【弟には弟の夢がある】ビッグドリームのサイアーラインは、名スプリンター・サクラバクシンオーの血脈。父も高松宮記念優勝、現3歳の全兄ビッグシーザーも、近いうちにGIスプリント戦線に打って出る。全弟は現4勝の兄をもう一回り膨らませた516kgの明るい鹿毛。排気量の大きなエンジンを搭載、しかも臀部は巨大。

　重賞スプリンターの雰囲気を初手から漂わせていたが、大外からポンと好スタートを切り、ほぼもったままで後半3Fは11秒6-11秒4-11秒9(34秒9)。2着に6馬身差をつけ悠々ゴールに飛び込んだ。ブレのない重心の低いフォームも出色。短距離馬としての純度は相当高く、一週前のCW・77秒1-63秒2-37秒3-12秒7という破格のタイムに、才能の在処と上積みが読み取れる。

　次位はパッシングシャワーの完成度。新馬戦はスタートミスもすぐに挽回、焦りはなく操縦性は自在。前後半の3Fを34秒8-34秒3という好バランスで駈け、ゴール板が近づくにつれ加速力はアップ。短距離重賞の差し馬としてのセンスをいくつも備えている。

　キャンシーエンゼルのスピードも重賞レベル。新馬戦はテンの2Fめは10秒7という高速ラップを踏み、残り2F手前から身体全身を使い一気に完歩が大きくなり、2馬身半差の完勝を果たした。1分8秒7という時計も上質、坂路でもかなり速いタイムが出るが、中間CWで長め追いを課し、心身のバランス強化に努めてきた。

　ミルテンベルクも僅差。6月の阪神6Fを35秒3-35秒1で楽勝した好素材。成長期間を設け坂路1F・11秒7、CW1F・10秒9を計測する馬にステップアップを果たした。

　アスクワンタイムは小倉2歳S・京王杯2歳Sを勝ったファンタジストの全弟。兄と能力は五分、激しい気性の上より心にゆとりがある。二戦目の勝ち時計だがドナヴィーナスの1分8秒3もリスペクト。

　小倉で勝ち上がった馬代表として◎パッシングシャワー、他場勝ち上がり代表で○キャンシーエンゼル。ともにタイムなどのほか、逃げ以外の手段で勝ってきた点を評価。

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【上位拮抗】勝ち方に派手さはないが、勝負強さを確認できた初戦の6パッシングシャワー。湿った馬場になれば、更に良さが活きる。9ミルテンベルクは仕掛けてからスッと伸びる反応の良さが武器。大人びたレースが出来る。4ドナヴィーナスはテンのスピードは一番。

※8/27時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　小倉芝1200mで行われる2歳限定のGIII戦。キャリアが浅い子が集まるレースですから比較が難しい。加えて一度使われてグッと成長してくる子も出てきますから、追い切りの動きから伸び代を感じる子は積極的に狙います。

　本命視しているのは、パッシングシャワーです。新馬戦は最内枠から、終い最速の脚を使っての差し切り。道中の運びや馬なりで先頭に立ったところからポテンシャルの高さを感じました。馬っぷりもよく伸び代を感じる馬体をしているので楽しみです。

※8/27時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　キャンシーエンゼルは初戦から大人びたパドック。レースでも2番手で運べた。直線で手前を替えなかったのは誤算だが、それでも好タイムで完勝。右回りのここはチャンス。ビッグドリームは福島からの転戦。少し太い馬体でも追うところなく完勝。楽しみしかない。アスクワンタイムは新馬勝ちできなかったが2戦目でレースぶりが良くなった。ここでも。ドナヴィーナスが続く。

※8/27時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　近年は圧倒的に外枠有利。「枠番が1から6枠の馬」は2020年以降[1-0-1-19]で3着内率9.5%、「枠番が7から8枠の馬」は2020年以降[2-3-2-5]で3着内率58.3%と、好走率に大きな差がついています。

