【
ドゥラメンテを彷彿させる】
桜花賞の
リバティアイランドも飛んだが、
ソールオリエンスもまたワープする。半兄
ヴァンドギャルド(
父ディープインパクト)は富士S優勝、
ドバイターフ2.3着(今週引退発表)。父が
キタサンブラックに代わり、兄より四肢は長く、どこか牝馬を思わせるスラリとした460kg台の明るい鹿毛馬にかわった。
東京・芝1800mの新馬戦の勝ち時計は1分50秒8、上りは33秒3。2Fは推定10秒9-10秒8だったか。この加速数値こそが天賦の才の証。
京成杯はゲートイン前の輪乗りでゼッケン下に白い汗の泡がチラチラ。変に暴れてはいないがボルテージは上り、やっぱキャリア二戦目の若駒なんだなぁと思ったりした。
サウジアラビアRCで大逃げを打った
グラニットが、2コーナーすぎ後続を大きく引き離したが、1000m通過は62秒2のスロー。ボヤボヤしてたら危ない、油断なく前との距離を測り3コーナー手前からゆっくり追い上げを開始。しかし変に急かしたり動かしたわけではないのに、手前が代わらず大外にすっ飛んでいった。
しかし直線入り口ではもう先団にとりついている。ラスト3Fめのレースラップは12秒2。直線入り口フラフラと膨らみながらも、推定11秒8くらいの脚を使ってワープし。芝の塊が飛ぶ、少し湿り気を帯びた馬場も問題なく、暴力的なまでの豪快なフットワークで坂を駆け抜け2馬身半差をつけ悠々先頭ゴール。あれは
ドゥラメンテの
皐月賞だよ。
――何とも派手なワンマンショーを演じたが、改めて上り3Fのレースラップは12秒2-11秒7-11秒5(35秒4)。シンプルなスローペースの正味2Fだけの瞬発力決着ながら、自身の上りはレースのソレより0秒9速い34秒5。
中山の急坂を推定11秒切るか切らないかの超高速ラップを二連続して叩き出していた。まだ体つきは牝馬のように薄いが、調教過程やタイムを前走と比べてみると、3Fは37秒台から36秒台へ。道中の脚捌は軽く弾むようになり、終い1Fのフォームも伸びも確実に進歩している。
皐月賞は雨の風景が何故か多く、雨量や天気の回復により土日ともコース取りに頭を使うが、外枠絶対有利だった去年と違い、今年はインは極端には荒れてはいない。
発馬に留意し、二つ隣りの逃げ馬(
グリューネグリーンは勝負と思えば逃げるしかない)について1コーナーを抜ければ、1枠番はGIへの最短距離になる。
対抗の
ファントムシーフも、一冠目の
皐月賞に向け青写真通りの上昇カーブを描いている。
共同通信杯の体重は502キロ。その前の
ホープフルSと同じでも、緩く映った前走とは張りがまったく違う。パドック周回の歩様の力強さも一頭際立っており、
ハービンジャー産駒ながら馬体のラインに変なムキムキ感や無骨さがない。
阪神マイルを上り33秒9で新馬勝ちしたように、走法もスピード値が高く、元来は走りたがり屋。好スタートを切りハナを切る構えも一瞬見せたが、折り合って二番手、1000m通過は60秒5の緩ペース。上り3Fは余裕タップリに11秒3-11秒3-11秒4(34秒0)でスイスイ。レース構成も1分47秒0もやや平凡だが、三走前の
野路菊Sの2分0秒2、上り33秒5で能力指数はすでに証明済み。
ホープフルSのレースを見ると発馬と小回りに一抹の不安も感じていたが、二週にわたりルメールJが手綱を握り、スピード感アップに彼の騎手も
ニンマリ。
まとめて負かせば
フリームファクシ。半姉は日本・欧州GIを制覇した女傑
ディアドラ。初陣の東京戦は、後に
葉牡丹賞を圧勝する
ミッキーカプチーノの格好の目標となり痛恨の2着に惜敗。
二戦目も1000m通過は64秒1の超スロー、直線入り口さあこれからという勢いついた場面で、前を行く馬が躓き外に振られる大きな不利を被った。しかし態勢を整えエンジン再点火。上り3Fのレースラップは11秒8-11秒3-11秒3(34秒4)、自身のソレは33秒6。ラスト2F・推定10秒9-10秒8という超速ラップで本馬もまたワープする。
パオパオと頭を振りながらも、1勝クラスの2分0秒2は翌週の古馬3勝クラスと同タイム。
きさらぎ賞も我慢できないといった感じで3コーナー手前から早めスパートとなったが、11秒3-11秒1-11秒9(3Fは34秒3)で後続を封じ込めた。
乱暴な性格はすぐには矯正できないけれど、直前は稽古掛けすることでも知られる
ソダシにヨレながらも力強く先着。レーンJは、
リスグラシューや
セリフォスのGI然り。いい意味で呑気、そして何より大胆。切れ味勝負に徹した際の手綱さばきは、ムーアJもモレイラJも、川田Jにも勝る時がある。
惑星は
ベラジオオペラ、
スプリングSの内容は近年でもピカイチ。前回はまだ四肢に
バンデージを装着、全体的に水っぽい。
ただ
エアデジャヴーを起点としたこの一族は、9-10Fの洋芝を総じて得意としており、重馬場条件下・59秒4というHペースを中団追走、構えにもかなり余裕がある。インぴったりを回るか、大外をブン回すか。悩み多い馬場だったが、ためらうことなく大外へ。12秒4-12秒2-12秒6(3Fは37秒2)というレースラップを、上り35秒7で猛然と直強襲に成功。
1分48秒9という時計は、9Rの
スピカS(古馬3勝クラス)の
ノースザワールドのタイムより0秒3遅かったが、ノースはOPの能力があり、ほぼ似たようなHペースの上に立ち、べラジオの上りは35秒7、ノースは37秒1。レース精度は古馬OPと互角といっていい。初めての在厩調整になるが、首の動きが大きく力強くなっている。
タッチウッドは、
共同通信杯のパドックの仕草は、泣けるほど幼い。派手に折り合いを欠きながら、2着に盛り返したのには逆に驚いた。なるほど新馬戦のムーアJのムチ捌きは、才能と将来を慮ってこその気合のムチだったか。また一段成長をうかがわせ、
武豊Jへバトンタッチ。
タスティエーラも
共同通信杯4着から
弥生賞を快勝。いろんな注文はつくが、
シャザーンも勝ち負けに参加してダービーロードを確定しておきたい。