【ピークは続く】ハイランドピークは戦績通り粘り強くなった。マーチSで一度9着(出遅れ)と、オープンの壁にハネ返されたが、灘Sですぐに反撃。一本調子のスピードと思われた馬が、一転の追い込み策で勝ち星を積み上げた。続くマリーンSも1000m通過・58秒8というキツい流れを、雁行状態の内で2着に踏ん張った。

　ほんの1秒遅いペースでレースが流れれば、今度は首位有望。強敵はミツバ。近走主に長丁場の交流重賞路線を歩んでいるが、出世の起点は札幌だった。当該1700ダートは、良質な時計も含め[1110]という良績を残している。深いブリンカーを装着しているが、今は鞍上の指示に素直に動く。

　割って入ればアンジュデジール。右回り、中央のオープン相手ではポジションが見え辛い。しかし、マリーンSで下した相手は、現ダート牝馬シーンのNo.1の強豪。牡馬相手でも馬体や位負けはない。

　リッカルドは二年前のエルムSの勝者。南関東に転厩したが、当時とほぼ同じくらい、今身体が張っている。腰が安定したリーゼントロックは、今は逃げ差し自在で堅実。ドリームキラリも平均ペース以下なら前残り十分。

　エルムSは4,5歳馬が強いレース。特に4歳馬の強さはかなりのもので、勝率・複勝率が高いだけでなく、回収率も単複ともに大幅プラスとなっている。年によっては4歳馬がいないこともあるが、今年は3頭が出走。その3頭を◎○▲とする。

　◎ハイランドピークは逃げて圧勝で昇級したのち、マーチSがまさかの結果に。しかしその後灘Sでは中団からの捲り、マリーンSでは最初番手からと戦法の幅を広げてきた。今回はハナにこだわる馬もいるので初手がどんな位置になるかは分からないが、札幌コースで末脚にだけ賭けるような競馬はしないだろう。

　○アンジュデジールは中央のダートで上のクラスが初めて、しかも牡馬相手の競馬だが、脚質と枠順が良い。▲ノーブルサターンは重賞レベルで通用するか分からないが、これも脚質がレースに合う。

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【混戦模様】今回も展開が向きそうな6リーゼントロック。その気になれば好位につけることもできるが、これだけ先行馬が揃えば前走のような競馬がベスト。ハートが強く相手強化されることは苦にならない。3ミツバは連戦の疲れも見せずに絶好調。やや距離が短いが能力で突破。1リッカルドは前走にしてもトップクラス相手に4着は立派。ルメール騎手で、どんな競馬が出来るのか楽しみだ。

※月曜日段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　JRAの古馬混合戦としては、夏場に行われる唯一のダート中距離重賞。歴代の勝ち馬には、アドマイヤドン、ローマンレジェンドというチャンピオンの名前も見られる。

　しかし、レースの施行時期が繰り上げられたことにともなって、秋のGI戦線を見据えるようなトップクラスの参戦は減少傾向にある。札幌開催の前半に行われるようになった近4年は、1番人気が[0-1-1-2]と未勝利。人気馬の信頼度が目に見えて低下している。

1.4、5歳馬が強い

　過去10年(新潟・函館開催を含む)で4歳馬が5勝していて、勝率23.8%・連対率28.6%。これに続くのが4勝している5歳馬の12.5%・21.9%で、勝っているのはほぼこの2世代だけである。6歳以上での勝ち馬は、東京大賞典勝ちの実績があって断然の格上だったローマンレジェンド(2回目)のみ。

2.北海道ダートOPの延長戦ではない

　大沼S、マリーンSなど、函館開催で行われるダートのオープン特別からの転戦馬が多数を占めるメンバー構成になる。かつてはその組で決着することが多かったが、ローテーションが多様化した近年は傾向が変化した。最近5年間で「前走北海道のオープン特別組」は2連対。昨年1番人気2着のテイエムジンソクと、2015年2番人気1着のジェベルムーサの2頭だけだ。大沼S、マリーンSとはメンバーレベルが違ってくるので、好走ハードルは高く見積もる必要がある。

3.スピードが必要

　過去10年のうち札幌で行われた8回で、逃げ・先行脚質の馬が6勝して2着8回。後方からレースを進めた馬で連対したのは、2015年の勝ち馬ジェベルムーサと2011年の勝ち馬ランフォルセの2頭だけである。1コーナーまでの距離が短いコースレイアウトの上、フルゲートが少ないので先行争いも落ち着きやすい。先行スピードに優れた馬が確実にアドバンテージを持つ。

　ここはアンジュデジールに注目したい。ここまで牝馬限定のダート重賞を3勝と、牡馬混合戦での実績はないが、前走のマリーンCで2着に降したクイーンマンボは、続く平安Sで牡馬相手に2着している実力馬である。これを相手に最後は手綱を緩める余裕があった。4歳を迎えて着実にパワーアップしており、現状の充実ぶりなら牡馬相手でも通用の余地がある。近年のエルムSでは牝馬の好走例は途絶えているが、同時期に牝馬限定の地方交流重賞ブリーダーズGCが行われる影響がある。2002年にプリエミネンスが圧勝したことがあるように、スピードを武器にする牝馬が持ち味を発揮できる舞台である。

　ドリームキラリは北海道のダート1700mでは[2-0-2-1]で、昨年の当レースでも3着。得意コースに戻って巻き返しが期待できる。ミツバは重賞・オープン特別を5勝と実績では最上位。しかし、当コースでも勝鞍はあるものの、本質的に距離はもう少し欲しいタイプだ。

　ブラゾンドゥリスは短距離路線を歩んでいるが1700mも守備範囲。超レコード決着になったプロキオンS5着は価値がある。以下、復活を期す昨年の勝者ロンドンタウン、ムラな面は残るが重賞でも力量は見劣らないアルタイル、直線に坂がないコースでは安定感があるノーブルサターン。

やはり地方を使っている馬は指数が出ていない。そこをどう織り込んでいくかの勝負。全体的に指数は上々。前走値では110台が5頭もいる接戦である。昨年の同レースで118出していて今回平均値トップの◎ドリームキラリを抜擢。相手に○ハイランドピークと昨年119で1着▲ロンドンタウン。一発に☆リッカルドと△ミツバに。

確実に好調子をキープしている3ミツバが優勢。小回り向きの器用な脚があり早めの仕掛けでチャンスをつかむ。次位は1リッカルドで地力はアップしており額面通りなら差はない。▲は9ロンドンタウンで能力は高く鉄砲駆けの魅力はある。