【哲学馬】
アリストテレスの前途洋々。
仕草など、まだ子供っぽい。しかし心身ともに完成途上の段階でも、ルメールJの徹底マークが功を奏したとはいえ、
菊花賞で
コントレイルの無敗の三冠をあわや首差まで追い詰めた。転機となったのは三走前の
出雲崎特別。積極策に転じ、流れに任せ上り33秒2という高速ラップを計測したが、次走の
小牧特別は1000m通過・1分0秒7-2000m通過・1分59秒9というよどみのない流れを、4コーナー手前で、意識をもってスルスルと先頭。坂上2F標識近辺では11秒0という高速ラップを繰り出し後続を完封。2分11秒9という走破タイムは、翌週の
神戸新聞杯より0秒6速く、開催時期や芝コンディションは異なるものの、先週の中京2200mGII・
日経新春杯の決着タイムは2分11秒8だった。かなり強引な比較ではあるが、
コントレイルを菊で追いつめた数字的根拠と考えていい。まだ調教でビッシリ攻め急いだりはしていないが、先週まで少し重かった馬体も水曜日の追い切りで息が整った。現4歳世代は年長古馬の壁をなかなか打ち破れないでいるが、同馬を旗印に
AJCCから進撃開始。
逆転があれば
サトノフラッグ。
ディープインパクト記念・
弥生賞で一気差しを決め、4歳世代の横綱候補と目された好素材。
皐月賞からダービーは、微妙に疲れもたまり柔軟な走りを失ってしまったが、立て直しをはかり秋は
セントライト記念を最速の上りで2着。直線勝負に徹した作戦が幸いしたにせよ、
菊花賞は直線鋭く3着追撃。才能の在処を今一度ファンの目に焼き付けた。中間の調教はコース追いから坂路調教主体に転じ、瞬発力と体幹強化にひと工夫施している。
ターゲットは本命、構えもシンプルでいい。
ヴェルトライゼンデは、世代ダービー3着。
神戸新聞杯は直線一気に2着に追い込み新境地を切り開いた。満を持して挑んだ
菊花賞は、正攻法では力不足を痛感。3000mも根本的に長かったか。ならばと前走後は、ここを目標に三頭の中では一番ハードな追い切りメニューを設定。結果を出して春のGIに挑みたい。
牝馬
ウインマリリンも差はわずか。
オークスの走破タイム・2分24秒5は、翌日のダービー2着に相当。勝ち馬
デアリングタクトは後にJC3着、牡馬と力量拮抗は明らか。
エリザベス女王杯の決着タイムはレコードに0秒2差、ここでの0秒4差の4着も評価できる。中山コースは3戦2勝、外目の枠を引いたが、ラチよりに進めればしっかり伸びることも横山武Jは認識している。
ラストドラフトは、前年の
AJCCは外に振られる不利がありながら3着。
アルゼンチン共和国杯2着で、改めて実力のほどを確認。攻め馬の豪快な動きも目を引く。
サンアップルトンも
アルゼンチン共和国杯3着で重賞に自信がもてた。中山のほうが動き出しと加速がスムーズだ。連穴は
ジェネラーレウーノの逃げ残り。