【シフトは万全】
アーバンシックが三冠最後の
菊花賞奪取に挑む。高い能力で新馬戦、
百日草特別を連勝し
京成杯2着に追い込んできたが性格は子供。十分な調教を課すことが叶わず、
皐月賞4着、
日本ダービーはスローペースも重なり11着に伸びあぐねた。しかしひと夏を越え課題の一つだった後肢の送り込みが深くなり、
セントライト記念は勝負どころの動き出しも機敏。末脚は滑らかさを増し中山の急坂を34秒0の加速ラップで完勝。体力が備わった秋は、青写真通りに調教メニューも消化。三代母は
ウインドインハーヘア、近親に
ディープインパクトなど数多くの重賞連対馬が連なる名族。サイアーラインも
スワーヴリチャード×
ハービンジャー、鞍上には近10年で
菊花賞3勝をあげているルメールJ。鉄壁の布陣でGIへ
アタックをかける。
強敵は
ダノンデサイル。横山典Jが手塩にかけ、折り合いやフォームを整えてきたが、心身が安定せず
皐月賞はゲート前の輪乗りで錯乱状態になり無念の取り消し。
日本ダービーに向け難しい調整を強いられたが、1000m通過・62秒2という超スローを、好位のポケットで馬なりで追走。最後の1000mは11秒7-11秒3-11秒1-11秒2-11秒5という高速ラップを自身33秒5で
皐月賞馬を寄せ付けず。ゴール板を通過した後も余力十分に加速、3000m対応もその時点で見えた。
日本ダービーからのブッツケで
菊花賞連覇は過去1度しかないが、9月14日に初時計をマーク。一週毎に負荷を上げ明らかに春より楽に操縦が可能になった。
三番手には
アドマイヤテラを指名。体重は減っているが、秋を迎え筋肉が浮き出す緊張感のある馬体へと進化。茶臼山高原特別は稍重条件下、後半1200mはすべて11秒台のラップを計測、最速の加速ラップで突き抜けてきた。こちらも母系は
ウインドインハーヘア、母は
アドマイヤミヤビは
オークス3着。距離延長は望むところ。
メリオーレムの変わり身と距離適性も要注意。
プリンシパルS2着で春を切り上げたが、二走前の
西部スポニチ賞は迫力満点にラスト4F・11秒台を連発。最後は流しながらゴール板を通過、後続を4馬身差にチギり捨てた。湿った馬場は不得手、
神戸新聞杯は5着に伸び負けたが、良馬場なら前進は当然。母系はタフで知られるドイツ系、父は成長力に溢れる
シュヴァルグラン(
ジャパンC制覇)。距離延長に異存なし。
前年の優勝馬
ドゥレッツァは、新潟2200mの
日本海Sを
ステップに菊制覇を成し遂げたが、本年は
ヘデントールが参戦。そして
阿賀野川特別を2分11秒9で駆けてきた
ピースワンデュックも連下圏内。距離適性が微妙だが
コスモキュランダの実績も見限れない。