【上位拮抗】スターズオンアースは前走3着も前半で力んだ分伸び切れなかった。今回もリズム鍵も動き非凡で1勝馬のみの重賞なら勝ち負け。エリカヴィータは上々の瞬発力を見せた初戦内容上々で上積みも見込め勝機十分。スクルトゥーラは小柄ながら機敏な動き魅力でマイルも許容範囲。ライラックは牝馬限定で改めて。ビジュノワールも脚力見劣らず、エバーシャドネーやスピードグラマーなども侮れない。

【切れ味極上】エリカヴィータが桜花賞戦線に急浮上。

　母の兄は高松宮記念V2を飾ったキンシャサノキセキ。母は兄ほど頑丈ではなく、脚元に優しいダートを走り、1600-1800mで3勝を挙げた。娘もデビューは慎重。馬体の成長を見守り444キロで登場したが、骨格を見ると、もう20キロ以上筋肉量があってもいいように思う。パドックの仕草は、これで大丈夫かなと思うくらいに静か。発馬は普通、スムーズなリズムで中団を追走、新馬戦は前半1000mは61秒9で通過。典型的な上り3Fの瞬発力決着となったが、ルメールJもかなりの手応えを感じとっていたのだろう。ひと呼吸追い出しを待ち外へと持ち出し、11秒6-11秒5-11秒4(3Fは34秒5)というレースラップを、二段加速の34秒0で急襲。ラスト1Fの伸びは特に際立っていた。南DWの上りをなどを見ても、切れ味は極上。右回り、中山の坂を越えれば一気に桜戦線の主役に躍り出る。

　対抗のエバーシャドネーも、血統は地味だがなかなかの器。新馬戦はスタートはまずまず、1000m通過・60秒2という緩ペースを好位で先団の様子をうかがう。残り4Fから11秒6にピッチが上がり、4コーナー過ぎ3頭が横並びで直線へ、離れた4番手で馬群がばらける箇所を見つけ、11秒5-11秒3-12秒1(3Fは34秒9)というレースラップを、自身34秒2で豪快に捻じ伏せた。走破タイムは1分35秒1止まりだが後半のラップ精度は見どころ十分。馬体を膨らませて遠征競馬に臨めれば桜路線でも面白い存在になる。

　割って入ればスターズオンアース。二走前の東京9F・1分47秒3の内容出色。しかし前走の赤松賞は、マイルの速力にとまどい流れに乗り遅れてしまった。攻め馬を一段強化、距離も二度目。ここで賞金を積めば春は西へ。フィールシンパシーの前走時計は1分34秒8。派手さはないが精度の高いラップ構成で勝った。7Fデビューながら、スクルトゥーラは最速の上りを計測。脚色など見ると1F延長OK。スプリットザシーは、初陣を1分34秒7で差し切り勝ち。前回は阪神JFを除外され止む無く朝日杯FSへ。400キロを切る軽量だが、中間しっかり調教も積め意外にタフ。

　フェアリーSは過去10年で1番人気が[1-1-0-8]、2番人気が[1-0-1-8]と人気が全くアテにならないレース。単勝オッズが10倍以上だった馬が10年で16頭馬券に絡んで半分以上を占めている。単勝万馬券級の人気薄馬は別として、ちょっと人気のない馬でも気になる場合は積極的に買い目に組み入れていくべきだ。

　ふたつめのポイントは、距離延長組の不振。[1-1-4-43]の複勝率12.2％で、同距離組の21.1％や距離短縮組の23.8％より明らかに低い。

　3つのポイントは前走新馬・未勝利組が強いこと。複勝率27.6％で、1勝クラス組の16.7％や重賞組の10.7％よりも高い。特にキャリアの薄い前走未勝利組、前走で芝1600mか1800mに出走していた馬が狙い目となる。

　今回は思い切って◎フィールシンパシーを狙ってみる。このコースで16番枠を引いてしまったのは正直痛いが、キャリア2戦で前走芝1600mの未勝利勝ちというのは条件的にはベストだ。かなり手広い3連複で。

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【混戦】やや低調な顔ぶれなら、距離短縮でも好位からしぶとく差を詰めてきそうな8ライラックに期待。5スクルトゥーラは距離延長でも流れに乗れるとみて対抗に据える。1エバーシャドネーはコース替わりでも流れに乗れそうで3番手にマーク。9エリカヴィータはコース替わりでどうかだが、素質的に互角以上とみて連下に押さえる。3スターズオンアースは今回も決め手がいきれば勝機まで。先行してしぶとい2ビジュノワールも押さえておく。

※12/28時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　中山芝1600mで行われる明け3歳牝馬限定戦。このコースはおにぎり形をしている特殊なコースで、トリッキーなコースだけに器用さが求められるコースです。スタートしてすぐにコーナーに差し掛かるために外に振られやすい外枠はロスになりやすいので注意です。脚の使いどころが難しいですから長い脚の使える子を中心に馬券検討したいと思います。本命視しているのは、エリカヴィータです。新馬戦は多頭数の競馬で、終い最速の脚で差し切ったレベルの高いレースができています。ゴーサインへ対しての反応がよかったですし、トリッキーな今回の舞台でも楽しみです。

