【
桜花賞史を塗り替える】
レシステンシアは、既存の概念では収まり切れない、計り知れないスピードと才能の持ち主。新馬戦から中二週というハードなローテーションで挑んだ二走前の
ファンタジーSを、1分20秒7で走破。過去十年ではもっとも速い、2歳コースレコードに0秒4差の快時計を記録。続く阪神JFは、さらに一段レベルアップ。1000m通過・57秒5というHペースを主導、残り3F標識から11秒2-11秒5にピッチをあげ、最速の上りで後続を5馬身に完封。天賦の才とスピードで、あの
ウオッカが保持していたレースレコードを、0秒4縮める1分32秒7という記録を刻み込んだ。
チューリップSは、一転前半1000m通過は59秒3のスロー、レースの上りラップは11秒3-10秒9-11秒8。瞬発力に勝る二頭に切れ負けたが、本番は競りかける馬がいなければ先手。2、3番手に控える形となっても、どこかで動き、阪神JFのペースを目安に1000m通過・58秒前後でレースを動かす。27日の金曜日に51秒7のハードワークを課し、一週前は56秒0を馬なり。直前は49秒5という変則追い切りとなったが、
武豊Jが二週にわたって跨り息の入り具合を確かめ、渾身の仕上げをほどこしてきた。
対抗一番手は
ミヤマザクラのスケール。母の半兄は
クロフネ、兄
マウントロブソンは5勝、
ポポカテペトル、
ボスジラは現オープン。タフな中長距離馬ではないかと睨み、デビューは洋芝の札幌1800mから進発。ソロリと様子見の感じの造り、競馬を教えながらの4着に敗れたが、次走は1000m通過・1分0秒7のミドルペースを中団前め。4角では先行勢を射程圏に入れ、ギアが入ると身体が沈み、上り3F・12秒5-11秒7-11秒6というレースの上りを(3Fは35秒8)、自身35秒3の加速ラップで2着を5馬身とチギる圧勝。2分2秒1という走破タイムは従来の基準タイムを2秒1短縮する好内容だった。
これはきょうだい一番の大器、もしかして牡馬相手のダービーだって面白い?続戦は2000mの
京都2歳Sを試してみたが、勝者
マイラプソディはダービーを狙う逸材、2着もやむなし。ただ、道中の反応のよさや感度を思えば、
桜花賞路線もいい。
クイーンCは桜への一里塚。1000m通過・57秒7という、
桜花賞に近いハイペースを二番手で追走、これはいい勉強になった。いつ前の馬を捕まえに行くか。デリケートなレース構築を強いられたけれど、上り3F・11秒9-12秒7-11秒7(36秒3)というレースラップを34秒3でひと差し。ゴール前2着馬に詰め寄られたように見えたが、盛り返す脚も残しており、時計は1分34秒0止まりだが、タフな流れを踏ん張って勝てた意義は大きい。もとより10Fをレコードで駈けるスケールの持ち主、厳しいレースになればなるほど、底力と才能が色鮮やかに咲く。ただ、今年は5つの指でも足りないほどタレントが豊富。
まとめて負かせば
デアリングタクト、途方もない大仕事をやってのける可能性あり。11月の新馬、京都マイルの勝ち時計は1分37秒7、上りは34秒8。新馬の勝ちっぷりは鮮やかだったが、これほどの馬だったのか?
エルフィンSは、不覚にも重い印は打てなかった。なんて、
エルフィンSは1000m通過は58秒5のミドルで展開、ラスト3Fは12秒0-11秒7-11秒4(35秒1)、自身の上りは34秒0。ラスト1F・推定11秒を切る超加速ラップで後続を0秒7差に圧倒。走破タイムは1分33秒6、こちらもあの
ウオッカが持つ
エルフィンSのレースレコードを0秒1更新。
四肢、背中が長く、466キロという数字以上に大きく見せる青鹿毛馬。父
エピファネイアに似ている?いや、その母の
シーザリオともいえる。加えて祖
母デアリングハートは、
クイーンS・府中新馬S(2回)勝ち、
NHKマイルC2着、
桜花賞3着。古馬になっても粘り強く走った。孫は祖母以上の、いろんな
ジャンルのGIが見える、万能血ホースかもしれないなぁ。
チューリップ賞優勝馬
マルターズディオサも、上り3Fのヨーイドン、1F・10、11秒前半の瞬発力と切れ味勝負なら負けない。本番の
桜花賞も、ペースは異なっても第一目標は
レシステンシア。常に同馬を視界において運べばすっきりと戦える。追われる立場より追うほうが、やっぱり楽だと思う。
サンクテュエールも、立場は楽。短い期間に急激に首は太く腹構えは厚くなり、前走とは見違えるような急成長を遂げている。枠は絶好の4番、ルメールも、きっと競馬に、勝ちに飢えているハズです(笑)。阪神FJ6着で、すべてが白紙になってしまったが、
リアアメリアの才能は決して見限れない。昨年の
グランアレグリアと、反転攻勢のトレース図が重なる。