エイシンスパルタンの父ゼンセーショナルはアンブライドルドの孫で北米で8戦5勝、オールウェザーの6-7FのG1に勝ったスピード馬。

　自身はミスタープロスペクターの5・5×4で、フォーントリックやシーキングザゴールドからも単調なスピードを受けてはいるのだが、スピードの質がわりとしなやかなので東京1400でも先行押し切りは可能、ここでも勝ち負けとみた。

　ブラヴィッシモは同舞台の奥多摩Sが好内容で、母系に入るダルシャーンのしなやかさも受け継いでいてデインヒル系×サドラー系のイメージよりはストライドを伸ばして走る。1200mのG1を使った後だし、好位で流れに乗れれば阪急杯よりパフォーマンスを更に上げることも可能だろう。

1着サクラゴスペル　　/馬ナリ平均併用　(トラ)
2着ヴァンセンヌ　　　/標準少め坂路　　(坂路)
3着オメガヴェンデッタ/馬ナリ平均坂路　(坂路)
4着ブレイズアトレイル/一杯平均坂路主体(トラ)

　2015年京王杯SCの1着から4着の調教タイプを列記しましたが、この4頭はすべて「ダブル最速」に該当。トラックと坂路のどちらのダブル最速だったかということは()内に明記しました。

　あえて4着を掲載したのは10番人気だったから。馬券圏内も5番人気、2番人気、7番人気でしたから、ダブル最速に該当していることがレースへの適性を上げていると判断してよいでしょう。また、調教タイプに関しては坂路もしくは併用系統がベストでしょう。

　そうすると、◎ヴェルステルキング(トラ)、○ロサギガンティア(トラ)、▲ダッシングブレイズ(坂路)の3頭を上位することが簡単に決まります。馬券の買い方が難しいところですが、3頭のうち、2頭は馬券に絡むという想定で組み立ててみました。

1.ロサギガンティア
今回:乗込併用
前回:標準多め坂路主体

2.ヴェルステルキング
今回:標準多め併用
前回:標準トラック主体

3.ヒルノデイバロー
今回:スパルタ坂路
前回:一杯平均坂路

4.サザナミ
今回:馬ナリ平均トラック主体
前回:馬ナリ平均併用

5.ダンスアミーガ
今回:標準坂路主体
前回:一杯平均坂路

6.オメガヴェンデッタ
今回:標準坂路
前回:標準坂路

7.サクラゴスペル
今回:標準併用
前回:標準併用

8.クラリティスカイ
今回:標準トラック
前回:標準多め併用

9.エイシンスパルタン
今回:標準多め坂路
前回:急仕上げ坂路

10.サトノアラジン
今回:標準多め併用
前回:標準併用

11.ブラヴィッシモ
今回:標準多め坂路主体
前回:標準多め坂路

12.エポワス
今回:馬ナリ平均坂路
前回:軽目トラック

13.サンライズメジャー
今回:馬ナリ平均坂路
前回:馬ナリ平均坂路

14.アイライン
今回:標準トラック
前回:標準少めトラック

15.ダイワリベラル
今回:馬ナリ平均併用
前回:標準トラック主体

16.ダッシングブレイズ
今回:標準坂路主体
前回:標準坂路

【混戦】サトノアラジンは成長力ある血統背景。前走で力みが見られただけに距離短縮もプラスで重賞Vに期待。エイシンスパルタンは骨折放牧挟み3連勝と非凡さ見せる。状態前走以上でチャンスも十分。ロサギガンティアも充実示しており条件もベストで争覇圏。サンライズメジャーも堅実で上位の候補。ダッシングブレイズも地力着けており、ヴェルステルキングやオメガヴェンデッタなども差はない。

【磨き込む】サトノアラジンは、GI・マイルCSで0秒2差の4着に食い込んだ実力マイラー。GIIIのエプソムCは1分45秒4で2着、GIIIの富士Sは1分32秒7で2着と、重賞で連対実績も残してきた。

　前走のダービー卿CTは、プラス10キロの数字が示す通り、香港帰りで馬体は明らかに重め。なんとか人気に応えようと、コースロスのないインに進路をとり3着に押し上げたが、体調は万全とはいえなかった。しかし、中間6ハロン追いを3本消化。馬体を絞り込み持ち味である切れを磨き込んできた。1400mは初距離になるが、広い東京なら自慢の差し脚が繰り出せるハズだ。

　ロサギガンティアとの追い比べが第一本線。3歳のスプリングS以降、伸び悩んできたが、1400mのオーロC、阪神Cを連勝。後肢が充実し踏ん張りと切れが戻ってきた。東京コースの決め手勝負ならダッシングブレイズにも一角崩しのチャンスはある。二走前はラチに接触し落馬、前走は発馬で躓き大外を振り回されるロスが敗因。復帰する浜中を背に調教でも今一度馬体を造り直してきた。

　エイシンスパルタンは目下三連勝。京都1400mに1分19秒9という出色の勝ち時計があるだけに、GIIの京王杯SCに入ってもスピード負けはない。昨年の3着馬オメガヴェンデッタは阪急杯・1分20秒0で2着と好調を維持。サンライズメジャーは、戸崎なら先行流れ込みが期待できる。

　京王杯SCは過去10年で1番人気馬が1回しか連対していないレース。高松宮記念組を除くと距離短縮組のほうが強い傾向にあり、また前走準オープン組が通用しやすい。過去10年の準オープン組は[2-1-1-8]で、馬券に絡んだ馬は4,8,11,13番人気。ダメもとで狙ってみたくなる傾向だ。

