【混戦】フィエールマンは2戦2勝で能力の高さ感じる存在。直前も伸びのある動きで状態の良さ示しており重賞Vに期待。メイショウテッコンも上々の動き見せる。マイペースなら開幕週の馬場を味方に逃げ切りも。イェッツトも気配前走以上で力量も見劣らず争覇圏。ケイティクレバーは豊富な経験値を生かしたい。グレンガリーも前進中で侮れず、エイムアンドエンドやキューグレーダーなども差はない。

【半端ない加速力】フィエールマンは、いずれはGIも担う加速力の持ち主。東京1800mの上り・11秒5-11秒4-11秒3(3Fは34秒2)という、新馬戦の数字にも、それなりに資質の高さは感じていたが、ひとつ上の姉ルヴォワール(父ハーツクライ)の3歳時と同様、心身ともに幼さが目立ち、なんだかマキシマムが描き辛い。

　二戦目の山藤賞のゲートの進発もぼんやり。前半1000m通過・1分1秒5の緩ペースを、道中は後方二番手。さて、この上り勝負をどうさばくのか。半信半疑でレース運びを眺めていたが、残り4F標識から11秒9にピッチが上がったところで、同馬もスイッチオン。ギアを一気に上げ外々を回り、遊びながらといったふうで、中山の急坂をぐんぐんと登板。ラスト3F・11秒7-11秒6-11秒4(3Fは34秒7)というレースのラップに対し、自身のソレは34秒3。この加速力はちょっとした大物。

　ちなみに、翌日の皐月賞は、良とやや重の違いはあるが、1800m通過は1分48秒6。前走後の目標はここ一本、3歳同士なら、54キロならアッサリ楽勝まである。

　イェッツトとの差し比べが第一本線。まだ線が細く完成途上の造りながら、プリンシパルSは59秒2という平均ペースを中団前めで追走し、1分58秒2・クビ差の接戦に持ち込んだ。京成杯3着イン強襲が示す通り、右左の回りも問わない。

　割って入ればメイショウテッコン。白百合Sは1000m通過・59秒0-マイル通過・1分34秒2というタフなミドルラップを自らが牽引。ラスト3F・11秒6-11秒4-11秒6という上りで二枚腰を使い、決着タイムは1分45秒9。オープンや重賞でモマれてきた同型も数頭いるが、記録の精度の高さは白百合が一番だ。ただ56キロ、ゴール前詰めが甘くなる不安も少々。

　東京2000mを1分59秒7で二連勝中のグレンガリーの勢い。共同通信杯3着馬エイムアンドエンドの流れ込み。キューグレーダーは、直線一瞬の切れを活かしたい。

　ラジオNIKKEI賞はハンデを背負う実績馬を素直に買ってもいいレースなのだが、今年は56キロ組のメイショウテッコンとケイティクレバーが潰し合う展開も予想される。そこにキボウノダイチやシセイヒテンといった馬も絡んでいった場合、さらに先行タイプは苦しくなるだろう。

　それゆえ差しに回る馬を買いたいのだが、買いたいのは「内枠の差し馬」。これまでのラジオNIKKEI賞を振り返ると枠番で2-3枠、馬番で3-7番あたりの複勝回収率が高いのだが、その中には道中馬群で我慢して直線差し届いた馬も多く含まれる。

　今回狙うのは◎キューグレーダー。まだキャリア4戦だが、走ってきた距離も競馬のタイプもまちまちで、とにかく選択肢の多い馬。今回は相手が強くなるが、展開に合わせて競馬をすれば、連続連対数を5に伸ばすことも可能だ。

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【波乱含み】10イェッツトは前走惜敗も長く使える差し脚が魅力で主軸に指名。6フィエールマンは素質上位で今回も差し脚発揮に期待ができる。3キューグレーダーは決め手魅力で首位争いに加わる可能性が十分。2メイショウテッコンは斤量微妙もコース替わりなら逃げ切りが考えられそうだ。13グレンガリーは差し脚を長く使えるタイプで上位食い込みが狙えそう。8エイムアンドエンドは長休明けで転厩初戦だが立ち回りひとつでチャンスあり。

