【絶対女王】
レシステンシアの類まれなスピード能力を、良馬場の東京マイルで改めて注視。
ベースとなる能力は2歳12月の阪神JF。1000m通過・57秒5というHペースを自ら牽引し、上り3F標識から11秒2-11秒5にピッチをあげ、最速の上りで後続を5馬身に完封。あの
ウオッカが保持していたレースレコードを0秒4縮める1分32秒7で走破、翌週の2歳牡馬GI・
朝日杯FSを0秒3上回っていた。
桜花賞は17番枠、馬場差2秒以上の重馬場で1000m通過・58秒0-1200m通過・1分9秒7という、
桜花賞史上屈指の超Hペース。上り3F・11秒7-12秒6-13秒8(38秒1)というレースラップが示すように、ぬかるんだ芝に脚をとられ、みんな最後はバテバテ。最後は勝ち馬の決め手と才能にひざを折ったが、1番人気に応えるべく、底力も問われる過酷な流れを直線半ば一旦先頭。負けてなお強しを人々の目に焼きつけた。
NHKマイルCは過去10年、牝馬は2勝。うち一頭
メジャーエンブレムは、ルメールとのコンビで4年前、阪神JF・
NHKマイルCを優勝馬しているが、阪神JFのタイムは
レシステンシアのほうが1秒以上速い。激闘明けになるが、ルメールを背に4月29日・栗東坂路で53秒2を軽々とマーク。木曜発表の体重は500キロ(+18)、その
タフネスさには舌を巻く。
対抗一番手は
タイセイビジョン。
朝日杯FSは後の
皐月賞2着馬に真っ向勝負を挑んだ(0秒4差の2着)。約4か月後の
アーリントンCは、いつもは汗で黒ずんでいる体が、今日は明るく張りのある栗色。時々目をキョロキョロするが、以前のような怖さはなくなった。10キロ増加分そのままトモは
パワーアップ、首回りも太くなり、前脚の出と掻き込みがダイナ
ミックになった。
レース内容も稍重条件下で、スタート後の2Fめが10秒8-3Fめが10秒9、1000通過・57秒6のHペースを、ゆったりと後方。内ラチ沿いが伸びる日ということはしっかり頭にあり、直線は迷いなくインへ。危なげなく後続を2馬身差封印、8Fのマイラーへと進化したことを最速の上りで示した。
初の左回り、年明け4戦目というハードローテを考慮し三番手としたが、
ルフトシュトロームの器も互角。牝系の大本は
ウインドインハーヘア、
ディープインパクトと同族。
デビュー以来3戦3勝、前走のニュージーランドTは、1000m通過・57秒6というHペースを、道中は後方3-4番手あたり。一呼吸追い出しを待ち外へと持ち出し、直線入り口で内の馬が外へと張り出し接触する事象も生じたが、ぶつかっても姿勢は崩れない。レースの上りが35秒4に対し、自身の上りは34秒2(最速)。坂上からの捌きは余裕すら感じた。1分33秒0という走破タイムは、同じコンディションで行われた一週前の古馬GIII・ダービー卿CTとわずか0秒2差。体調さえ確かならGI戴冠も有望。
サクセッションは年明けの
ジュニアCを1分33秒4という好時計でオープン勝ち。
スプリングSはスロー。そのペースは頭に入っていたが、まず折り合い第一。外を回され3着に終わったものの、あの流れでも勝ち切れないのなら、きっと
皐月賞も掲示板には載れない? やはり本質はマイラー、次走は
NHKマイルCという路線決定がすぐに決まった。学習の成果は横山典Jにお任せ。
サトノインプレッサの母は、欧州きっての名マイラー(重賞7勝、GI3勝)。現役時代、日本の
マイルCSに二度遠征し、3着2回歴あり。年明け2月の京都マイル・
こぶし賞を連勝し、前走は
毎日杯に
アタック。前半1000mは59秒6の平均ペースで通過、道中は後方。外回り阪神1800mコースは
武豊Jにとっては庭のようなもの。ひと呼吸置き、馬群がバラけるのを待ちスペースを見つけ、レースの上りを0秒9上回る健脚で、当面の敵を力で圧倒。
ただ、パンパンの良馬場の瞬発力勝負は未確認。やや短めの四肢や胴詰まりの造りなどみると、11秒を切るような瞬発力決着が微妙。木曜日発表の体重はマイナス、当日の気配は要チェック。
ウイングレイテストのニュージーランドTは外に押し出される大きな不利を被りながらも、勢い確かに3着に突入。
スクリーンヒーロー産駒の
パワー型だけに、こちらも東京の軽い芝適性がデリケートだが、一戦ごとに心身充実。