【上位拮抗】モズアスコットはフェブラリーSをはじめ東京ダートは2戦2勝。本来のスピード感ある動きも戻り59キロでも勝ち負け。タイムフライヤーは昨年の2着馬で連勝で充実も示し動きも力強く勝機十分。サンライズノヴァも地力上位で展開次第で差し切りまで。デュードヴァンも成長うかがえ上位争いが見込める。ケンシンコウも力発揮の態勢で、レピアーウィットやフィードバックなども侮れない。

【気力体力充実】タイムフライヤーがダートロードの地盤をさらに強化。

　2歳暮れ、芝10FのホープフルSを勝ちクラシック路線を歩んだが、腰が尖り、芝のスピード決着はジリ貧。昨年夏からダートへ転向、秋の武蔵野Sを1分34秒8で2着。本年春のGI・フェブラリーSは、直線半ば一旦先頭と見せ場を作った。ルメールと再タッグを組んだ2020年のマリーンSは、後続を0秒6差と引き離す快勝。次走の札幌・エルムSも、平均ペースの流れも中段の外でしっかり我慢が効き、12秒2-11秒7-12秒3(3Fは36秒2)というレースの上りを、自身35秒7の瞬発力で楽々抜け出す快勝を果たした。前年の武蔵野Sは464キロだった体が、前走は490キロに成長。調教の動きも実戦力も、その数字のぶんだけ力強くなっている。

　59キロのぶん対抗としたが、モズアスコットはフェブラリーS電撃の差し脚で一閃。芝6FのGI・高松宮記念などに参戦し、疲れがたまり、かしわ記念は6着に沈んだが、心身を整え南部杯は従来の追い込み策から一転。前進気勢に沿い先行策で2着。スタートを決めれば、先団で立ち回りもできるようになった。

　割って入ればサンライズノヴァ。2020年はフェブラリーS3着、かしわ記念3着。プロキオンSは59キロを背負って豪快に直一気。南部杯は前が止まらない流れを根気強く小差4着に追いあげた。東京ダートマイルは4勝、タイミングひとつで首位争いも十分。

　まとめて負かせばレピアーウィット。兄アジアエクスプレスは朝日杯FS優勝、ダートでもGIII・レパードS勝ちなど重賞連対数回。全弟も心身が噛み合うのを待ち、ラジオ日本賞でオープン勝ち。ダート馬は総じて熟成型多し、5歳秋の本格化は決して遅くはない。

　3歳馬デュードヴァンは、世代間の力関係の目安となるユニコーンS2着。差しに徹するか、もう少し早めに動かしてみるか。操縦など模索している段階だが、東京マイルは[3100]。ベストの距離なのは確か。古馬相手に56キロは微妙だが、ケンシンコウはユニコーンS3着から、レパードSはレースレコードで逃げ切り。想像を超える機動力を備えた新星かもしれない。

　馬券は基本的に前から買えと日ごろ主張している筆者だが、例外になるレースもいくつかはある。東京のダートGIIIである根岸Sと武蔵野Sはその典型だ。

　過去10年、4コーナーを先頭か2番手で回った馬は[2-1-1-20]で、タガノトネールの単穴があるため単回収率は高いが複回収率は60%。結果として位置が取れた馬たちの回収率としては明らかに低い。

　ただ、「前走の位置取り」で見ると前走は好位にいた馬がそれなりに結果を出している。つまり、位置取りだけに依存するタイプでは苦しく、東京コースを意識して控える競馬をしてもなお通用する地力の持ち主を見抜かなければならないということになる。

　◎はデュードヴァン。レパードSで人気を裏切ったため印象が悪いかもしれないが、脚抜きの良い馬場でコーナー4つ、それを意識した積極的な位置取りがすべてマイナスに働いた印象。4戦4連対の東京ダート1600mに戻って再評価したい。

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【波乱含み】混戦の顔ぶれなら、コース替わりが歓迎材料になる15レピアーウィットの差し切りに期待。11タイムフライヤーは連勝中の勢い魅力で、昨年の2着以上が期待できる。6サンライズノヴァは立ち回り次第だが地力的に無視しにくい存在。2モズアスコットは斤量がカギだが決め手がいきれば善戦以上が考えられる。13デュードヴァンは休み明けでも乗り込み順調で古馬相手でもチャンスあり。好位差しが狙えそうな7エアスピネルも押さえておく。

※11/8時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　東京ダート1600mで行われるGIII戦。このコースは、芝スタートでスタートしてから緩やかなカーブがある少し特殊なコースだけにこのコース適性が高い子は積極的に狙っていいでしょう。最後は坂になっているのでそこを駆け上がるパワーのある子から買いたい。