　今年の準オープン組は2頭いるが、△サザナミは1200m色の強い馬。◎ヴェルステルキングのほうがこの距離では安心して買える。このところ外国人騎手でしか勝っていないのは気になるが、福永騎手は初勝利時のパートナーでもある。

　○にブラヴィッシモ。典型的な1400mタイプで、高松宮記念は相手関係も含め大敗やむなしの競馬、ここは適性に合う舞台だ。正直勝ち切るまでのイメージは湧かないが、馬券圏内にもぐりこむことはできる。

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　◎ロサギガンティアは｢フジキセキ×ビッグシャッフル｣という組み合わせ。母ターフローズは日本のエリザベス女王杯に相当するイタリアのリディアテシオ賞(G1･芝2000m)の勝ち馬で、その父ビッグシャッフルは独リーディングサイアーの座に6回就いたスピード型の名種牡馬。配合的には1600-1800mあたりが良さそうなイメージだが、気性的な影響で1400mに距離を短縮して結果を出している。

　もともと緩みのないペースで持続力が要求されるレースに強いタイプ。今回と同じ東京芝1400mで行われた2走前のオーロC(OP)はケチのつけようがない完勝だった。前走の阪神C(G2)はダンスディレクター、ビッグアーサーという強力メンバーを破っており、ここでは一枚上の地力を持っていると判断できる。今週からBコースに替わるのでインコースが有利で、前に行った馬が止まりづらいことも想定される。好位につけられる脚質で1番枠を引いたことは大きな強調材料だ。

【上位拮抗】エイシンスパルタンは中間の状態良好で重賞の舞台でも押し切れると判断。相手筆頭にはひと息入ったがしぶとい脚があるオメガヴェンデッタを抜擢する。サトノアラジンは初距離だが決め手発揮なら逆転も。サクラゴスペルはムラだが昨年の覇者でもあり地力的に無視できない存在といえる。ロサギガンティアは休み明けが微妙も実力的に要マーク。ヴェルステルキングは初の重賞だが勢い十分で穴として一考しておきたい。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　安田記念に向けた前哨戦で、今年で61回目という長い歴史を誇ります。一時期は安田記念にはあまり直結しない微妙な立ち位置が定着していましたが、最近はストロングリターン、ヴァンセンヌとここをステップに安田記念で好走する馬も見られるようになって、伝統の重賞が復権しそうな気配があります。

1.高速馬場でスプリンター強し

　マイラーとスプリンターが激突する舞台ですが、まだこの時期は馬場が速いこともあり、スピードに優れたスプリンター寄りの馬が優位に立ちます。とくに前走高松宮記念を使われた馬が過去10年で4勝。要注目のステップです。

2.勢いより格

　別定GII戦で賞金も高く、メンバーはそれなりに揃うのが常です。昨年の勝ち馬サクラゴスペル、一昨年の勝ち馬レッドスパーダは前走の凡走で人気を落としていましたが、すでに重賞制覇の実績を持っていました。別定戦で斤量が有利になる格上馬が有利なレースです。

3.ベテランが侮れない

　前出のレッドスパーダは8歳、サクラゴスペルは7歳での当レース制覇でした。4歳馬は過去10年で2勝を挙げているものの連対率では4.4%と不振。若い馬よりも完成された馬のほうが優位に立っています。

　サトノアラジンは昨年のマイルCS4着馬。重賞は2着が2回で未だ未勝利ですが、敗れた相手がエイシンヒカリとダノンプラチナですから、巡り合わせが悪かっただけ。ハンデ戦でも57kgを背負う馬が格下扱いで56kgで出走できるのは有利です。この距離でも東京なら。

　オメガヴェンデッタは4歳で挑んだ昨年の当レースが小差3着で、力をつけた今なら昨年以上も。エイシンスパルタンは3連勝といまだ底を見せぬスピード馬で、重賞でも楽しみです。

　以下、休み明けも実績上位のロサギガンティア、昨年の勝ち馬サクラゴスペル、4連勝で臨む素質馬アンタラジー、この距離でも差し脚侮れないダッシングブレイズ。

【小波乱】サトノアラジンは距離短縮を追い風に差し切る。ロサギガンティアは仕上がり上々。スムーズな競馬でダッシングブレイズが迫る。

当然ながらこのレベルになると110台が当たり前のように出ている。指数でいえば○ロサギガンティアなのだが久々の分がどうかという感じ。まあ馬券圏内は大丈夫とは思えるが、平均値で上回って指数に穴のない◎エイシンスパルタンのほうに本命を打つ。相手に▲サトノアラジンで上位はかなり有力。一発で平均値4位☆サンライズメジャー。

久々を叩いて復調ムードの10サトノアラジンが主力。東京向きで1400でも許容範囲。持ち味の末脚で抜け出せる。次位は16ダッシングブレイズで追い込みタイプだが能力でカバーしてくれそうだ。▲は6オメガヴェンデッタで実力は互角以上。

　スプリント路線とマイル路線から出走馬が集まる1400ｍ戦だが、傾向としては高松宮記念を使ってきた馬よりも、マイル路線で結果を残してきた馬の方が明らかに優勢だ。◎はダッシングブレイズとした。落馬の2走前はともかくとして、前走のダービー卿CTも出遅れた上での落鉄があったもので、それでコンマ4秒差なら重賞でも間違いなく地力上位と言える。初の1400ｍでも東京ならフルに力を発揮できるはずだ。
　
　相手は、昨秋とはデキが違うクラリティスカイ、これまた初距離だが地力は高いサトノアラジンが本線。現状ではスプリント色が濃いエイシンスパルタンを4番手の評価とした。