【国枝対決】
ドナアトラエンテの背中をワンプッシュ。当コラムで何度か記したが、全姉は三冠牝馬
ジェンティルドンナという血統馬。しかしデビュー時の目方は418キロと軽量。熟成期間を幾度か設け、三走前には468キロに達し、体重の変遷とともに戦績・時計もアップ。東京1800mを1分44秒8で走るまでになった。OP緒戦の
中山牝馬Sは、馬場差も計算できないほどの不良馬場。唯一の着外となる9着に沈んだが、前走の
福島牝馬Sですかさず巻き返し。ハナ差逃げ馬に先着を許したものの牝馬限定GIIIの立ち位置はわかった。パワータイプだけに洋芝は歓迎、川田Jの連続騎乗、チークピーシーズ装着も加点材料になるだろう。
強敵は調教の併せ馬でも手合わせした国枝厩舎の僚友
マジックキャッスル。世代は異なるがGI・
秋華賞2着、三走前の
愛知杯は444キロにビルドアップを果たし待望の重賞タイトルをもぎとった。
阪神牝馬Sは終始外から
デゼルからプレッシャーをかけられ蓋をされ、直線は密集馬群に突っ込むしかなかったが、クビ差2着は展開のアヤといっていい。
ヴィクトリアマイルも絶対女王
グランアレグリアを負かすべく、いつもより早めに動かして行ったぶん、ゴール前詰めを甘くしたが、1分31秒7というHレベルの時計で3着に踏ん張った。56キロは初めてになるが、コーナー4つの函館1800mも実力でネジ伏せる可能性が高い。
割って入れば
テルツェット。
ヴィクトリアマイルはGIの壁に跳ね返されたが、戦績は[5011]。まだ心身ともに幼さが散見、伸びしろは残している。惑星は
サトノセシル。洞爺湖特別は1000m通過・59秒4という平均ペースを自ら牽引、パワーを要する洋芝で上り3Fを11秒7-11秒5-12秒2という好ラップでパンチアウト。1分47秒0という走破時計も優秀、
マーメイドSを制した同型もいるが、絶対スピードが違う。
シゲルピンクダイヤは、
桜花賞2着、前走の
ヴィクトリアマイル5着。広々とした左回りのほうが存在感はあるが地力は高い。折り合って我慢、タイトに馬群を割れば上争いに顔をのぞかせてくる。
フェアリーポルカはGIII・
中山牝馬S、
福島牝馬Sの2勝。少し切れは鈍ってきたものの、実績はあなどれない。デキなら
イカット、条件級ながら今唸っている。