※月曜日段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　かつては「残念ダービー」とも謳われた夏の福島の名物重賞。ずっと梅雨時期の施行で固定されているが、2013年から春の東京開催の延長にともなって、福島開幕週に行われるようになっている。よりスピードとキレ味が要求されるようになり、残念ダービーというよりも秋以降のマイル・中距離路線の出発点ともいうべき役割を担うようになりつつある。

1.切れ味が求められる

　過去8年間、レースの上がり3Fはいずれも35秒台前半で決着している。差して勝ち切るためには34秒台の切れ味が必要で、当然のように勝ち馬の父はサンデーサイレンス系の種牡馬ばかり。非サンデーサイレンス系の馬の勝利は2007年のロックドゥカンブが最後になる。

2.ディープインパクト産駒強し

　過去にこのレースに出走したディープインパクト産駒の成績は[4-0-0-8]。3番人気以内に支持された馬に限ると[4-0-0-1]で、唯一勝ち損ねた昨年のクリアザトラックは3番人気4着。人気のディープインパクト産駒はほぼ期待に応えている。さらに、昨年の勝ち馬セダブリランテスは、ディープインパクト直仔のディープブリランテ産駒だった。

3.距離延長は不振

　開幕週に施行されるようになった2013年以降、前走で1600m以下の距離に使われていた馬は[0-2-3-22]と勝ち切れない。1番人気2頭、3番人気3頭を含みながらこの成績では、距離延長で臨む馬には慎重にならざるを得ない。

　ディープインパクト産駒フィエールマンに注目。体質の弱さが残ってここまで2戦と使い込めていないが、前走の山吹賞は最後は遊ぶ余裕を見せての勝利で、ここまでまったく底を見せていない。ゲート難が残るので頭数が落ち着きそうなのも好材料。ローカルのハンデ戦ならば、重賞でも通過点と思われるほどの素質を秘めている。

　イェッツトはプリンシパルSでタイム差なしの3着。勝ったコズミックフォースがダービー3着で、2着のブレステイキングも次走で500万下を完勝というハイレベル戦だったから、ここは相手弱化とも考えられる。メイショウテッコンは白百合Sを好タイムで逃げ切り。京都新聞杯の5着も厳しいペースを考えれば好内容だった。開幕週の馬場でスピードが存分に活きそうだ。

　連勝で勢いに乗るグレンガリー、休み明けを叩かれた上積みが見込めるキボウノダイチ、自分の形なら見限れないケイティクレバー、距離延長は課題も相手なりに走れるキューグレーダーにも注目。

【小波乱】フィエールマンは素質豊か。しぶといキボウノダイチ。追い比べでイェッツトが前進。

指数的にはあまり平均値が機能せず、前走値のほうが頼りになるレース。それと連勝中の馬は押さえ必須というのが教訓でもある。ならば右肩上がり◎フィエールマンと○グレンガリー。3番手に▲メイショウテッコンとする。一発☆イェッツト。以下も前走値で△キューグレーダーなどを。

逃げ脚は強力な2メイショウテッコンが有力。ここは積極策からスピードを生かし逃げ切りは十分。次走は6フィエールマンで伸びシロがあり潜在能力は高い。▲は10イェッツトで末脚が発揮できれば差はない。

　人気は2戦2勝のフィエールマン。将来が楽しみな馬ではあるが、小回り福島の、しかも開幕週の馬場で、どんな立ち回りができるのかは、あくまで未知数だろう。力は認めても、ここは○止まりの評価とした。

　◎はメイショウテッコン。前走の白百合Sは今年の京都開催の芝1800mで2番目に速い決着タイムで、しかも前半3ハロンの34秒6は同日の古馬オープン特別よりも1秒速かったにもかかわらず、最後まで脚が止まらなかったもの。このペースで行けるのなら、4コーナーまでにかなりのアドバンテージがあるはず。56キロでも簡単には止まらないと見た。

　相手はフィエールマンが大本線も、グレンガリー、ケイティクレバーにも一角崩しの可能性は十分ある。以下は、イェッツト、キボウノダイチ、キューグレーダーまで押さえる。