※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。
近年は施行時期が何度か変更されていますが、秋を睨む一流ダート馬の夏場の叩き台という位置づけは一貫しています。2014年から地方交流の
ブリーダーズゴールドCが牝馬限定戦になったことで、この時期に牡馬が使える唯一のダート中距離重賞として、重要性はさらに高まりました。秋のGIシリーズの出発点として、見逃せない一戦です。
1.勢いのある
チャレンジャーに注目
最近8年間の勝ち馬のうち7頭は、このレースが重賞初制覇でした(残りの1頭は
ローマンレジェンドの2勝目)。それら6頭はすべてが4歳か5歳で、斤量は56kg。6頭いずれもオープン特別か準オープンからの臨戦で、上り調子の勢いで重賞実績馬たちを負かして重賞タイトルを手に入れています。
2.前走凡走からの巻き返しは難しい
過去10年の連対馬のうち、前走で掲示板を外していた馬は3頭のみ。そのうち2頭はすでにGI勝ちのある抜けた実績の持ち主(2014年1着の
ローマンレジェンド、2011年2着の
オーロマイスター)でした。真夏の重賞らしく、順調に来ている馬のアドバンテージは大きく、生半可な実績馬では勢いを阻むことはできません。
3.北海道ダートOPの延長戦ではない
大沼S、
マリーンS、あるいはかつての
しらかばSなど、北海道で行われるダートのオープン特別からの転戦馬が多数を占めるメンバー構成になります。かつてはその組で決着することがほとんどでしたが、メンバーレベルが強化された近年は様変わりしていて、最近5年間で前走が北海道だった馬の連対は1例のみ。昨年の
モンドクラッセ、2014年の
ブライトラインは、一気のメンバー強化に対応できずに断然人気を裏切っています。
GIで勝ち負けできるようなレベルの「抜けた実績馬」は不在。実績最上位はGIII3勝の
クリノスターオーで、あとは「流れをつかめばGIIIで勝ち負け」というレベルです。
となれば当然目が行くのが、
大沼S、
マリーンSを含めてここまで破竹の3連勝中の
テイエムジンソク。着差は順に4馬身、5馬身ですから、勝ちっぷりの派手さも目を引きます。ただし、この2走ともにメンバーレベルには恵まれていましたし、小回りの函館で2連勝したものの大回りの札幌コースへの適性は未知数。超えるべきハードルは決して低くありません。
注目は、準オープンからの再昇級になる
コスモカナディアン。GIの川崎記念でも3着がありますが、それよりも強調できるのが前々走の
仁川Sでしょう。次走で
平安Sを圧勝する
グレイトパールと一騎討ちを繰り広げたパフォーマンスはインパクト充分でした。次走の
マーチSはそこから中1週の強行軍で、疲労残りが響いての敗戦であり、重賞では家賃が高いと考えるのは早計です。過去4年で2勝と、なぜか相性が抜群の福島の
安達太良Sからの
ステップも魅力的です。
ピオネロはダート重賞のタイトルには恵まれていませんが、コース・距離を問わずつねに勝ち負けに持ち込んでいるのですから立派です。決め手に欠ける難点があるので、大回りながら直線が短い札幌コースで重賞の壁を突破したいところ。
ルメール騎手への乗り替わりで勝負気配が漂います。
オヤコダカはホッカイドウ競馬のトップホース。前走星雲賞は相手に恵まれたとは言え3.1秒差の圧勝で、スピードとスケールは道営馬の枠を超えています。交流重賞でも好勝負した実績があり、自分のリズムで進めればこのメンバーでも。
クリノスターオーはこのレースに4年連続出走で、過去3年は2・4・2着。前走の
マーキュリーCも目標にされたぶんの3着惜敗で、7歳馬でも大きな衰えは感じられません。
ロンドンタウンはハイペースを早めに追走した
平安Sは大敗しましたが、それまでの一連の重賞実績から軽く扱えません。勝負所でズブさを見せる馬で、このレース得意な
岩田康誠騎手への乗り替わりは魅力。
リーゼントロックはジリ脚で詰めの甘さが残るものの、どんな相手と戦っても大崩れしないのですから地力は充分です。1年ぶりに復帰する
三浦皇成騎手の手綱捌きにも注目が集まります。