アルモニカはロードカナロア×ディープインパクトの配合どおりの鋭敏さで完勝。叩いた上積みは大きそうだし、あれなら京都外1400で更にパフォーマンスは上がるはず。ダイワメジャー2騎が京都より阪神向きのパワー型だけにチャンスだ。

　スズカフェラリーはりんどう賞では直線スペースがなく、まともなら突き抜けていたと思う。これを相手本線としたい。

【指針】アマルフィコーストは、暮れのGI・阪神JFはもちろん。来春の桜花賞まで、一連の牝馬クラシック戦線の柱となる良質マイラー。初陣の阪神7Fは、ダッシュ効かせ先手、前半1000mの入りは58秒8のミドル。ラスト3Fめから11秒9とピッチを上げ、11秒2-12秒1で余裕残しのフィニッシュ。続く中京2歳Sは一転、末脚勝負。11秒6-11秒6-11秒9(3Fは35秒1)というレースの上りに対し、自身のソレは34秒3。息長く懸命に、一歩一歩脚を延ばしてきた。ちなみに1分34秒7は、同日の古馬500万と0秒4差――その勝ち馬はローズS優勝馬ラビットランだった。もとより気のいいダイワメジャー産駒、7Fへの短縮も大丈夫。中間もCW・坂路を交え、乗り込みは密。

　逆転があればベルーガのスケール。1分11秒6という札幌の時計は、数字的には説得力に乏しい。しかし、あのモレイラ騎乗とはいえ、直線半ばからは持ったまま。ド迫力の0秒7差圧勝だった。アルモニカも、11秒8-11秒4-11秒5(3Fは34秒7)というレースの上りを、よどみなく34秒5でスパリと抜けきってみせた。

　コーディエライトは、展開に恵まれたとはいえ、新潟2歳S2着。そのベースとなるのは、二走前の1400m圧勝劇にあり。アーデルワイゼは、昇級のもみじSも粘り強く2着。モズスーパーフレアは、今回は気負いなく乗れる。初陣の1分8秒5の記録の価値を再考。

　ファンタジーSは新馬戦を勝ちたての馬が意外に奮わず、前走オープン特別・重賞組が強いレース。デイリー杯の日程が繰り下がってデイリー杯→ファンタジーSというパターンが無くなったため前走条件戦組とオープン組の差は縮まってくるものと思われるが、他のオープン特別・重賞から来た馬でもそれなりに好走しているので、いまのところはフレッシュさよりも経験を重視することとしたい。

　デイリー杯以外のオープンから来た馬は、好走していた馬が人気サイドで来るか、前走6着以下の馬がノーヒントでいきなり穴になるかの両極端。後者はなかなか予見することができないので、前者を軸にするしかないだろう。

　◎はアマルフィコースト。たとえ1200m組でも悪いというわけではないこのレースだが、1600mまでこなしているというのはやはり安心感がある。この馬が連対する前提の3連単で。

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【上位拮抗】11アーデルワイゼはデビュー以来、一貫して1400mを使っている距離巧者。時計面では見劣るものの、流れに乗ることが上手でどんな競馬になっても適応する力は高い。6スズカフェラリーは前走、やや仕掛けが遅れて3着と惜敗。ただラストまでしっかり伸びており見限れない。10アマルフィコーストは実績ナンバー1。パワー型で今の馬場も合いそう。

　◎アルモニカは｢ロードカナロア×ディープインパクト｣という組み合わせで、母アフリカンピアノは不出走だったが、その全兄にワールドエース(マイラーズC、きさらぎ賞)を持つ良血。2代母マンデラはドイツの名馬マンデュロ(仏G1ジャックルマロワ賞、英G1プリンスオブウェールズS、仏G1イスパーン賞)の半姉にあたる。｢ロードカナロア×ディープインパクト｣は、ロードカナロアの母の父ストームキャットがディープインパクトとニックスの関係にあるので、おそらく成功するだろう。

　前走の新馬戦(芝1400m)は2番手追走から直線で楽々と抜け出して後続に3馬身差をつけた。余裕綽々のレースぶりだったので2戦目の今回は大幅にパフォーマンスを上げてくるだろう。