※12/28時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　力の比較が難しいが、スクルトゥーラに白羽の矢。直線でしっかり伸び、好時計で勝ち切った新馬戦の内容は評価できるもの。中山マイルへの対応力もありそうだ。エバーシャドネーも魅力ある素材。阪神マイルで好時計V。4番人気での白星だが重賞でも見逃せない。スターズオンアースは道中で引っ掛かった前走も3着。折り合えば怖い存在になる。エリカヴィータはキングカメハメハ産駒。高額落札馬にふさわしいセンスの良さが売りだ。

※12/28時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　前走好走馬が強いレース。「前走の着順が3着以下だった馬」は2018年以降[0-1-0-27]なので、評価を下げるべきでしょう。

　また「父がディープインパクト系以外の種牡馬、かつ前走のコースがJRA、かつ前走の上がり3ハロンタイム順位が3位以下だった馬」は2018年以降[0-0-0-32]。血統や末脚も重要なポイントと言えます。

　なお「“JRA、かつ1勝クラス以上、かつ1500ｍ以下のレース”において出走した経験のある馬」は2018年以降[0-1-0-21]。新馬や未勝利を勝ち上がった後に1マイル未満のレースを使った馬は苦戦していました。

　早くから出走を予定していた馬のうち、これらの傾向から強調できるのはエバーシャドネー・エリカヴィータ・サウンドビバーチェ・スクルトゥーラ・ニシノラブウインクあたり。比較の難しいメンバー構成ですし、オッズも加味したうえで柔軟に構えたいところです。

※特別登録段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　阪神JFの直後の一戦ということで、現時点での重賞好走クラスが参戦してくることは稀。1勝クラスとも大差のないメンバー構成になることが通例だ。適性や力関係が読みにくい難解な一戦で、二桁人気馬は過去10年で3勝しており、2着も3回ある。

1.距離延長は苦戦

　過去10回で、前走1600m未満の距離を使われていた馬は[1-1-4-43]で複勝率12.2％。2021年は1・3着が距離延長組だったが、例年の全体的な傾向としては不振気味だ。人気どころでも、20年アヌラーダプラが1番人気で6着、17年にキャスパリーグが2番人気で12着、12年はオメガハートランドが1番人気で4着に敗れている。

2.関西馬は割引が必要

　関西馬の勝利は09年のジェルミナルが最後。以降は、10年のテイラーバートンが3着、13年のイリュミナンスが4着、16年のリセエンヌが7着、19年のアクアミラビリスは5着、昨年のテンハッピーローズが4着と、1番人気に推された馬でもことごとく人気を裏切る結果となっている。関西馬は長距離遠征のハンデに加えて、中山が初コースになることも多いため、一枚割り引いて考える必要がある。

3.近年は差し優勢

　以前は逃げた人気薄が波乱を演出することも多かったレースだが、近年は差し馬の台頭の方が目立つ。21年は4角7・10・14番手の馬が3着内に台頭し、20年は勝ったスマイルカナこそ逃げ切りだったが、2・3着は4角9・5番手から差す競馬だった。他にも、19年は4角10番手のフィリアプーラが差し切り勝ちで、18年は差し・捲りの立ち回りが掲示板を独占した。

　ニシノラブウインクは東京芝マイルの未勝利で勝ち上がったが、3走前には中山芝マイルも経験して、2歳女王サークルオブライフの2着に入った実績もある。勝ち味に遅い面はあれど末脚は毎度堅実で、相手なりに走ってきそうな馬。昇級初戦の重賞でも好走を期待したい。

　ビジュノワールは新馬戦を単勝1.4倍の人気に応えて快勝。現状でもスケールはかなり大きく、連勝は十分あるだろう。

　エリカヴィータは中山替わりを問題なくこなせそうだが、未経験の分だけ下げて3番手評価。

　ライラックは京都2歳Sで惨敗を喫したが見限るには早い。新馬戦の内容からして重賞級の能力はありそうで、距離短縮のここで巻き返しを期待する。以下、コース実績のあるフィールシンパシー、栗東所属でデータ的には劣勢だが新馬戦の走りが抜群だったエバーシャドネー、1走ごとに内容が良化しているスターズオンアース。

【小波乱】ブルトンクールはレース巧者。ポケットシンデレラは機敏に動ける。ライラックは復調している。

G3フェアリーS。芝1600m戦。3歳牝馬限定。初戦ルメール鞍上で勝っている馬が3頭。そのなかでも91◎スクルトゥーラはなかなかの数字。同距離コース75勝ち☆ビジュノワールも良い。しかしルメールは初戦74でも○エリカヴィータで出てきたので相手筆頭はこちらに。初戦同距離85勝ち▲エバーシャドネー。ほかは同距離91△スターズオンアース。同距離コース83△フィールシンパシー。

マイラーとしての資質は高い3スターズオンアースが優勢。赤松賞は3着だったが走破タイムは優秀。相手関係からチャンス。次位は9エリカヴィータで末脚はシャープで上積みが見込めるならチャンス。▲は5スクルトゥーラで素質は高く距離延長は歓迎。