【二頭の動きにはため息が出る】木村厩舎の二頭、
ダーリントンホールと
ゴルコンダが、Hレベルで一騎打ち。前者
ダーリントンホールは函館1800mデビュー、函館Wの調教の動きはいい。
ニューアプローチの仔は日本で何頭か見ているが、その父
ガリレオより胴伸びがよく、ごく近親にオセアニアの長距離の雄
クロスカウンター(
メルボルンC優勝)の名が連なり、バチンと張った516キロの大型馬。
ひょっとして大物?という予感もあったが、1000m通過・62秒1のスローにも、怒りつつも我慢が効いている。3-4コーナーすぎ、鞍上が手綱を緩めると鋭角的にワープ。12秒5-11秒5-11秒6(3Fは35秒6)というレースラップを35秒4でビュンと加速。洋芝で11秒台前半を連発、函館最終週しかも初陣で1分49秒8という時計も評価は高い。
「決め手」をポイントに置き◎は
ダーリントンホールに打ったが、後者
ゴルコンダは、新馬は見るからに重め残りで3着。次走はマイナス16キロ、
シルエットや歩様の勢いが一変だ。スタートを決め、1000m通過は59秒6のミドル。後ろから突っつかれタフな逃げを余儀なくされたが、しかしリズムはいい。直線入り口手前、テレビカメラのパーンとあわせるかのように馬体を大きく映し出し、ラスト3Fは12秒4-11秒7-12秒4(36秒5)。馬なりで後続を大差に封印。従来の記録を0秒1更新する、1分48秒3のコースレコードでまとめた。
ヴィクトワールピサ産駒だけに、東京や京都の高速馬場では思わぬ取りこぼしもあるかもしれないが、札幌1800mはドンと来い。中間の調教では、先行したり追いかけたり、◎と○は相譲らず。2歳夏、これだけ稽古で動ける馬もちょっと珍しい。
三番手は
ディアセオリー。478キロの体は余分な脂肪がまったくなく、初陣から仕上がりは万全。スタートして4Fめに13秒6という緩いラップが出現し、1000m通過は63秒2のスローで展開したが、後半4Fから一気に11秒9にペースアップ。上り3Fは11秒8-11秒8-11秒9。平坦とはいえ上り4F・11秒台連続は立派。牝系の大本は
ドッフ、母の半弟
ナムラマースは、
札幌2歳S・
毎日杯勝ち。当レースゆかりの血統馬です。
アールクインダムは、札幌1800mの新馬戦を上り3Fを12秒0-11秒3-11秒6でパンチアウト。
レザネフォールは、推定12秒3-11秒7-11秒5でフィニッシュ。
ブラックホールは、12秒2-11秒9-11秒9(3Fは36秒0)という上りを35秒7で一蹴。422キロと小柄だが、父系の
ステイゴールドに似た、クラシックロードの意外な穴馬になるかもしれない。