【女王蜂】レガレイラが体力増強に成功、牝馬限定戦における立ち位置を確かめる。タフな函館の洋芝9Fで新馬勝ちを果たし、アイビーS3着を経て牡馬混合GI・ホープフルS強襲に成功、皐月賞・日本ダービー二冠に駒を進めた。だが若干腰回りが小さく細い。皐月賞は勝負どころで内外にヨレ、日本ダービーは前半1000mは62秒2という超スローに泣き春二冠は6・5着で幕を閉じた。ただ本年の皐月賞は超Hレベルのレコード決着、続く日本ダービーと、二度にわたって最速の上がりを計測。世代トップレベルの能力の片鱗を数字として示してきた。元々牡馬に混じっても平静さを維持できる度胸があり、ひと夏を充電期間にあて蜂のようにくびれ腰にも筋肉がついた。臀部は丸味を帯び操縦性や推進力は向上、中京10Fでも中団あたりにつけ加速できる態勢が整った。

　対抗のクイーンズウォークは500kgを優に超えるキズナの娘。力勝負の東京マイル・クイーンCで自慢のパワーで寄り切り桜花賞へと駒を進めたが、究極の瞬発力と速力を問われる桜花賞は8着に終わった。しかしスタミナ勝負の2400mのオークスは0秒4差にジワジワ浮上。10Fなら崩れない。こちらも4か月の間にハートとグリップ力を強化、理想像に一歩づつ近づいている。

　単穴はオーロラエックス。レースはまだ3回め、しかし1勝クラスの牝馬限定戦とはいえ、前走は出遅れをかかり気味に追い上げ、後半5Fほとんど11秒台を計測、加えてラスト3Fのラップは推定11秒4-10秒9-11秒3(33秒6)と出色。サトノダイヤモンド産駒らしく二枚腰を使い、1分44秒4の快記録で資質の在処を見せつけた。まだビッシリと造り上げておらず坂路でふらついたりもするが、現状の状態でも上位争いに割って入る才能あり。

　タガノエルピーダは牡馬混合GI・朝日杯FS3着に突入した素質馬。春は体調に波があり忘れな草賞勝ち後のオークスは16着に埋没したが、ローズSに目標を定めCWで長め6F追いをミッシリ。首使いと推進力が目に見えてアップしている。

　チェレスタはキャリア4戦、戦績は[2-1-1-0]。阪神の坂、京都の2200mにも2着に対応、稍重の小回り小倉10Fの前走を完勝。着実に上昇曲線を描けている。カニキュルは左回りの東京9F-10Fで2戦2勝、三浦特別は3勝クラスに匹敵する1分45秒3・上がり33秒3をマーク。前進気勢も表に出始めた。

　ローズSの過去10年における前走GI組は[6-2-3-43]。ただ回収率としては単43％・複36％で穴はこのグループから出ていないことが分かる。実際、馬券に絡んだ11頭のうちいちばん人気薄の馬でも6番人気。単勝オッズでいうと11頭中10頭が単勝10倍未満で、例外は2019年2着のビーチサンバ(単勝オッズ16.0倍)だけだ。

　今年の前走GI組は6頭いるが、中心視できるレベルにあるのは牡馬相手に日本ダービー5着の◎レガレイラと、オークスで掲示板確保の○クイーンズウォークだろう。

　前哨戦を使わないご時世にサンデーレーシングが2頭出しというのは意図をはかりかねる面もあるが、2頭出して2頭とも負けるような競馬をわざわざしてくる理由もないだろうと考え、この2頭から3連単のフォーメーションを展開する。2着候補には1勝クラス組から、敢えて牝馬限定の平場を勝ってきた2頭をピックアップする。

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【上位拮抗】なかなか状態が安定するのが難しく春シーズンはチグハグな競馬になっていた2クイーンズウォーク。ただ左回りのクイーンCの強さは強烈なインパクトを残した。15レガレイラは前走果敢に日本ダービーにチャレンジ。上がり最速の5着なら立派な数字。8ラビットアイは前走脚を余した印象。穴の魅力。

※9/8時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　中京芝2000mで行われる3歳牝馬限定のGII。本命視しているのはレガレイラです。ホープフルSの勝ち馬で、GIで見せ場十分のレースができているだけにここでは負けられない。終いを生かす競馬をする仔ですから広く荒れた今の中京コースで良さが増します。乗りなれたルメール騎手の手綱捌きにも期待します。

