グレード制開始のS59年以降から、「消える馬」をチェックしてみよう。なお、H10年は京都で開催されていた点に注意。
■キャリア1戦馬
キャリア1戦馬のうち、前走小倉(H10年は京都)芝1200m戦・良馬場で、前半3F・後半3Fともに34.0秒以上かかり、かつ走破時計が1分09秒5を切っていない馬は、3馬身差以上の快勝馬を除き[0-0-1-21]。H12年、「古馬みたい」と絶賛されていた1番人気の
ツルマルボーイは、前34.9-後35.1・時計1.10.0で10着敗退……9・12が該当。
また、ダ1000m59.5・ダ1200m1.11.0、芝1000m58.5・芝1200m1.10.0より速く走っていた馬を除くキャリア1戦馬で、その勝差が1馬身差未満は[0-0-0-29]……13が該当。
■キャリア3戦以上
キャリア3戦以上消化馬のうち、前3走とも芝1200m以上戦を使用して2回以上連対を外していた場合は、前走2馬身差以上の快勝馬を除き[0-0-0-15]。H21年、前3走が4着→3着→0.1秒差1着の
サリエルは1番人気も4着、レース後「小倉へ輸送して使うのが3回目で疲労があった」とコメント……3が該当。
■デビュー戦
デビュー戦10頭立て以下の少頭数レースで5着以下かつ1秒以上完敗していた馬は[0-0-0-14]……デビュー戦9頭立て1.1秒差5着の6
カノヤミノリが該当。
■前走ダート
1200m戦で連対歴がなく、前走ダート1000mで1分を切っていない馬は[0-0-0-15]。前走ダート1000m使用馬はときに穴馬券を演出し、S63年
リバルドサキが12番人気2着・H8年
ゴッドスピードが9番人気1着あるが、両馬とも1200m戦ですでに連対歴があったのが共通項。H18年、キャリア1戦ダート1000m1.00.1で4馬身差圧勝の
ウルワシノハナは6着……前走1.00.4で6馬身圧勝の4
キンシツーストンは穴に警戒もどこまで。
■連闘馬
連闘馬は[2-1-1-28]、H13年
タムロチェリーが15番人気1着・H20年
コウエイハートが8番人気2着などの激走があるが、前走1200m以下戦を使用して2馬身差以上の快勝がなかった連闘馬は[0-0-0-19]……前走九州産限定レース3着の8
テイエムハエンカゼは?
■前走他場所
H10年の京都開催を除き、前走小倉以外で出走していた馬は[0-0-1-11]……5・10・13が該当。
ゴーイングパワーは前走スローで時計平凡だが、同開催1400m戦で
シゲルスダチが勝ったレースの1200m通過1.09.7より0秒6も遅くては?
また、
新潟2歳S除外を嫌いこちらに回ってきた
エピセアロームの前走時計は、同開催唯一の3歳未勝利1600m戦より1秒6も遅く、昨秋5回京都2歳未勝利戦1着馬・芝1600m1.35.9の
デンコウジュピターがその後500万クラスであえいでいる比較からも、小回りのスピード競馬に対応できるかは疑問。ちなみに、H10年の京都開催の時の1着馬
コウエイロマンは、前走京都の芝1200mを1.09.0で走破していた。
■7月競馬
前走7月の小倉芝1000m良・稍重で1馬身差以上、小倉芝1200m良・稍重で2馬身差以上の快勝がない馬のうち、キャリア1戦馬あるいはキャリア2戦で連対を外したことがあった馬は、小倉2歳Sが重・不良で行われた年を除き[0-0-1-12]。H6年、前2走とも7月の小倉9→1着(1馬身3/4)だった
ビッグヒーローは1番枠4番人気4着……メンバー最速時計を持つ1
オウケンハナミズキだが、前走時計は開幕週に計時したもので(同日3歳未勝利戦が1.07.8で、これは2週後のG3
北九州記念より0秒6遅いだけと高速馬場を証明)着差も3/4では体重400kgを割る小柄な馬だけに上積みはどうか。
□推奨馬
以上から残ったのは、2
シゲルスダチ・7
アイラブリリ・11
マコトリヴァーサル。
◎は
アイラブリリ。今夏、小倉2歳の芝1200mは20レース。勝ち馬のキャリアが3戦以下だった19レースのうち、スタート後1Fとゴール前1Fを除く2F~5Fで、2F目10秒台を含むラップを刻んでいたのは17レースあり、そのうちラップがすべて11秒5以内におさまっていたのは
アイラブリリ(12.1―10.9―11.2―11.4―11.4―12.2)だけで、そのスピード持続力は特筆もの。それでレース上がり3F35.0(自身は34.9)は、開幕週を除くと15レース中NO.1。前走体重430kg未満の小型馬は、1着5頭・2着5頭・3着7頭と健闘しており、S63年前走410kgのダンディアポロが中一週で1着・H11年前走408kgの
アルーリングアクトが斤量1kg増加も2番人気1着。前走424kg・中一週・斤量増も特に不安なし。
○は
マコトリヴァーサル・▲
シゲルスダチ。