【刮目】
ウンブライルの決め手と資質を刮目してみよ。全兄はGIマイラー・
ステルヴィオ、新馬・もみじSをブッコ抜いたときは
桜花賞勝ち負けのシーンも一瞬描けた。ただ集中力が定まらない、なかなかエンジンがかからない。大味な競馬も二度ほど見せたが、ニュージーランドTからブリンカーを装着。ト
リッキーな中山マイルの15番枠から根気よく外から前を追いかけ、坂上からグリップ力確かに再加速。渋った馬場が得意な勝ち馬には2着と及ばなかったが、牡馬混合の
NHKマイルCをアタマ差2着に追い込み、本年春の
阪神牝馬Sも2着に浮上。
ヴィクトリアマイルはブリンカーを外し、従来より前目の中団内で道中を進めた。折り合いもついていたが、1000m通過は56秒8という激流。一旦先頭に立ちかけたものの、速い流れを早めに動いたぶん終い甘くなってしまった。決勝点手前のフォームはいつもより首が高く、横の馬を見ながら走っていたり、ブリンカーを外したことで集中力も散漫になっていたのかもしれない。北海道入りしノーザン
ファームでリフレッシュをはかり、直前の走りはブリンカーなしでも気迫と集中力は抜群。馬体の造りもこのメンバーに入ると一枚抜けた存在だ。やっぱGI級だよなぁ…。前記ニュージーランドTの走りを見ると洋芝仕様の
パワーも感じる。小回りは考えどころでも、東京マイルのGIを2着できるのなら平坦9Fに対する距離不安は考えなくてもいいのかもしれない。
対抗一番手は
ドゥアイズ。
阪神牝馬Sは本命に5着と切れ負けたが、底力勝負となった
ヴィクトリアマイルはしぶとく末を伸ばし4着に先着。札幌は
札幌2歳S2着を含め[1-2-0-0]、洋芝なら立場は互角。
割って入れば
ボンドガール。
サウジアラビアRCは折り合いに泣き2着、阪神JFは直前の調教で放馬。
桜花賞ロードへの青写真が白紙となり、
桜花賞は賞金不足のため抽選で除外、同週の中山ニュージーランドTへ回ったが、スピードを削がれる渋った馬場でも2着は確保。
NHKマイルCは好のポケットで上手く立ち回り、さあ抜け出そうかというところで二度三度と大きな不利を被ってしまった。
タラレバが許されるなら、スムーズだったらどうだったか…。なんて、兄は
ダノンベルーガ、
ダイワメジャー産駒ながら背中には適度な緩さがあり、後肢の送りも深め。伸びやかなフットワークを思うと、距離9Fと洋芝という課題を
武豊騎手の手にかかればクリアしてしまう?
大駆けがあれば3歳馬
コガネノソラ。
スイートピーSの1分45秒6は歴代1位、同じBコースで行われた古馬オープン・メイSと0秒5差。父は
ゴールドシップ、三走前の稍重の中山9Fの走りは力強く、51kg・洋芝なら上位争い必至。
コンクシェルも三走前の
初音S1分45秒5の楽勝を契機に、
中山牝馬Sを力の逃げで奪取。この組み合わせなら単騎逃げに持ち込める。
モリアーナは2歳夏の
コスモス賞勝ちでコースを経験済み。
紫苑Sを歴代屈指の1分58秒0で直戦一気を決めた実力の持ち主。調教本数2本に首もかしげたが、馬体と動きはやはりA級。
アルジーヌも好調、今回は試金石。