【照り返し】ソウルスターリングが輝きを取り戻した。母スタセリタは欧仏のGIを6勝、世界レベルの名牝。父は怪物フランケル、その配合通り、まずは2歳暮れ、阪神JFを快勝。オークスの優勝タイム・2分24秒1は、その時点での歴代2位だった。血統にたがわぬクラシック戦績を残したとあれば、3歳秋は打倒古馬、いざ中距離GIへ参戦。

　しかし、ピークの造りで迎えた天皇賞は、歴史的な不良馬場。超のつくタフな芝を力走した反動は思った以上に大きく、4歳となった今年春は、体重に波ができ、腰も細く尖ってしまった。

　阪神牝馬S・ヴィクトリアマイルと、加速力ひといきのまま終わってしまったが、立て直しをはかり北海道入り後は、背腰が張り立ち姿勢もみるからに良化。フットワークのスムーズな右回り、少し時計のかかる札幌の洋芝適性はデビュー戦でも示してきた。56キロは力で克服。

　逆転があれば同年代の秋華賞馬ディアドラ。オークスは4着に完敗したが、夏の札幌シリーズで1勝を積み上げ秋華賞を制した。3着に敗れはしたが、世界の中距離GI・ドバイターフで3着。底力や実力を改めて示した。

　状態のよさならエテルナミノル。肌は今まさに艶々、函館記念3着はフロックではない。

　アグレアーブルは、適度にパワーを要する平坦の洋芝は、腰の負担が少なくてすむ。鞍上モレイラ、惑星の資格十分だろう。

　体型やデキに大きな変化はないが、トーセンビクトリーは、札幌1800mは[0110]。ツヅミモンの思い切ったパワーの逃げも楽しみ。

前走GI組で上位人気の馬が順当に来ることの多いレース。◎ディアドラは差し遅れリスクはあるものの、それなりには伸びてくるはず。▲ソウルスターリングあたりは札幌コースが合うか微妙なので、◎からの3連複で、超安めの組み合わせにならないことを祈りつつ1軸で。

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【混戦模様】条件戦から始まったとは言え、1年複勝圏内を外していないのは立派な5フロンテアクイーン。今回GIウイナー2頭と走らなければいけないとはいえ、2頭とも信用が失墜し始めている馬たち。実績不足でも卑屈に思うことはなく、堂々とぶつかれば金星は十分に可能。3トーセンビクトリーは昨年の当レースで2着。器用な脚が使えて立ち回りが上手。前走逃げたことも、いい刺激になっているはずだ。1アグレアーブルもモレイラ騎手ということを抜きにしても、調子は良く穴で狙って面白い存在。

※月曜日段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　夏のローカル重賞に一流馬が姿を見せることは例外的だが、その数少ない例外のひとつがこのクイーンSである。秋を見据えたスターホースがここから始動するケースが増えていて、昨年はアエロリット対アドマイヤリード、春のGIホース2頭の対決で盛り上がった。

　メンバーが揃うこともあって、人気馬の信頼性は高い。過去10年で1番人気が7連対、連を外した3年はいずれも2番人気が連対している。ただし、1、2番人気で決着したのは1回だけで、過去10年中8回までは6番人気以下の馬が連に絡んでいる。実績馬が揃っている年でも、何か一頭「変な馬」が入ってくるところが、いかにもローカルの牝馬限定戦らしい。

1.スピード勝負に対応できるか

　開幕週の芝1800m戦であり、スピード勝負になることが大前提。いい位置でスムーズに流れに乗るためのスピードがあることが、勝ち負けするための必須条件になる。2015年の勝ち馬メイショウスザンナはマーメイドSからの臨戦だったが、もともとは1200から1600を主戦場にしていた馬だったし、2010年のアプリコットフィズと2011年のアイムユアーズは、オークスからの臨戦ながら、それ以前にマイル以下の重賞での好走実績が豊富だった。

2.距離延長組強し

　過去10年で距離短縮ステップが勝率5%、連対率11.7%であるのに対して、距離延長組は11.1%、25%。距離延長ステップがダブルスコア以上の好成績を収めている(前走1800m組は9.7%、12.9%)。なかでも注目は、ヴィクトリアマイル、NHKマイルCなど、前走で東京芝1600mを使われていた馬で、勝率19.0%、連対率38.1%。

3.前走惨敗馬の巻き返しが妙味

　昨年の2着馬トーセンビクトリーは前走マーメイドS9着からの巻き返しで、一昨年の2着馬シャルールは前走ヴィクトリアマイルでは18着だった。2015年の勝ち馬メイショウスザンナは前走マーメイドSで10着、2013年は前走8着のアイムユアーズと前走13着のスピードリッパーによるワンツー。前走で凡走していた馬がリフレッシュして快走する例が毎年のように繰り返されており、前走の着順にあまり神経質になる必要はない。

　昨年のオークス馬ソウルスターリングと秋華賞馬ディアドラが人気を集めそうだ。ディアドラは秋華賞が重馬場での追い込み勝利だったように、スピード勝負で本領を発揮するタイプではない。軸にはソウルスターリングを選ぶのが順当だろう。ヴィクトリアマイルは上がりの速い競馬に苦しんで7着に敗れたが、着差は0.4秒差に踏ん張っている。今回はルメール騎手をディアドラに奪われた格好になるが、乗り替わる北村宏司騎手が先週は札幌に駆けつけるなどして熱心に稽古をつけている。新馬戦を勝った洋芝の札幌に戻って、復活の準備は整った。

　ディアドラはドバイ帰りの久々が課題で、後ろから行く脚質も開幕週の馬場では不安材料になる。アグレアーブルは格上挑戦だが素質充分で、モレイラ騎手騎乗で上位食い込みの期待が持てる。フロンテアクイーンは心房細動明けの久々で、どこまで仕上がるかがカギに。以下、昨年の2着馬トーセンビクトリー、函館記念3着も当初の目標はここだったエテルナミノル、札幌芝1800mには良績があるハッピーユニバンス。

平均値重視のレース。ルメール鞍上の◎ディアドラを筆頭に見る。相手に○ソウルスターリング。3番手に▲フロンテアクイーンという順当な判断。一発に☆アグレアーブル。あとは平均値から△を打つ。

休養明けになるが出走態勢は整った6リバティハイツが有力。51キロの軽量は魅力で決め手勝負ならチャンスは十分。次位は5フロンテアクイーンで仕上がりは良好で鉄砲駆けの魅力はある。▲は2ソウルスターリングで実績がある札幌で巻き返しを狙う。