・見解
　TF指数トップ◎タイセイボーグで勝てる。マイルまでならかなり強いとみている。相手は○ハッピーエンジェル。押さえにルーチェフィオーレ、レディーゴール。

【上位拮抗】マルガはソダシの全妹で函館の新馬戦をレコードV。休み挟み力強さ増し直前の動きも弾み十分で姉妹制覇を期待。フィロステファニは粗削りな面を残しながら上々の瞬発力見せておりスムーズなら。前走を順当勝ちのルーチェフィオーレも気配上向きで上位争い。ハッピーエンジェルはスピードを巧く生かせれば。タイセイボーグも脚力は見劣らず、ドナルンバやレディーゴールなどにも注意が必要。

【姉と同じかそれ以上】マルガはGI阪神JF・桜花賞・ヴィクトリアマイル他、数々の重賞戦線を賑わしたソダシの半妹。470kg前後とサイズはほぼ同じだが、父がクロフネからモーリスに代わり馬体のラインは流線形へ、首と重心は低く四肢の回転の速いスピードにモデルチェンジ。鞍上に武豊Jを配し、姉と同じ日程の函館芝9Fの新馬からスタートとしたが、二の脚は速く馬のリズムを大事に先頭へ誘導。前半1000mは60秒4のスロー、しかし後半の6Fめからは12秒0-11秒7-11秒9-12秒1(3Fは35秒7)。終わって見れば従来の記録を0秒2短縮する、1分48秒1のレコードで悠々3馬身の逃げ切り勝ちを演じた。ちなみに姉ソダシのタイムは1分50秒4。前半1000mは62秒7、残り4Fのラップは12秒4-12秒0-11秒7-11秒6(3Fは35秒3)。上がり数値はともかく、全体時計とレースの質は、妹の方が上だった。気は強いがオンとオフのスイッチが利き、調教も指示通り素直に反応、時計数値も出色。初の輸送、左回りは他もほぼ同じ。アルテミスSを阪神JF、桜花賞への布石としたい。

　二の筆頭はフィロステファニ。半兄ヴァンドギャルドは富士S優勝、ドバイターフ2着。半兄ソールオリエンスは皐月賞を串刺し、日本ダービー・宝塚記念2着。エピファネイア産駒の妹は四肢はやや短め、サイズは448kg。心身ともに幼さが目立ち、新馬戦は出遅れて少しポジション取りにぎくしゃく、前半1000mは64秒1の超スローで推移。口向きが悪く誘導に苦労していたが、残り3Fのレースラップは11秒3-10秒7-11秒0(33秒0)、対する自身の上がりは32秒6。ラスト2Fの推定ラップは10秒6-10秒7という高速ラップを叩き出した。

　派手な記録数値は見つからないが、タイセイボーグは新潟2歳S2着のキャリアも軽視禁物。中山マイルを1分33秒9で勝ちあがってきたルーチェフィオーレ、レディーゴールの順調さに一票。

　2歳重賞というと新馬戦を勝ちたての馬が強いことが多いが、アルテミスSでは前走未勝利組が健闘している。過去10年でいうと前走新馬組は[4-4-2-40]の複勝率20.0%。人気になっていた馬が多いので回収率は単勝36%・複勝39%と低い。一方で前走未勝利組は[5-4-3-18]で複勝率40.0%。人気薄で好走した馬がいるので回収率は単勝407%・複勝131％だ。

　狙うべき前走未勝利戦勝ち馬だが、キャリア2戦であることはマスト。さらに「新馬戦でも2、3着」「前走1600m以上」「0.1秒以上の着差をつけてくる」「前走は上がり最速でもある」といった条件をなるべく多く満たす馬が好ましい。

　今年の未勝利組では◎バースデイフライトが前走着差以外の条件を満たしている。いちばん大事なのは前走上がり最速で、該当するのはこの馬だけだ。

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【混戦】3ルーチェフィオーレは先行押し切りで勝利した前走が好内容で、コース替わりでもスタート五分なら引き続きチャンス。1タイセイボーグは決め手上位で、ここでも首位争いが期待できる。8ハッピーエンジェルは距離延長でも立ち回りひとつで善戦以上が十分。5フィロステファニは相手が上がるが素質的に無視できない感がある。7マルガはコース替わりと距離がカギだが、競らずに行ければ残り目も。

