【戴冠式】
クラウンプライドがダート最強王者の冠を戴く。3歳春はドバイに遠征、UAEダービーを快勝。米国伝統の
ケンタッキーダービーでは前半レースをリード。13着に失速したものの見せ場は作った。帰国後の3歳後半、チャンピオンズC2着など一線級と好勝負を演じ、本年も世界最高峰の賞金と格式で知られる、サウジC・ドバイワールドCへ
アタックをかけ5着。世界のダート界の超一流馬たちと並び掲示板に名を連ねた。
帰国緒戦の帝王賞は鼻差2着の惜敗を喫したが、コリアCは2着の日本馬を1秒7チギり捨て韓国の人々もテレビ画面を見つめるワタシたちも驚愕。フットワークと着地力は以前より確実に力強さを増し、4歳12月のチャンピオンズCを心身ともに完成形を以って迎える準備が整った。
第一目標は
レモンポップ。年齢はひとつ上、長期休養を余儀なくされ本格化に少し時間を要したが、
フェブラリーSで初のGIを制し、同時に距離マイルもクリアした。
ステップレースの南部杯は脚抜きのいい馬場コンディションに恵まれたことも確かだが、後続に2秒0の大差勝ち。スピードの絶対値の違いをみせつけた。ただ想像以上の進化をとげているとはいえベースはマイラー、コーナー4つの9Fは初めて。
フェブラリーSとチャンピオンズCのリンク率は低くはないけれど若干の懸念あり。
G前スタミナ切れをおこすようなら替わって3歳馬
セラフィックコールの急浮上。スタート難や折り合い、ポジショニングや仕掛けどころなど課題も多く、一線級との手合わせは初めてになるが、新馬戦以来常に上りは最速。キャリアを積むたび加速力は増す一方。前回の
みやこSで馬体の
シルエットもかなり大人びてきたのを確認できたが、中間さらに張りが増し立ち姿も堂々。
ピークが早すぎるのが逆に心配になるほど、一気の頂点に駆け上がるシーンも十分考えられる。
5歳牝馬
アイコンテーラーのダート適性の高さと上昇力にも目を見張る。芝重賞でも連対実績はあるが、首は高く高脚を使い詰めが甘い。三走前の
BSN賞からダートに転じ、鮮やかな先行勝ちを決め、
シリウスS2着後、古馬超一流牝馬が集うJBCレディスクラシックを楽勝。斤量は56kgだが左回りは伸び脚はさらにスムーズ、鞍上にはモレイラJを配置。加点材料の方が大きい。
コリアCでは大差をつけられたが、
グロリアムンディはダート戦績はまだ[6-2-0-1]。中間の調教の負荷と精度を一段上げて臨む。
メイショウハリオは本年、かしわ記念に続き帝王賞を連覇。JBCクラシックは休み明けの影響か。毛艶が冴えず覇気もひと息だったが、大幅な上積みが見込める。