいずれも逃げて展開も向いたうえで僅差。昇級で軸にまではしづらいところだ。

　◎はケイアイチョウサン。休養+転厩緒戦の前走は様子見というところだろう。叩いて得意コースに替わるここはメイチの一戦。ここで形にならないようだと先は暗い。

　馬券は◎を軸に決め打つので、○は穴でブロードスター。今回は福島実績を持つ馬がほとんどいないので、昔の話とはいえ福島・芝[2-0-1-0]のこの馬に期待する。

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　◎ミヤジタイガは｢ネオユニヴァース×エルコレドール｣という組み合わせ。ネオユニヴァース産駒は小回りコースを得意とし、これまでに勝った重賞レース23勝のうち、17勝が小回りコースまたは内回りコースでのものだった。

　本馬も2歳の9月、中山で行われたアスター賞(OP･芝1800m)を1分46秒4というコースレコードで駆け抜けたほか、同じ中山の弥生賞(G2･芝2000m)で2着と健闘した。昨年暮れに阪神芝内回り2000mで行われたカウントダウンS(1600万下)では57kgのトップハンデを背負いながら2着に食い込んでいる。福島は初コースだが、脚質的にいかにも合いそうなタイプで、逃げるサングラスを見る形で好位を取れそうな枠順もいい。自分の競馬ができればしぶといタイプで、このメンバー相手でも力は見劣らない。

上位陣とその他の力の差が大きいレース。夏競馬には多にしてこういうことが起きる。本命はオコレマルーナ。昇級戦となった前走は超のつくハイレベルな組み合わせで、微妙に距離が長いと思える1800m。ゴール前でスムーズに捌けていれば勝っていたかも、という6着。あれだけのメンバー相手に接戦できたことと距離を克服できたことは大きい。それでいてハンデは据え置きの55キロ。中心に推せる。

ハンデ戦なのでまずは平均値ソートで斤量との比較をする。上位に来るのは55キロのディープ産駒2頭。コース指数はないがディープならばコース相性もいい。◎オコレマルーナ、○バロンドゥフォールという順に打った。軽量で目立つのは▲パシャドーラ。前走101で52キロは明らかに有利。人気の盲点になりそうなのが大外☆オメガキングティー。数値の揃い方では上位に負けていない。以下△にも平均値で上の馬2頭と前走快勝の△サングラス。

久々を使われた効果で上積みが大きい7サングラスを狙う。スピード能力が高くマイペースで行ける公算が大。55キロで押し切りだ。次位は自在な脚がある3オコレマルーナ。うまく仕掛ければ逆転は十分。▲は鋭い決め手ある14バロンドゥフォール。

　先週の福島芝で、逃げた馬は[0・5・3・6]と、馬券には絡んでいるものの、逃げ切り勝ちはゼロ。昨年の開幕週は6勝だったが、昨年以上に速い時計が出ていたことを考えても、異変と言える数字だろう。特に、日曜の後半などは面白いように差しが決まっていたこともあり、今週は差し馬を中心に考えざるを得ない。とはいえ、直線一気型よりも、ある程度流れに乗れて一瞬のキレ味を持っている馬。そのイメージにピッタリなのがオコレマルーナだ。ここしばらくは左回りを使われ続けているだけに、人気の盲点となりそうだが、中山でも勝ち鞍があるように初の福島でも何ら割り引く必要はないはず。

　相手本線は、これまた小回りならそれなりの立ち回りができるバロンドゥフォール。3歳時にはこの舞台でのラジオNIKKEI賞勝ちがあるケイアイチョウサンも、当時と同じ横山典騎手なら復活があっていい。