1000万下、1600万下を連勝して、重賞初挑戦となった前走カペラSを15着に惨敗したことで、一気に人気を下げそうな◎ナンチンノン。その分、ハンデも53キロと普通の斤量になっています。もちろん、前走から2キロの斤量減が本命にした理由ではなく「追い切りの変化」が、前走と同じ中山ダート1200mで一変できる理由だと考えているから。

　まずは、前走カペラSの最終追い切りの坂路でのラップの踏み方を見てみましょう。

　14.7-12.9-12.0-13.3

　1F目から3F目まで加速して、ラスト1Fが減速。このラップは1000万下、西陣Sと同じなので、決して悪いラップの踏み方ではありません。むしろ調子自体は連勝時と変わりないものだったと思います。ならば、なぜ惨敗したのか。それは京都ダート1200mと中山ダート1200mの「舞台の違い」。直線に急坂があるかないかということです。

　京都の場合はスタート直後が上りになっているので、テンからスピードに乗るような調教が理想的。つまり、ナンチンノンは連勝した時のラップの踏み方が京都ダート1200mに適していました。ところが、前走カペラSは直線に急坂のある中山ダート1200m。ゴール前、最後の踏ん張りが必要になるコースにおいて、ラスト1Fが失速するような走り方は適性がありません。

　ただ「ナンチンノン自身が直線に急坂のあるコースは適性がないのでは?」と考える方もいるでしょう。しかし、中山ダート1200m、阪神ダート1200mで1勝ずつ挙げている実績から、直線に坂のあるコースが不得意とは思えません。そこで、阪神ダート1200mを勝った時の最終追い切りのラップを明記してみましょう。

　15.4-14.3-12.4-12.0

　きれいな加速ラップ、しかもラスト1Fが12.0秒ということで、直線に坂のあるコースには最適な追い切りでした。そして今回、1月2日の最終追い切り。

　15.8-13.9-12.2-12.1

　7走前とほぼ同じラップの踏み方ができました。これなら実戦でも最後の直線で減速することはないはず。西陣S1着時と同じ「標準多め」に仕上がっている点も評価できます。

1.ナンチンノン
今回：標準多め併用
前回：一杯平均坂路

2.マルカフリート
今回：標準少めトラック
前回：馬ナリ平均トラック

3.モグモグパクパク
今回：馬ナリ平均併用
前回：馬ナリ平均坂路主体

4.タイセイファントム
今回：乗込坂路
前回：標準坂路

5.トーホウチェイサー
今回：標準併用
前回：標準多め併用

6.メイショウツチヤマ
今回：標準少め坂路主体
前回：標準トラック主体

7.スリーボストン
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

8.アースソニック
今回：標準坂路
前回：一杯平均坂路

9.ダッシャーワン
今回：乗込坂路
前回：標準坂路

10.サクラインザスカイ
今回：馬ナリ平均トラック
前回：標準少め併用

11.レーザーバレット
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

12.マルカバッケン
今回：馬ナリ平均坂路
前回：標準坂路

13.メイショウノーベル
今回：標準多め併用
前回：標準トラック

14.ミヤジエルビス
今回：標準少め坂路
前回：軽目坂路

15.ブルーストーン
今回：標準少め坂路
前回：標準少め坂路

16.ティアップゴールド
今回：軽目トラック
前回：馬ナリ平均坂路

【混戦】ダッシャーワンは前走6着も後手を踏んだ影響が最後まで響いた。引き続き気配良好で巻き返し期待。メイショウノーベルは充実示す。レース振りも安定しており上位争いは必至。ミヤジエルビスは連勝中で活気も十分。条件ベストで勝ち負けも。休み明けの前走2着のレーザーバレットも上向き。モグモグパクパクも軽快で、タイセイファントムやサクラインザスカイにも注意したい。

【相手探し】カペラSの勝ち時計は規格外。離れた2番手争いに遅れをとったダッシャーワンだったが、ゲートで思わぬ後手。Hペースを気負い気味に深追いし、末を甘くしたものの、室町S・1分10秒4で、少なくともOP特別は勝ち負けが見えている。戸崎のデリケートさもプラス材料になる。

タイセイファントムは、カペラSで見せ場。前進の要素がいっぱいある7着だった。

中山1200mは緻密さと大胆さが求められるが、レーザーバレットは横山の外一気をイメージ。

マルカフリートは、久々・58キロで何度も結果を出してきた。

室町S2着のメイショウノーベル、順調さならミヤジエルビスなど、連下は力量拮抗。

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　◎ミヤジエルビスは｢ブライアンズタイム×ストームキャット｣。ファレノプシス(桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯)を筆頭にロードバリオス、ロードマジェスティなど成功例が多い組み合わせで、全姉ペルルノワールもダート短距離で準OPまで出世している。4代母ゴールドマインは名種牡馬ミスタープロスペクターの全妹。母方にストームキャットとミスタープロスペクターを併せ持つブライアンズタイム産駒は過去5頭すべて勝ち上がり、うち2頭が準OP馬、1頭が1000万下とコンスタントに走っている。配合的にも評価できる馬だ。

ジャニュアリーSは現在の条件となった09年以降の6年間で、前走1600万特別を勝って臨んできた馬は[0-2-2-3]と複勝率57.1%を記録している。ここは勝負になる条件だ。

いかにもオープン特別といったメンバー構成。そのうえハンデ戦。先行勢か追い込み勢か悩んだ末、そこまで速い流れにはならないと読んで◎はサクラインザスカイ。中山1200mでは5戦2勝2着2回という抜群の安定感。また後藤騎手との相性もいい。先行勢有利の展開と読んだなら自然とこの馬が浮上してくる。

休み明けだった前走の大敗で人気を落とすことで周りも楽に行かせてくれるのではないか。まさに人気の盲点的な存在。

人気は▲ダッシャーワンなのだろうか。確かに前走116というのはすごいが、それ以上の117という指数を持ちながら、さらに斤量減でやれる◎メイショウノーベルのほうが有利だ。負けるのは平均値。しかし差がわずか2であれば、逆転してもなんらおかしくない。ちなみに平均最高値マルカフリートはさすがに1年間のブランクとトップハンデを重く見て無印。以下、コース数値か距離数値で一発のありそうな所を△に入れていく作戦を取った。個人的には本日の勝負レース。

上昇度という点から本命に抜擢したいのが14ミヤジエルビスだ!オープン挑戦になるが心身が充実した現状から通用する。パーフェクト連対を誇る中山で54キロの斤量を利して主役に躍り出る。次位は地力で勝る9ダッシャーワン。決め手が引き出せれば逆転の余地はある。3番手は9歳馬だが元気一杯の2マルカフリート。