【メジャーらしさ満載】
セリフォスは3年前の
NHKマイルCの覇者
アドマイヤマーズと同等か、それ以上の才能を秘めた
ダイワメジャー産駒。6月中京マイルで新馬勝ち。二戦目の
新潟2歳Sは、直線ポッカリ開いたインへ切り込み、10秒8-11秒0-11秒8(3Fは33秒6)といレースの上りを、自身32秒8でズバリと強襲。続く
デイリー杯2歳Sは一転して後方待機策。勢いあまり4角では膨らみながらも、上り33秒4で外から力でネジ伏せ、坂コースの阪神でも10秒5というHラップを叩き出した。
朝日杯FSは1000m通過は58秒3のミドル。中団で揉まれ掛かり気味となり体力を少しロスした。勝ち馬の格好の目標にもなり2着に敗れたが、レースの幅は広がった。短期放牧も明けになるが4月6日から時計を出しはじめ、一週前のCW調教は福永Jを背に長め6Fからビッシリ3頭併せを敢行。実戦を想定し内に潜り込み、上り1F・10秒8という快時計を叩き出した。息が整ったとみて直前は5F追いに止めたが、弾むような動きで迫力満点。よくもわるくもメジャーの仔。心身ともに成長の余地を残しているが、確実な
ステップアップが見て取れる。
対抗は
インダストリアの決め手。半兄はマイル重賞3勝馬
ケイデンスコール(父
ロードカナロア)。デビュー二戦目、東京1800mを1分47秒6・上り33秒5で突破したが、どこか子供っぽく、折り合いなど危なっかしい。将来像あマイラーとみた
ジュニアCは距離を短縮。1000m通過は60秒1の緩ペース、11秒9-11秒1-11秒8(3Fは34秒8)というレースの上りを、自身34秒3で豪快に大外一気。去年の
ひいらぎ賞の
シュネルマイスターに酷似したラップと末脚を披露。ちなみに昨年の
シュネルは続く
弥生賞は2着、後に
NHKマイルC優勝したが、
インダストリアは弥生は5着。コーナー4つの中山2000mは、外に張ったり勝負どころで前をカットされたり、ドタバタと忙しい競馬になってしまったが、最速の上りは計測、素質の在処は示している。元より前走は
NHKマイルCへの一里塚、調教もWコースで6Fのハード追いを3本消化。東京はチークピーシーズを借りなくとも、直線勝負で間に合う。
ダノンスコーピオンも差はわずか。母は北米10勝、加G2-G3・3勝。萩Sでは
キラーアビリティを強襲したこともあるが、やはり父は
ロードカナロア。朝日杯は3着、
共同通信杯4着で距離の壁を感じ、
アーリントンCで距離を再びマイルに短縮。前半1000mは58秒5のミドルで展開。道中横から圧をかけられたり頭を上げそうになったり、小さなロスもあったが、イン有利の馬場を想い馬群の中で決意の我慢。直線前が壁になり残り2F標識すぎ外に切り替えたが、11秒3-11秒1-11秒8(3Fは34秒2)というレースラップを33秒6で最後はねじ伏せた。1分32秒7は前週の
桜花賞より0秒2速く、レースの質と内容はむしろ上。それなりにレース数は使っているが、まだギリギリには攻めておらず、
NHKマイルCは上積みも期待咳る。
惑星は
ソネットフレーズ。デビューは新潟マイル、1分34秒3という走破タイムは翌日の
新潟2歳Sと0秒5差。二着に0秒5差の楽勝を加味すれば、初戦からいきなり
セリフォスとほぼ同等の能力を示した。デイリー杯は関西への遠征。1番枠ゆえインに押し込められるプレッシャーも受けた。あの
グランアレグリアでさえ、デビュー3戦目の関西遠征(牡馬相手の
朝日杯FS)は、戸惑い多く3着に音を上げた。
ソネットフレーズは坂上もう一度闘志を振りクビ差勝負に持ち込んだ。
桜花賞を前にアク
シデントが発生。造り直し、中間の追い切り本数は4本と、急仕上げは否めないけれど、諸々の課題をはねのけてしまう、天の才を備えている。
プルパレイは二走前の
クロッカスSで7Fに距離を短縮、逃げから差し馬へと戦法もスイッチ。2着に敗れたものの上り32秒5という出色の上りを叩き出した。
ファルコンSは馬場は稍重、1番枠、乾き始めの中京の芝はイン有利ということもデムーロJの頭にはインプットされていた。スタートに留意、中団中ほどのポジションを取りに行き、1000m通過・56秒0というHペースにも折り合ってスイスイ。直線入り口、狙い通り素早くラチ沿いから先頭を窺い、外にコースを切り替え逃げ馬を交わし、あとは悠々。抜け出した後、ソラを使って遊んでいたが、上り35秒9はメンバー中第2位、時計は稍重で1分20秒9。1F延長にも十分対応可能な好内容だった。
マテンロウオリオンは
シンザン記念の勝者。ニュージーランドTはト
リッキーな中山マイル。ペースはスロー、道中微妙に行きたがる素振りを見せ、3-4コーナーは大外という大雑把な競馬となり末を赤くしたが、前走はまだ叩き台。本番に向け薄皮一枚贅肉もとれた。