【伏兵注意】タマモブリリアンは前走OP3着と力量アップ示す。引き続き状態良く54kgも恵まれた印象で好勝負必至。アドマイヤナイトは前走惜しい2着と好走。好調キープで中山実績もありチャンスも十分。モルジアナは乗り込み十分。久々の芝もスピード劣らず争覇圏。ニシオボヌールも力つけ上位の候補。オデュッセウスも巻き返し可能で、ドラゴンストリートやパラダイスガーデンにも注意したい。

【頼れるナイト】アドマイヤナイトが堅調。3歳時に一度準オープンに上がり、2着連対歴もある実力派。5歳夏の今季・6月の水無月Sでは、33秒9という末脚を繰り出し、1分7秒3で2着に突入。課題だった時計勝負にも目途を立てた。北九州短距離Sは、スタートで立ち遅れたものの、リズムよく追い上げ首差2着の接戦に持ち込んでいる。436キロという前回体重は、この馬にとってはまだ余裕残りの造り、良化が見込める。中山にも勝ち鞍があり、遠征競馬も心得たもの。

　逆転があればタマモブリリアン。今夏のHTB杯では1分7秒6のレコードをマーク。準オープンにクラスが上がって2・3・3着と奮闘。特に前走のUHB杯は、時計は1分7秒9・上がり33秒9は最速。目下の充実振りを記録面でも読み取ることができる。坂コースに課題は残しているものの、クラス卒業は間近だ。三番手はユキノアイオロス。二走前のテレビユー福島賞では、横山典とのコンビで1分7秒9の3着に突入。稲妻Sも着順は9着ながら上がりは最速だった。ハンデは54キロ、レースの流れを見極める術に長けた、ベテランタッグならではのひと差しに注目。

　オデュッセウスはオープン特別2勝馬。57キロを背負い、中山は初コースになるが、地力で好勝負に持ち込んで不思議はない。モルジアナは芝でも2着2回、スンナリ先手を奪えば流れ込み圏内。ドラゴンストリートは前走の着差は0秒2、直線の脚に復調気配がうかがえた。

　この原稿を書いている金曜午後の時点で、東京・千葉には少し雨が降っている。土曜午後には馬場状態が回復するにせよ、少し時計のかかる良馬場にはなるだろう。

　そんな馬場が合いそうなのが◎アドマイヤナイト。1000万条件の千葉日報杯を勝ったときのような馬場になる可能性もあるし、自在性もある馬なので周りの出方に合わせてレースができる。準オープンに上がってからは55キロの2戦で大敗、53キロの2戦で2着。これがたまたまである可能性もあるが、今回は54キロなので、前走53キロでタイム差無しだった直後ということを考えるとやはり期待が持てる。

　馬券は均等流しの馬連だが、相手筆頭の○ニシオボヌールは前々走から前走の流れで明らかにクラス慣れが感じられるので、特に強調したい。▲スマートカルロスはある程度前が崩れてくる展開になった場合台頭してくる。

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　◎モルジアナは｢ドバウィ×シングスピール｣という組み合わせ。父ドバウィは、わずか1世代を残して急逝したドバイミレニアムの代表産駒で、現役時代に愛2000ギニー(G1・芝8f)、ジャックルマロワ賞(仏G1･芝1600m)、ナショナルS(愛G1･芝7f)を勝った。ポストポンド、マクフィ、アルカジーム、ナイトオブサンダー、イラプトをはじめヨーロッパで多くのG1ホースを生み出しており、香港のラッキーナインは香港とシンガポールでG1を勝ち、来日して臨んだセントウルS(G2･芝1200m)で2着と健闘した。

　本馬はシャケトラ(日経賞)の半姉で、母サマーハはドイツの名馬マムール(バーデン大賞、オイロパ賞)の4分の3妹。本馬はシーキングザゴールド≒ウッドマン3×3、サーアイヴァー≒ドローン≒ヘイロー6・6×4でスピードを強化しつつも、母方にサドラーズウェルズが入るドバウィ産駒、という重厚な血統構成の影響から、パワーを活かすことができるダート戦で出世してきた。2歳時に芝のオープンクラスで2着、3歳時に芝の1000万特別で2着となった実績があり、必ずしも芝がダメというわけではなく、欧州血統だけに道悪の鬼である可能性が高いと思われる。金曜日から土曜日にかけて降る雨は大きなプラスだろう。

【差し注意】4タマモブリリアンは好走続きでコース替わりでも引き続き首位争いになりそう。10アドマイヤナイトは好位差しが安定しており今回もチャンスが十分ありそうだ。16ニシオボヌールは前走惜敗も叩き2走目なら上位食い込みが狙えそう。15パラダイスガーデンは展開次第だが仕掛けが決まれば一発が考えられそうだ。6スマートカルロス、11メイショウブイダンも決め手あるタイプで叩き前進に要注意。

【小波乱】ドラゴンストリートは流れに乗って抜け出す。発馬を決めてアドマイヤナイトが前進。メイショウブイダンは上積みがある。

ハンデ戦ながら上位にはそれなりの数字が付いているだけであまり気にしなくていいような感じがしている。上位は牝馬2頭。◎アドマイヤナイトと○タマモブリリアン。コース値ある分◎を上に見た。しかし以下はほとんど差がないといっていい。軽量馬にも出番があるのではないだろうか。

準オープンでは安定勢力の10アドマイヤナイトが有力。うまく好位で運べればチャンスはある。次位は4タマモブリリアンで末脚は威力があり期待できる。▲は16ニシオボヌールで上り調子で巻き返しは可能。

　短距離のハンデ戦は、この路線を使われ続けている馬も多いことから、斤量の比較も重要な予想ファクターとなるが、それにもまして必要なのは本質的なコース適性の精査だ。加えて、状態の変化を見落としては話にならない。

　◎はアドマイヤナイトとした。ここは春に1000万を楽勝した舞台へのコース替わりであり、重目が残っていた前走を叩いて坂路調教でシャープな動きが戻っている。1キロのハンデ増など全く問題はないと見た。

　相手は、前走で軽ハンデながらオープンで好走したタマモブリリアンへが大本線だが、一叩きされて上昇を示すスマートカルロス、年齢的な衰えを見せないユキノアイオロスも争覇圏。以下は、ドラゴンストリート、ニシオボヌール、デンコウウノまで押さえておきたい。