【成長度を目視】
トロヴァトーレの成長とGIレベルの資質を改めて確認したい。祖母は
ライツェント、母の姉は
ディアドラ。顔つきは父
レイデオロ似だが、
シルエットや構造から
ディアドラの香りをかぐことができる。父に似て口向きが硬いが、追ってから首が使える。
葉牡丹賞は1000m通過61秒7のスローにも焦らず騒がず。勝負どころの三分三厘、馬群で我慢。直線進路をふさがれかけたがグイと首と体を入れ外からの圧を振りほどき、急坂を上がり33秒9でひと差し。新馬戦の上がり33秒8に続き、ラスト1Fを推定10秒台の加速ラップで急坂を駆け上がってきた。中間本追い切りのみならず日曜追いでも坂路1F・11秒台を馬なりで計測、
パワーアップも見て取れる。
第一目標は
ダノンエアズロックの速力。アイビーSは好スタートを決めピタリと二番手におさまり、背後に構える後の
ホープフルS優勝馬
レガレイラの脚色など計りつつ、残り1F手前から追い出し開始。11秒2-10秒9-11秒0(3Fは33秒1)というレースラップに対し、自身のソレは32秒7。右ムチ一発、左に持ち替え二発。最後は見せムチで余力残しでフィニッシュ。平坦の新潟ではなく東京9Fで、推定10秒8-10秒7という快ラップを叩き出した。予後の調教強化と過程もきわめて順調、キングJとの呼吸もピタリ。
仏ダービー・
凱旋門賞を制した
ソットサスの全弟
シンエンペラーも力量はほとんど互角。
ホープフルSは最終週の荒れ馬場、テンの2Fめに10秒8というラップを踏み、
皐月賞とよく似た平均ラップで推移。正攻法の競馬で勝負あったかに思えたが、先頭に立つとソラを使い外へ大きく膨らんでしまった。心身ともに若さ丸出しだったが、脚の状態もよくなってきたか。調教では真っすぐに気を抜かず走れるように変化している。鞍上は川田J、首位を狙って当然。
ファビュラススターのデキのよさと上昇振りも目を引く。稍重条件下・上がり33秒9をマークした新馬戦も見どころがあったが、前走の中山10F戦は1000m通過59秒9というミドルペースの上に立ち、レースの上がりを0秒7上回る35秒0で鮮やかな快勝。開幕週とはいえ1分59秒8は、
中山金杯とは0秒9差、古馬2勝クラスより0秒2速く、
葉牡丹賞と
ホープフルSより速かった。同じレースを上がり34秒9で0秒1差に追い詰めた
コスモキュランダの追い込み。東スポ杯2着の
シュバルツクーゲルの持久力と上昇力も連下圏内。