【Hレベルの三つ巴】
エネアドの新馬戦のラップには、将来の重賞馬たる要素が凝縮。典型的なスローの上がり勝負とはいえ、ラスト3F・11秒8―10秒1―11秒1(33秒0)というレースラップに対し、自身の上がりは32秒5。このコラムで常に記してきたが、楽なヨーイドンの競馬とはいえ、10秒を切るか切らないかの高水準のラップは純然たる能力。同じ新潟マイルデビューの、昨年の
オルフェーヴルとまではいかないまでも(初陣は重馬場で上がり33秒4を記録)、
共同通信杯優勝・東スポ杯2着の半兄
ブレイクランアウトと同等か。それ以上の能力を新馬戦から読み取ることができる。まずは
クラレントとの追い比べ。半兄
リディルに続いて
デイリー杯2歳Sを完勝。仕草に少し若さを残すが、実戦では馬込みで我慢もきく。父が
アグネスタキオンから
ダンスインザダークに変わって兄より首差しや胴伸びが増し、レース運びも距離延長にも対応できる造りとなった。ポテンシャルなら
ディープブリランテも互角。まだ余裕を感じさせる造りで新馬戦を5馬身差の独走。水曜日の追い切りでは、痺れるような手ごたえで坂路1F・12秒1で登板。懐は相当深い。資質とスケールなら上位三頭だろうが、
札幌2歳S3着馬
マイネルロブスト。
新潟2歳S・1分33秒9で2着の
ジャスタウェイのキャリアも、もちろん争覇圏。アグンは、芝でも通用する、手先の軽さがある。前走と同様の不良馬場になれば、
ホーカーテンペストにも出番。