【思った以上の力差が】明けて4歳春。
サトノダイヤモンドが、持久力、瞬発力、底力など諸々の研磨を重ね、求める理想像に近づこうとしている。
菊花賞を3分3秒3で同世代の頂点に立ち、続く
有馬記念も、クビ差ではあるが
キタサンブラックを競り落とし、古馬相手のGIでも結果を出した。
しかし昨年秋の第一の目標は
菊花賞奪取。有馬参戦は流れの中での出走であり、有馬は力試しであり「おまけ」(それでも勝ったが)?しかし、明け4歳春の目標は天皇賞、となればローテーションも体造りも明確。年明けは本番を逆算する形で攻め馬の質や負荷をワンランク上げ、理想とする最高型の研磨を施すことができる。
なるほど前哨戦の
阪神大賞典は、1000m通過が1分1秒5-2000m通過・2分1秒9というタフな平均ラップの上に立ち(中だるみなし)、レコードに0秒1差の3分2秒6と、歴代の
阪神大賞典でも突出した最高タイムで楽勝を演じている。京都コースは3戦3勝、3-4コーナーの下りで一気にスピードに乗れる。極端な折り合い難か、アク
シデントでもない限り、順当に勝ち負け。
もちろん、
キタサンブラックは強敵。GI昇級となった
大阪杯は、前年の記録を1分58秒9に更新。聞けば
有馬記念後は、栗東の坂路を一日3本登坂したこともあったという(通常は2本、1本というひ弱な馬もいる)。天皇賞前は4000m超えのコース追いをこなした。浮き立つ筋肉と、どんな流れにも怯むことのない精神力は地道な鍛錬の賜物だろう。
サトノダイヤモンド以外とは勝負付けは終わっている。
負けたとしても2着かなとは思うが、ダイヤモンドの
バージョンアップが思った以上に大きく、直線半ばで早めに交される厳しい展開になると、漁夫の利を得るのが
シュヴァルグラン。前年の
阪神大賞典の優勝タイムは3分5秒8だったが、一年経って大幅に時計を更新。前回はダイヤモンドより先に動いたが、今回は人気二頭を前に置き、呼吸をはかって追い出せばいい気楽な立場。距離も長ければ長いほどいい。
惑星は昇竜
シャケトラ。中山の2500mはペースによって数値が乱降下する特異なコースとはいえ、
日経賞の2分32秒8は昨年の有馬と0秒2差。58キロ未経験のぶん、連下としたが、少し乱暴だが、蓋を開けてみたら3200mの適性も、実は能力も一番上だったという可能性も考えていい。
いかにもデムーロならありそうだが、気楽に直線勝負に徹し切る、
レインボーラインのチョイ差しの2-3着。スタミナなら
アルバート。昨年は6着だったが一年経って力量アップ、マラソンランナーだって成長する。