【少頭数だがHレベル】
メイショウゴーフルの新馬戦の走破タイムは一見平凡、しかし道中及び上りラップはなかなか滋味がある。母はフランス産、日本での活躍馬やブラックタイプは不在。イメージが沸き辛い血統ではあるが、肩・背中・腰はガッチリと大きく、大人びて素直な484キロの牝馬。初陣道中は二番手、前半は13秒台のラップが3つ、1000mは63秒5の緩ペースで推移。3角過ぎひと押し。スルリと先頭に立つと、上り3Fを11秒9-11秒8-11秒6(35秒3)で悠々快勝。金曜日にざっと大きな雨が降り、発表は良ながら、早朝のレースから芝の塊が掘れ飛び実質は稍重。10F戦なら2秒近い馬場差があり、11秒台を3連発――しかも漸次しっかり加速した。夏の小倉9-10F戦から、近年何頭か重賞馬を送り出すようになったが、本馬もその一頭かもしれない。
対抗は
ラケダイモーン。7月の中京芝2000mは2着、前走は調教の強度をワンランク上げ、好位内に抑え込み向こう正面では折り合いも納得。1000m通過は63秒0の緩ペース、内回りゆえ直線は短く、上り3F11秒6-11秒5-12秒1(35秒2)というレースラップに対し、自身のソレは34秒7。最後の1Fを推定11秒4見当で後続を1と1/4馬身差に振り切った。ただゴール入線時はややペースダウン。フレームに似合う体力がまだ十分に備わっているか? 全幅の信頼はまだ置けないのかもしれない。
ならば
ヴェロキラプトル。デビュー戦は絵にかいたようなスローの上り勝負、終い3Fは11秒2-10秒9-11秒7。上りが速いコースとはいえ、東京コースにおいてラスト2Fめの10秒9は大事にしたい。10キロ増で出てくれば馬体造りも青写真通りだろう。
惑星は
アナベルエクラ。母は海外G3を1勝。兄姉に1勝馬が2頭、現3歳の
ショウナンアレス(父
キズナ)は、8-9Fで目下3勝。初戦は454キロで登場、まだ細い造り。ただ管理するのは
清水久詞師、
キタサンブラック産駒の仕上げは心得ている。道中は若干頭を上げ気味、しかし漸次ポジションを上げ3-4コーナーにかけ、馬なりでスルスルと先団を飲み込む勢い。直線ギアを入れ直し、上り3Fを推定12秒2-12秒2-12秒2(36秒6)で、2着馬を2馬身半差突き放しフィニッシュ。ゴール板を通過したあともまだ余力あった。小倉最終日、馬場は荒れ気味。上り1F・12秒2という数字はけっこう上質だ。
桜花賞2着に食い下がった
コナコースト(父は
キタサンブラック、
清水久詞厩舎)に倣い倣えだ。