※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。
小回りで器用さが必要な中山から、直線が長い阪神外回りコースへ。2歳牡馬のチャンピオン決定戦・朝日杯が生まれ変わって今年で2年目を迎えます。コース形態が一変したことで、レースの性質も当然変化しました。しかし、朝日杯は朝日杯として変わらない部分もまた少なくありません。
1.前走1着馬が強い
先週の阪神JFは前走で負けていた馬が1-4着を占めましたが、前走で負けた馬の巻き返しに妙味があるのは牝馬限定戦ならではの特質です。牡馬は牝馬よりも体力的な余裕があるので、この時期の2歳馬でも重賞連戦は充分に可能です。過去10年の朝日杯では前走1着の馬が8勝していて、最近は7連勝中。阪神に舞台が替わった昨年もこの傾向は替わることがありませんでした。
2.前走はなんでもあり
昨年の勝ち馬
ダノンプラチナは
ベゴニア賞を3馬身差、一昨年の
アジアエクスプレスはオキザリス賞を7馬身差、2012年の
ロゴタイプは
ベゴニア賞をレコード勝ちと、レースの格や条件はともかくとして、そこでの「勝ちっぷり」が良かった馬が近年は好結果を残しています。さらにその前年の勝ち馬
アルフレードは
きんもくせい特別を勝っての臨戦。最近4年間は重賞未勝利の馬が朝日杯を制していることは注目に値します。
ステップとしたレースは、ダートあり、ローカルありの「なんでもあり」。2歳王者決定戦といってもそれほど高いハードルを超える必要があるわけではないのです。むしろ順調さや勢いの方を重視すべきでしょう。
3.牡馬の2歳マイルは前が止まらない
牝馬の阪神JFは差し馬が優勢なレースで、今年も
メジャーエンブレム以外の先行馬は総崩れになりました。しかし牡馬にとって阪神マイルはそこまでタフな舞台ではありません。昨年こそ差し決着になりましたが、それは強い先行馬がいなかった(先行した馬はすべて人気薄)ため。暮れの阪神マイルで行われた
千両賞などの2歳500万条件(コース改装以降14レース)を調べると、連対馬28頭のうち逃げ・先行馬が14頭ときっちり半数を数えます。昨年の結果や阪神JFの傾向だけを見て先行馬を軽く見るのは危険です。
リオンディーズは前走で新馬を勝ったばかりですが、1馬身半下した2着の
ピースマインドが次走を6馬身差で圧勝、また3着の
アドマイヤダイオウも未勝利戦を完勝しています。これらを問題にしなかったのですから、この馬の能力は並みの1勝馬とは次元が違います。朝日杯は「前走はなんでもあり」でキャリアよりも素質優先のレース。また、暮れの2歳阪神マイル(コース改装以降、500万下・阪神JF・朝日杯)では距離短縮組が勝率14.5%。前走マイル組の8.9%、距離延長組の2.1%を圧倒しています。角居調教師は同様の
ステップから
ウオッカ、
トールポピーで阪神JFを勝利しており(両馬とも1勝馬での制覇)、たしかな勝算を持っての参戦だと考えられます。
エアスピネルは
デイリー杯2歳Sが3馬身半差の圧勝。これはデイリー杯が1600mになってからの最大着差でした。阪神マイルにも勝ち鞍はあり、不安の少ない中心馬といえます。ただし、前回はほぼ
シュウジとの2頭立てに近いレースだったので、今回はあそこまで楽な展開にはなりそうにありません。
武豊騎手の平地GI全制覇に向けて、超えるべきハードルはそれほど低くないと見るべきでしょう。
シュウジは前走が完敗の形ですが、小倉2歳S以来の休み明けだった上に、本番を見据えて折り合い重視の競馬。仕上げもレースもあくまで前哨戦仕様のものでしたから、あの結果で評価を下げるのは危険です。それ以前の3戦3勝が示すように世代屈指のスピード馬であることに変わりはなく、2歳限定のマイル戦で大崩れする場面は想像しにくいところです。
イモータルはサウジアラビア
ロイヤルCでは窮屈な場面がありながらの小差2着。決め手勝負ならばここでも上位食い込みは可能です。
ボールライトニングは2戦2勝が完勝の内容。距離延長は課題ですが、この馬自身は折り合いがつくのであとは他馬との力関係でしょう。
ショウナンライズは今回が重賞初挑戦ですが、
くるみ賞の勝ちタイムは
京王杯2歳Sを上回っており、スピード面では重賞組以上の評価が必要です。