※9/8時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　ワクワクするハイレベルメンバー。8月の中京で2勝目を挙げたフレミングフープに白羽の矢を立てた。超スローペースでもお構いなしの差し切り。春の勢力と互角に戦えるポテンシャルだ。日本ダービー5着のレガレイラ。序盤でいい位置を取りたい。カニキュルの前走は好タイムV。折り合いに進境が見られる。クイーンズウォークも能力上位。

※9/8時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　ビッグレースからの直行組を含め、近年は大敗直後の馬が不振。「前走の着順が8着以下だった馬」は2020年以降[0-0-0-18]と上位に食い込めていません。

　また「“中央場所の、1400m超のレース”において“着順が1着、かつ上がり3ハロンタイム順位が3位以内”となった経験のない馬」は2020年以降[0-0-1-25]。ローカルのレースを主戦場としてきた馬は扱いに注意しましょう。

　さらに「前走のコースが今回と異なる距離、かつ前走の4コーナー通過順が5番手以内だった馬」は2020年以降[1-0-0-24]。前走も2000mのレースだった馬や、前走で先行していなかった馬を重視したいところです。

　今年のメンバー構成なら、チェレスタ・ハワイアンティアレ・フレミングフープ・レガレイラあたりを高く評価するべきだと思います。

※特別登録段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　オークス3着以内馬の出走は17年が最後。以前は秋華賞につながる重要なトライアルとして多くの有力馬の始動戦に選ばれていたが、近年は紫苑S組が幅を利かせるようになってきたことや、春からの直行で挑む有力馬が増えてきたことで存在感がやや薄れつつある。

1.上がり馬に妙味

　過去10回で、前走がGIだった馬は[6-2-3-43]で複勝率20.4％だが、複勝回収率は36％しかない。対して、前走2勝クラスだった馬は[0-2-5-24]で複勝率22.6％、複勝回収率は143％、前走1勝クラスだった馬は[4-4-2-43]で複勝率18.9％だが、複勝回収率は106％。妙味は前走が条件戦の馬だ。

2.前走1着馬

　過去10回で、前走が1着の馬は[6-5-3-49]で複勝率22.2％、複勝回収率113％と妙味十分。単勝回収率も113％と100％を上回っている。なお、先述の前走が1勝クラスの馬でこのレースを勝っている馬は全て前走が1着の馬だ。

3.キャリア数に注目

　過去10回でキャリア6戦以内の馬が9勝。対して、キャリア7戦以上だった馬は[1-3-7-68]。3着は良く出ているが、連対する馬はキャリア6戦以内の馬が多い。

　ここまで、例年の好走馬について分析したが、レガレイラはホープフルSを勝ち、皐月賞・日本ダービーと出走してきたように規格外と言っても良いだろう。今回の中京芝2000mも合いそうで、3歳牝馬相手なら好走は必至だろう。

　オーロラエックスは2戦2勝でまだ底を見せていない。1勝クラスで勝ったケーブパールも次戦ですぐに1勝クラスを卒業している。勝ちっぷりも良く、このキャリアでこのメンバー相手でも好走は可能だ。

　その他、持ち前の切れ味で好メンバー相手に1勝クラスを勝ったカニキュル、オークス4着で重賞勝ちのあるクイーンズウォーク、前走で同コースの1勝クラスを勝ったフレミングフープ、フローラS2着のラヴァンダ、同距離の1勝クラスを勝ってここへ臨むチェレスタなども好走の圏内。

【実績断然】大外枠が課題となる15レガレイラだが、相手関係はかなり楽。仕上がりも上々といえるもので、態勢はキッチリ整っている。前が流れてくれそうな組み合わせとなったのはプラスで、ここは実績を素直に信頼。相手は、02クイーンズウォークと05タガノエルピーダの2頭を上位に評価する。◎-○▲の組み合わせから流す3連複・3連単主体で勝負したい。

【小波乱】クイーンズウォークは対応力十分。サフィラはコースが替わり前進。レガレイラは乗り込み入念。

GIIローズS。3歳牝馬限定。前走同距離コースは97△フレミングフープ。この馬もそこから2キロアップでどこまでやれるかの一戦。やはり春の時点で100台出せている馬は能力ある。同距離107◎レガレイラ。相手に○クイーンズウォークと▲カニキュル。一発に連勝して挑む☆オーロラエックス。さらに平均値上位から△タガノエルピーダなど。

ホープフルSの覇者15レガレイラが有力。不利を受けてのダービー5着は内容が高く牝馬相手なら勝る。次位は2クイーンズウォークでオークス4着、重賞勝ちの実績から逆転は十分。▲は9ラヴァンダで末脚は威力があり好走は可能。