【完熟】
ナミュールの末脚完熟。3歳クラシックは精神と肉体がまだアン
バランス、
桜花賞は惨敗、
オークス3着、
秋華賞2着に終わった。その後も小さな踊り場を経験したが、4歳秋を迎え本格化を達成。富士Sを1分31秒4のレースレコードで駆け抜け、続く
マイルCSは上がり33秒0で直線一気のごぼう抜き。アウェーの
香港マイルは3着、C.デムーロJとのコンビで挑んだ
ドバイターフはハナ差届かず2着惜敗。
安田記念は
パワーに勝る
ロマンチックウォリアーに0秒1差遅れはとったものの、稍重馬場で上がり32秒9の末脚を繰り出し2着に急浮上。5か月あけての実戦になるが、坂路調教の本数はいつもの休み明けと同じ6本。追い切りの強度やタイムも従来とほぼ
ドンピシャ。雨にも馬場にも負けない心身を作り上げてきた。
強敵は欧州No.1マイラー・チャリン。馬場の水分量次第では逆転も望める。本年4歳は[5-2-0-0]。英国の春の主要マイルG1・クイーンアンS制覇を筆頭に、欧州で最も権威があるとされる仏G1・
ジャックルマロワ賞を、60kgの斤量で歴代3位の1分33秒9で走り抜け3馬身差をつける完勝を遂げた。ムーランドロンシャン賞は伏兵馬の逃げを許し2着に惜敗したが、Qエリザベス2世Sは
ドバイターフで
ナミュールを封じ込めた
ファクトゥールシュヴァルに2馬身差をつけ完勝。
マイルCS参戦表明は早く、約1カ月間のローテーションをタフに戦い抜いた馬だけに長期輸送も楽にクリア。胸前厚く重心は低く514kgの芦毛。京都の芝コース調教にも、力強く滑らかにスピードアップ。コーナーリングやコース取りの感触を鞍上のムーアJもつかんだ。
まとめて負かせば
ブレイディヴェーグ。キャリア5戦め、未知の2200mGI・
エリザベス女王杯をアッサリ快勝を果たし、
アーモンドアイにも比肩する天才肌の牝馬。約11か月の休養明けとなった
府中牝馬Sは、レースの上がりを1秒3上回る、上がり32秒8の加速ラップで悠々の楽勝。ちなみに1分44秒7という走破タイムは
毎日王冠より速く、秋の天皇賞の
ドウデュースの上がり32秒5と比較すれば切れ味の凄さもわかる。距離延長よりは短縮の方が競走馬は対応は易く、三走前の
ローズSではマイル通過・1分31秒2という激流を体験している。
ソウルラッシュも差はわずか。昨年秋の
京成杯AH・1分31秒6を
ステップに、
マイルCS2着、
安田記念はコンマ1秒差の3着に迫った。前哨戦の富士Sは若干重め残り、しかししっかり2着に押し上げるところが地力の証。6歳馬ながら叩いた効果は調教の動きにも歴然、週末の雨も追い風となる。
マイルCSを制した3歳時のしなやかなフットワークにはひと息でも、川田J=
セリフォスのコンビは軽くは扱えない。連穴は
オオバンブルマイ。6Fの
スプリンターズSは明らかに距離不足、重馬場のマイルにまだ馬券的に新味あり。GI馬というには少し造りがモノ足りないが、富士Sの勝者
ジュンブロッサムも連下圏内。