現2歳世代のJRAファーストサイアーランキングはディープインパクト二世のコントレイルが1億5125万2千円(11勝)を挙げ首位を快走中だ。これを猛追(9226万7戦円=6勝)がアイルランド産のポエティックフレア(父ドーンアプローチ)となる。ライバルは重賞に手が届いていないが、すでに今回と同じ左回り・芝1600メートルのGIII新潟2歳Sをリアライズシリウス(母の父ステイゴールド)が制覇は大きなアドバンテージとなる。

　◎ルーチェフィオーレは母の父が同じくサンデーサイレンス系ディープインパクトと配合パターンは同じ。適性も同様だとするならば初戦の舞台=東京芝1400メートルは距離不足だったか。それでも最速上がりを駆使し2着を確保が当地向きの高い瞬発力を保証する。中山の前走は勝負に徹して末脚勝負を捨てたが、東京1600メートルが舞台ならば父の名声を高める差し切りが期待できる。

※10/19時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　東京競馬場で行われる2歳馬限定のGIII戦。舞台となる東京芝1600mは向正面からスタートして、長い直線を迎えるので位置が取りやすいコースです。3コーナー手前で一旦坂を上るが再度下りの状態でコーナーに突入。カーブを使って息を抜くことができないので、マイル戦ながら消耗戦になりやすいコースです。スタミナと底力を求められますが、基本的には瞬発力を持っている子が有利です。本命視しているのは、フィロステファニです。新馬戦は終い32.6秒の脚で上がって差し切り勝ち。新馬戦は揉まれずに勝つ子が多い中、新馬戦らしくない内容で、追い比べでの勝ちきりと内容もいい。ポテンシャルの高さに期待します。

※10/19時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　ハッピーエンジェルは新馬戦、ダリア賞とも完勝。ゴール前、まだ余裕があった。恐らく人気にならないタイプで狙い撃ち。モンローウォークも差はない。上積みもありそう。フィロステファニの初戦は非常に速い上がりを使った。素質は十分。マルガも能力は互角。最後にどれだけの脚を使えるか。

※10/19時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　1600mや1800mのレースで出走メンバー中上位の上がり3ハロンタイムをマークしたことのある馬が中心。「“JRAの、1400m超2000m未満のレース”において“着順が2着以内、かつ上がり3ハロンタイム順位が2位以内”となった経験のない馬」は、2019年以降[0-0-0-15]と上位に食い込めていません。

　なお、「生産者がノーザンファームの馬」は2019年以降[5-5-4-12]で、3着内率53.8％と非常に堅実。一方、「生産者がノーザンファーム以外、かつ父にエピファネイア・キズナ以外の種牡馬を持つ馬」は2019年以降[0-0-0-30]でした。

　今年のメンバー構成なら、フィロステファニ・マルガ・モンローウォークあたりを重視するべきでしょう。

　GIホース・ソダシ、ママコチャの半妹で白毛。アイドル要素たっぷりのマルガに注目が集まるが、気性の激しい牝馬にとって初の長距離輸送は課題。加えて人気を背負う立場でマークも厳しくなる。しかも今週の追い切りにはいくらか鈍さが残っていた。崩れることはなくても、鋭い決め手を持つタイプに屈する可能性はある。

　◎はルーチェフィオーレ。新馬戦はゲートに不安を見せながらも追い込んで2着。勝ちにこだわった未勝利戦では逃げて後続を封じ込めた。今回はじっくりと構える形で臨むはずで、大跳びのフットワークからも前走の中山より府中の方が舞台は合う。直線の長いコースで末脚を生かし、ゴール前で差し切る。

本命は、フィロステファニにしました。父エピファネイアがアルテミスSのリピーター種牡馬に該当しており、エピファネイア産駒は好調時ならば、昇級戦でも買いの血統でもあります。新潟ではありますが、左回りの経験もありますので、ここは軸として信頼しました。相手は、母父キングカメハメハがリピーター種牡馬に該当しており、半姉のソダシがこのレースを勝っているマルガ、母父ディープインパクトがリピーター種牡馬に該当していて、先行競馬も末脚勝負の競馬も経験済みのルーチェフィオーレまでで。

