【格上主力】
タイセイビジョンのスピードと
パワーが一枚上手。2歳6月、阪神・芝1400mの新馬を勝ち、
函館2歳Sへ駒を進めたが、ペースの異なる1200mに距離短縮。敏感な馬ゆえ折り合いなど教えながら大事に乗ったが、2着浮上で能力の在処はだいたいわかった。
京王杯2歳Sは、道中一瞬頭を上げる素振りも見せた。しかし11秒3-11秒3-11秒5(3Fは34秒1)というレースラップを、33秒5で豪快にひと差し。
朝日杯FSは1000m通過・57秒2のHピッチで展開。後方でじっくりと脚をため、直線大外から一気に進出。一旦先頭を交わすかの勢いで迫ってきたが、11秒8-11秒6-12秒4(3Fは35秒8)というレースラップに対し、自身の上りは35秒3。決してバテたワケではなく、勝者は
皐月賞でも有力に挙げられる逸材。単に相手が悪かった。緩衝期間を置き心身ともにリフレッシュ完了、GIIIなら実績は上。
折り合えば、
ギルデッドミラーの逆転も一考。2歳夏の中京・芝マイルを直強襲策で新馬勝ち。続く中山の
サフラン賞は1分34秒6で、後に
チューリップ賞を快勝した
マルターズディオサの3着に食い下がった。ただ、真面目すぎるというか。敏感質で、どこか太り切れない。マイルだと一生懸命走りすぎ、二走前の
こぶし賞は2着に惜敗。ただし先着を許した馬は次走GIII・
毎日杯を快勝している。前走は上り33秒9で直線一閃、1分20秒6という走破タイムは、同日の古馬2勝クラスと0秒3差という好内容だった。マイルの流れに我慢が効けば、能力は互角。
割って入れば
ボンオムトゥック。デビュー三戦目、12月の阪神・芝1800mを、1分48秒4・上り33秒4で初勝利をあげていたが、前走は約4か月の休み明けでの実戦。まだまだ体は幼く腰高に映る。しかしレース運びは巧み。外目の7枠から、1000m通過・1分1秒6というペースを、すかさず好位に押し上げ、上り3Fから11秒3とピッチを上げ、ラスト2Fは推定11秒1-11秒9(3Fは34秒3)。最後は手綱を抑え気味に、後続を2馬身半と突き放す完勝。ペースやラップ構築は異なるものの、1分48秒1という走破タイムは、同日のメイン・
毎日杯と0秒2差だった。祖母は
リッチアフェアー、いとこに阪神JF勝ちの
ローブティサージュ。父は
クロフネ、肌色は芦毛。馬体のラインや戦法など、ふと
アエロリットを連想させる牝馬ですね。週末は曇天。ひと雨きて馬場が悪化すれば、ダートマイルを2連勝で圧倒してきた
デュードヴァンの
パワーが不気味。
プリンスリターンは、
朝日杯FS5着、
シンザン記念2着と好走。不器用だが、直線勝負の追い比べになれば
トリプルエースにも連下の目が出てくる。大穴は
チュウワノキセキ、あの
テンションの高さは、たぶんマイル向き。