　本命視しているのは、タイムフライヤーです。レースに自在性があり近走は小回りコースでも終いからの競馬で通用し勢いのある一頭。昨年のこのレースの2着馬で、ダート路線に変更してから毎度安定して好走できており、今回は先行したい子が多いメンバー構成ですから持ち前の決め手が大いに生きる展開になるでしょうから期待します。

※11/8時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　夏のマリーンS、エルムSを連勝したタイムフライヤー。ダート競馬にもようやく慣れ、真価発揮という印象の活躍ぶりだ。時計の出るダートへの対応は昨年のこのレース2着で証明済み。今年は勝つ。

　ケンシンコウは7番人気でのレパードS制覇だったが勝ちっぷりはフロックとは思えないもの。ここも有力。

　古豪サンライズノヴァは変わらず元気。以前と比べ東京コースでの成績がひと息なのが鍵。モズアスコットも実績から見逃せない。

※11/8時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　コース適性やキャリアがポイント。「“東京ダ、かつ重賞のレース”において6着以内となった経験がない、かつ出走数が20戦以上の馬」は2011年以降[0-1-1-46]です。

　また「前走のレースがシリウスステークス以外、かつ前走の着順が6着以下・競走中止だった馬」は2011年以降[0-0-1-48]、「調教師の所属が美浦の馬」は2011年以降[2-0-0-35]。大敗直後の馬や“関東馬”は基本的に信頼できません。

　有力候補はサンライズノヴァ・タイムフライヤー・モズアスコット・ワンダーリーデルあたり。オッズも加味したうえで柔軟に構えたいと思います。

※特別登録段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　チャンピオンズCのトライアルだが、武蔵野S組のチャンピオンズCでの3着以内は、15年のノンコノユメと18年のウェスタールンドの2例だけで関連性は高くない。スピードが特に要求される武蔵野Sと、豊富なスタミナも要求されるチャンピオンズCというレースの質の違いの影響もあるのかもしれない。

1.スピード勝負

　過去10年で勝ち時計が1分36秒以下だったケースは、16年のタガノトネールによるコースレコードを含め8回。ダート重賞の中でも屈指のスピードレースだ。持ち時計がある馬、より短い距離でのスピードレースを経験してきた馬などに注目したい。

2.格より勢い

　過去10年で、前走1着だった馬は[6-3-3-30]で複勝率28.6％。また、6勝の内訳は重賞が2勝、オープン特別が3勝、準オープンが1勝であり、前走の格はあまり関係がない。前走を勝って勢いに乗る馬がクラスの壁を乗り越えていきやすいレースと言える。

3.休み明けは不振

　3か月以上の休み明けでこのレースを制したのは10年のグロリアスノアと15年のノンコノユメのみ。2着も2頭にとどまっている。休み明けの実力馬は後のGIを見据えた仕上げで臨むことがほとんどで、ここでは割り引いて考えるのが妥当。

　レピアーウィットはムラがあるが、前走のラジオ日本賞を快勝するなど地力は高い馬。3走前の栗東Sは高速決着の中、当時重賞3勝のサクセスエナジーに詰め寄っており、時計の速い決着になっても対応はできるはず。休み明けの実績馬が多い今回は勝ち負けのチャンスがあっても良いだろう。

　エアスピネルは前走小回りが響いた形。東京マイルに替わるのはプラスだろう。だが、休み明けが苦戦傾向にある一戦であるから半信半疑ではある。サンライズノヴァは前走時計が速過ぎたので参考外で良さそう。だが、マイルだとやはり斤量58kgは重い。昨年より1kg軽い分どこまで。

　ケンシンコウは前走レコード勝ちも、馬場や展開に恵まれた面はあった。今回もスムーズならと言ったところだろう。以下、条件は合っていないが昨年2着しているタイムフライヤー、出走未定も実績最上位でスピードレース歓迎のモズアスコット、前走好時計のオメガレインボー。

【小波乱】メイショウワザシは地力アップ。粘り強いバティスティーニ。ワンダーリーデルは舞台が変わり前進する。

チャンピオンズCへの前哨戦でもある一戦。特に休み明けの馬はデキに注目しておきたい。まず▲モズアスコットも同距離コース112あるが初の59キロは心配。ならば平均値トップで前走値も117トップ◎タイムフライヤー軸か。相手に3歳筆頭で○デュードヴァン。ただし一気に110台を出さないと古馬と勝負できない。一発候補も3歳で前走も評価していた☆ケンシンコウ。△サンライズノヴァ、△レピアーウィットもあり。

今春フェブラリーSの覇者2モズアスコットが優勢。東京は堅実で得意のマイルならGI馬の貫録を見せる。次位は13デュードヴァンで末脚は堅実で3勝を誇る東京ならチャンス。▲は11タイムフライヤーで今夏の好調を持続しているなら期待できる。