【終い堅実】ここはタイセイボーグから勝負。前走の新潟2歳Sは初のマイルが課題だったが、中団の内でリズムよく運び、3着馬との追い比べをハナ差制して2着。ここまで3戦、1着、2着、2着と堅実で、レースセンスと堅実な末脚が武器。立ち回りの上手さは強味で、初の東京でもきっちり能力を発揮してくるはずだ。穴で注目はヒルデグリム。前走は出遅れがあったにしても負け過ぎの感は否めないが、いまだ新馬の勝ちっぷりが鮮明に残る1頭。一変の可能性を捨てきれない。

※特別登録段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　後のGI馬を多く輩出している2歳牝馬の重要な一戦、アルテミスステークス。阪神JFへ向けて各馬が賞金加算を狙う重要なステップレースであり、今年も素質馬が顔を揃えた。過去のデータからレースの傾向を分析し、未来のヒロイン候補を探っていく。

1.前走未勝利組の好成績に注目

　過去のデータを見ると、前走で未勝利戦を勝ち上がってきた馬が[5-4-3-18]と、複勝率40.0％という非常に高い数値を記録している。さらに複勝回収率は131％に達しており、馬券的な妙味も大きい。新馬戦勝ちの馬(複勝率20％)やオープン特別を戦ってきた馬(同6.3％)と比較してもその信頼度は群を抜いている。

2.距離短縮で臨む馬が有利な傾向

　前走の距離別に成績を見ると、今回距離を短縮して臨む馬が[7-1-3-18]で複勝率37.9％と好成績を収めている。勝率24.1％、単勝回収率401％という数字も驚異的だ。これに対し、同距離組は複勝率23.3％、距離延長組は7.1％と数値を落としており、より長い距離でスタミナの裏付けがある馬が、マイルの距離でパフォーマンスを上げていることがわかる。スピードだけでは押し切れない流れになりやすいことを示唆しているデータだ。

3.前走で後続に差をつけた馬が優勢

　前走の着差に注目すると、0.6秒以上差をつけて勝っている馬が好成績。[4-4-2-8]で勝率22.2％、複勝率は55.6％と驚異的。単勝・複勝の回収率もともに100％を超えている。僅差で勝ち上がってきた馬に比べ、既に高い能力の片鱗を見せている馬がここでも順当に好走する傾向が強い。2歳戦とあって、完成度の高さがレース結果に直結しやすいと言えるだろう。

　ドナルンバは未勝利組で、前走1800mからの距離短縮ローテーション。2つの有利なデータを兼ね備えており、ここでの好走確率はメンバーの中でも随一と見た。重賞初挑戦でも勝ち負けを期待できる。

　マルガも前走1800mからの距離短縮組であり、データ的な後押しがある。新馬戦ではあったが、後続に3馬身差をつける完勝で能力の高さを示した。キャリア1戦ながら、そのレースぶりと姉にGI馬が2頭いる血統から高いポテンシャルが感じられ、ここでも上位争いは必至だろう。

　その他、GIIIの新潟2歳Sで2着と実績上位のタイセイボーグ、オープン特別のダリア賞を逃げ切ったハッピーエンジェル、そして好走率の高い未勝利勝ちから臨むレディーゴールとルーチェフィオーレ、新馬戦を圧勝したモンローウォークまで印を回したい。

【小波乱】マルガは素質十分。ドナルンバは体力アップ。ルーチェフィオーレはレースがうまい。

GIIIアルテミスS。2歳牝馬限定の芝1600m戦。同距離コースで基準になる数字はない。いずれも今回どれくらい上げてくるかのメンバーとなる。同距離で筆頭なのが平均値でもトップになっているのは◎タイセイボーグ。ここに期待してみる。初戦80勝ちで確かに○マルガも良さそう。次いで同距離87▲バースデイフライト。一発には数字低いが☆フィロステファニ。

他力本願だが成長力がある4レディーゴールを推す。マイル適性は高く舞台は絶好。次位は7マルガでレコード勝ちは圧巻で互角。▲は5フィロステファニで上積みは十分で末脚は威力がある。