【確変急】
サトノアーサーが確変モードに突入。デビュー二戦目の阪神1800mのシクラメン賞では、上り32秒7という出色の上りをマーク。
きさらぎ賞2着、
毎日杯2着等、若駒時代から才能の片鱗を示してきたが、横見の
シルエットは秀逸でも、いかにも幅が薄い。ダービー時は466キロにまで細化し、
神戸新聞杯3着以降、OP特別から再出発を期したが、転機となったのは三走前の
洛陽Sだったか。
ムーアの叱咤激励に応え、苦手と思われた緩い馬場を、馬群をこじ開けグイとひと伸び。メイSは終始大外を回り、立ち回りの差のぶん、追い込み届かずの3着に敗れたが、
エプソムCは横綱相撲でGIII奪取。走るたび、後肢の踏ん張りが強化し、そのぶん首や前肢にもパワーとスピードが伝達。
以前の稽古は格下クラス相手にやっとの併入というパターンをとっていたが、この中間は稽古駈けで知られる僚友のGIマイラー・
ペルシアンナイトと互角併入。後肢のパワーがダイレクトに太くなった首へと伝わり、春からの進化が調教からも見て取れる。
母キングスローズは、ニュージーランド3歳牝馬チャンピオンに輝き、オーストラリアに遠征して、Gレースでたびたび連対を果たしたタフな名牝馬。血統背景も成長力の裏付けとなる。
対抗は
アエロリット。牡馬混合のNHKマイルを1分32秒3という過去十年で3位タイの好記録でGIを優勝。今春は
安田記念を1分31秒3という好タイムでクビ差の2着に奮闘。完成途上の緩い作りでも牡馬混合で勝ち負けを演じてきたが、4歳秋の調教の動き圧巻。理想とする馬体像が出来上がった。札幌の
クイーンSでは、絶妙なペース運びで1分45秒7のタイレコードをマークしたように、9ハロン適性がもっとも高く、鞍上のモレイラも大歓迎。
三番手は
ダイワキャグニー。3歳5月の
プリンシパルSを1分58秒3の好記録で押し切った好素材。右回りの対応や距離範囲はどこか。緩急のペースを探ってきた時期もあったが、その完成形が二走前のメイSだろうか。1000m通過・58秒5-マイル通過・1分33秒9というよどみのないタフな平均ペースを、馬群を割って直線強襲。上り3Fは加速しながらの34秒1、1分45秒6という走破時計は、
毎日王冠の決着記録に極めて近い。
エプソムCの敗因は道悪に尽きる。良馬場、56キロなら巻き返し当然。
惑星は
ステルヴィオ。
皐月賞は決め手を削がれるやや重、
ワグネリアンにマークを絞り消化不良の4着に終わった。よどみのないタフなミドルペースで展開した2400mのダービーは、体調も
ピークを過ぎ直線中程でガス欠。8着に流れ込むだけだったが、立て直しをはかり、背腰の筋肉は充実。持ち前の躍動感と闘志が前面に現れてきた。距離9F・良馬場の決め手勝負なら、目の覚めるような急追を期待していい。
菊花賞制覇以降、
キセキは暴走気味に引っかかり末を甘くしている。ただ、血色と張りはよく馬体そのものに傷みはない。2400mの
京都大賞典という選択もあったが、早めに秋は中距離路線をにらみ
毎日王冠参戦を表明。昨年の新潟2000m・
信濃川特別は上り32秒9という破格の末脚で1分56秒9で一気差し。パワーで菊もこなしたが、母系の
ロンドンブリッジ系は本来はマイラー系。実は9から10Fがベストという可能性も高い。
屈強古馬相手に勝ちぬけは厳しいが、3歳馬ケイアイノーテックも、NHKマイルからパワーアップ顕著。