【一番】
ソーヴァリアントは本夏一番の上り馬。勝って
菊花賞に名乗りを上げる。1着失格というアク
シデントも経験したが、年明け1月の中山・芝2200mで初勝利をあげ、続戦の
弥生賞は4着に敗れたものの最速の上りをマーク。続く札幌・
利尻特別は、スローの上り勝負とはいえ、ラスト3F・推定11秒3-10秒9-10秒8で(33秒0)、ひとマクリ。後続には6馬身、時計は1分59秒8。今年の札幌は洋芝とは思えないほど時計も上りも速かったが、10秒台の加速ラップは仰天モノです。
前走の
藻岩山特別は、開催もかわり馬場も傷み、時計は2分0秒5止まりながら、上り4Fからロングスパートを開始。推定11秒7-11秒2-11秒3-12秒3(3Fは34秒8)をマーク。終い1Fは馬なり、追えば楽に11秒台が出ていただろう。翌週行われた
札幌記念は、前半1000mは1秒8速く(59秒9)、GIIだけにレースの厳しさと質は上。ただ
ソダシの上り4Fのラップは11秒8-11秒8-11秒7-11秒9(3Fは35秒4)。爆発力はむしろ
ソーヴァリアントに分がある。懸案の腰も充実、スタートも加速も春とは別馬。中山の急坂も少々の荒れ馬場も秋はスイスイ。
当面の目標は
タイトルホルダー、
弥生賞のあの0秒5差を逆転できるか。力量をはかるうえではうってつけ。なんて、
皐月賞は坂上盛り返し2着に奮闘。続くダービーは後半1000mのラップは11秒7-11秒4-11秒5-10秒8-11秒6、ラスト2Fめに10秒8が飛び出す激闘を0秒6差なら合格点。完成度の高かった馬とはいえ、春より厚みは増した。追い切りの上りは10秒9、堅実かつ反応絶好。他馬の出方次第ではハナも切れるし、番手でも折り合える。
割って入れば
ルペルカーリア。
母シーザリオは、
桜花賞2着、
オークス強襲、米国に渡りアメリカン
オークスを大楽勝。競走生活はそこでピリオドを打ったが、息子
エピファネイアは
菊花賞・JC優勝。
リオンディーズは
朝日杯FS勝ち。
サートゥルナーリアは無敗で
皐月賞制覇。
11番仔の
ルペルカーリアは
モーリス産駒。新馬戦は腰のハマり具合ひと息。伸びそうで伸びない、じれったい4着に終わった。みるたび印象の異なる不思議な馬ではあるが、二戦目は、終わって見れば後続に0秒5差をつけ圧倒。完歩の大きさとスケールがやはり他の馬とはちょっと違った。
毎日杯は1000m通過は57秒6-マイル通過は1分32秒2という超ハイペース。1分43秒9という日本タイレコードで決着をみたが、残り1F標識までは上位と横並び。
ディープインパクト産駒たちに最後は切れ負けたが、速い時計にもそれなりに対応できた。
京都新聞杯は1000m通過は59秒9のミドル、残り1000m地点から11秒4-11秒5-11秒5というHラップが続き、展開は明らかな前崩れ。セーフティーリードに見えたがさすが残り100mで息切れ。しかし時計は2分11秒3、血統馬はごく短い間に昇華する。まだ心身ともに幼さや粗っぽさはあるが、後肢の送りは春以上。やっぱ
シーザリオの仔は
パワーが違いますね。
惑星は
アサマノイタズラ。
スプリングS2着は今も脳裏に鮮やか。
皐月賞、
ラジオNIKKEI賞は馬に遊ばれてしまったが、田辺Jならがっちり御し切る。造り直しをはかり軸もしっかり、芯が入ってきた。
オーソクレースは
グランプリホース・
マリアライトの息子。本格化はまだまだ先だが、7-8分の造りでもアイビーS優勝、
ホープフルSは一旦勝利も見えた。
グラティアスは、鞍上の指示に従いながらダービー8着。脚の使いどころをマスターできればGIII-IIのひとつはいける。連穴は
カレンルシェルブル。近三走の内容上々、隠れた夏の上り馬です。