　ロードカナロア産駒は京都芝1400mで8戦4連対(連対率50%)と抜群の成績を収めている。また、伯父のワールドエースは重賞を勝った2戦がいずれも京都競馬場。コース替わりは吉と出るはず。ドイツ血統を抱えた奥の深い血統でもあり、昇級初戦でもまったく見劣りはしない。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　阪神JFへのステップレースだが、5年前にアルテミスSが創設されてからはメンバーが分散するようになり、レースの性格も微妙に変化している。それ以降の好走馬で古馬重賞級にまで出世したのは、ローブティサージュ、ベルカント、ブランボヌール。いずれも、古馬になってからはスプリント路線に活躍の場が限定されていることに注目したい。桜花賞で勝ち負けするようなクラシック候補よりも、スピード豊富なスプリンターの方が戦いやすいレースだと考えられる。

1.先行馬が頑張れる

　昨年は殿人気のショーウェイが、一昨年は6番人気のメジェルダが2着に逃げ粘り、2014年は殿人気のクールホタルビが3番手からの抜け出しで大穴を開けた。2013年に逃げ切り勝ちを収めたベルカントもその時点では4番人気。過去10年で見ても、4コーナーの通過順位が4番手以内だった馬が7勝を挙げている。

2.キャリアが浅い馬は苦戦

　将来性の高そうな馬を先物買いすることは2歳重賞の楽しみだが、このレースにおいては有効な馬券戦術とは言えない。過去10年で、前走で新馬を勝った馬の成績は[1-1-0-20]と不振だ。連対を果たしたのは、次走で阪神JFを勝つローブティサージュと、朝日杯FSで1番人気に推されたミスエルテの2頭のみ。

3.距離短縮組が優位

　前述の2頭は、いずれも前走で1600m以上の距離を使われていた点で共通する。過去10年のこのレースで、前走から距離短縮で挑んだ馬の連対率は33.3%。距離延長の9.3%、同距離の9.0%と比較して、その優位性ははっきりしている。より長い距離を我慢して走った経験が、重賞の舞台で花開くのだ、というデータ。

　将来的に短距離路線で活躍できるようなスピード馬でありつつ、現時点では長めの距離を経験していることが望ましい。そういう視点から、本命にはコーディエライトを推したい。ローガンサファイアの全妹で、近親にはダート短距離の名種牡馬サウスヴィグラスがいるように、短距離色が強い血統背景の持ち主だが、だからこそ前走の新潟2歳S2着が意味を持つ。

　マイル重賞でも勝ち負けできるだけのポテンシャルを披露しつつも、適距離の芝1400mでは、未勝利戦で素質馬レピアーウィットに1秒差をつけて圧勝した実績がある。鞍上の和田竜二騎手は、今年になってフローラS、ローズSと牝馬重賞を2勝。「牝馬の和田」と言いたくなるくらい牝馬重賞での好騎乗が目立つ。

　アマルフィコーストは中京2歳Sの勝ち馬で、こちらも「距離をこなした経験を持つスピードタイプ」という条件に合致する。ダイワメジャー産駒という点でもコーディエライトと一緒で、両馬の一騎討ちを本線に考える。モズスーパーフレアはハナを譲った小倉2歳Sでは脆さを出したが、芝1200mの勝ち時計は今季の小倉の2歳戦でナンバーワン。スピードが活きる形になれば巻き返してくるものと思う。

　ベルーガは1200mの新馬戦からの直行という部分が過去の傾向に引っかかるが、差して千切ったレース内容は圧巻の一言。データを覆す大物かもしれない。以下、キャリア豊富なペイシャルアス、りんどう賞敗退から攻め強化して臨むスズカフェラリー、新馬圧勝で関東から田辺裕信騎手を呼び寄せて挑むアルモニカ。

【前進期待】札幌の新馬を快勝するも、前走のりんどう賞では惜敗した06スズカフェラリー。とはいえ、見どころ十分の3着で、内容はかなりの濃さだ。前走と同コースで慣れも見込めるだろうし、状態面の良さも強調材料。ここから、相手は10アマルフィコーストと11アーデルワイゼの2頭を上位に評価した。チョイ荒れがありそうなので、◎○▲の組み合わせから流す3連複・3連単主体で勝負したい。

【小波乱】アマルフィコーストはセンス上々。スピード豊かなベルーガ。レグルドールはレースがうまい。

同距離コース数値では▲スズカフェラーリ。でも初戦勝ちの数字は67程度。これならば初戦87勝ち◎アルモニカを抜擢してみたい。相手は○アマルフィコースト。一発は前走94☆コーディエライト。とはいえここはかなりの混戦といえる。△で押さえきれないくらい候補馬が残る。

デビュー戦で圧勝した9ベルーガが有力。距離延長は歓迎で潜在能力の高さからチャンスはある。次位は10アマルフィコーストでオープン勝ちの実績から能力は勝る。▲は11アーデルワイゼで先行力があり能力的にソン色ない。