　なお「“JRAの、新馬のレース”において“着順が3着以内、かつ4コーナー通過順が3番手以内”となった経験のない馬」は2020年以降[0-0-0-10]と3着以内なし。デビュー戦の内容がいまひとつだった馬は苦戦していました。

　枠順次第で柔軟に構えたいところですが、楽しみなのはビッグドリーム。全兄にビッグシーザーがいる良血馬ですし、好枠を引けなかったとしても相応に高く評価するべきでしょう。

※特別登録段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　かつては将来性に欠ける早熟スプリンターのためのレースというイメージもあったが、近年はナムラクレア、メイケイエール、ラウダシオン、レーヌミノル、シュウジ、ベルカントら3歳以降も活躍する馬をしばしば輩出し、出世レースとして存在感を示している。

1.馬格が必要

　過去10回で439kg以下だった馬は[0-4-3-32]と勝ち切れていない。19年1番人気で5着のカイルアコナは434kg、17年2番人気4着のヴァイザーは432kg、16年2番人気6着のクインズサリナは434kgなど、人気した馬でも軽量だと苦戦するケースが多い。

2.前走の上がり順位に注目

　過去10回で、前走上がり3ハロン順位が1、2位だった馬は[9-7-7-56]で複勝率29.1％なのに対し、3位だった馬は[1-3-1-25]で複勝率16.7％、4位以下だった馬は[0-0-2-29]で複勝率6.5％。デビュー直後の若駒の争いとあって能力比較が難しい中、前走の上がり順位というのは一つのバロメーターになる。

3.ゆったりしたローテ

　過去10回で、連闘で参戦した馬は[0-1-1-17]で複勝率10.5％。中1-2週の馬も[4-3-1-50]で複勝率13.8％と苦戦気味。対して、中3-8週の馬は[6-5-7-39]で複勝率31.6％。。

　ミルテンベルクはモーリス産駒で、6月に阪神芝1200mでデビューして3馬身差快勝。ここに向けた調教では抜群の動きを見せており、引き続き勝ち負けを期待できるだろう。

　アスクワンタイムは未勝利の勝ち時計こそ平凡だが、勝ちっぷりは上々。きょうだいは小倉で重賞を勝っており、この馬も期待できそう。ビッグドリームは仕上がり早でスピード上位。順当なら勝ち負けだろう。

　メイプルギャングはいかにも穴をあけそうなローテーションで挑んでくるためマークは必要。以下、控える競馬で新馬戦を制したパッシングシャワー、一度使った上積みありそうなキャンシーエンゼル、連闘だがスピードあるテイエムチュララン。

【素質評価】いかにも短距離馬らしい適性の高さがある、07ビッグドリームを本命に推す。新馬戦はまったくの楽勝で、まだまだ奥がありそうな印象を受けた。小倉替わりも問題がなさそうなタイプで、稽古での動きも非常にいい。相手は、09ミルテンベルクと05キャンシーエンゼルの2頭を上位に評価。◎-○▲の組み合わせから流す3連複・3連単主体で勝負したい。

【小波乱】メイプルギャングはスピードとパワーを兼備。潜在能力が高い。ビッグドリーム。アスクワンタイムは追われてしっかりしている。

GIII小倉2歳S、芝1200m戦。前走ダートから1頭。基準は前走同距離コースの良馬場83☆ドナヴィーナス。ただこれが2戦目の数値。これと初戦値高数値勝ちの馬たちとの上下となる。面白そうなのは初戦同距離コース78勝ち◎パッシングシャワー。初戦同距離84○キャンシーエンゼル。次いで▲ビッグドリーム。以下もさほど劣っていない数値なので拾いきれるかの勝負になる。

デビュー戦で圧勝した7ビッグドリームが優勢。オープン特別3勝したビッグシーザーの全弟で将来性は極めて高い。次位は9ミルテンベルクでスピード能力は非凡で小回りなら持ち味が生きる。▲は6パッシングシャワーで末脚は強力で互角。