○▲が強いと思うが、小倉芝は金曜正午で重発表で夜半まで降る予報。道悪が残るとどうなのかが少し微妙で、ここは◎で穴狙い。

ネオユニ×ロベルト×ダンジグだから典型的な小回り向きのパワー捲り血統で、札幌2歳Sでアヴェンチュラを押さえラジオNIKKEIでは○の2着。極悪馬場のダービーでスイスイ逃げたように道悪は巧いはずで、ここ4走の東京と外回りの凡走は全て無視して狙ってみたい。

まずは昨年の中日新聞杯以降に行われた「小倉芝2000m重賞」の馬券圏内馬の人気と調教タイプを確認しましょう。

2010中日新聞杯
1着トゥザグローリー(1)/標準多めトラック
2着コスモファントム(6)/標準併用
3着ゲシュタルト(4)/急仕上げトラック

2010愛知杯
1着 セラフィックロンプ(6)/標準併用
2着 ブロードストリート(1)/標準トラック主体
3着 ヒカルアマランサス(2)/標準多め併用

2011中京記念
1着 ナリタクリスタル(2)/標準トラック
2着 シャドウゲイト(8)/標準トラック主体
3着 アンノルーチェ(12)/一杯平均トラック

※馬名横（ ）内は単勝人気順位

坂路単一調教馬は皆無。コーナー4つのほぼ平坦コースでは坂路調教に適性はかなり低いということです。ただトラック単一よりも坂路を併用しているパワータイプの方が馬券に絡んでいる率が高く、むしろ併用調教馬に適性が高いコースと言えるでしょう。

なかでも「小倉競馬場」に滞在して、追い切られている馬が好結果を残しています。小倉ダートで追われたセラフィックロンプやシャドウゲイトがそれにあたります。早目に現地入りして、一度コースを経験しておくことが、なにより調教適性をアップさせるということ。

調教本数不足の標準少めトラックを叩いて、小倉芝で追い切り、標準トラック主体に仕上がった◎ダンスインザモアにとっては調教適性文句なし。福島記念を勝って出走した昨年は小倉芝追いで完敗していますが、当日の調教タイプは馬ナリ平均トラックだったので、今年は違います。

○シャドウゲイトは今春にこの舞台で小倉ダート追いで2着。今回も同じ小倉ダートで追われて標準併用なら消す理由は全くありません。

前走あたりから良化気配の▲マイネルスターリーは標準トラックでこの舞台なら。あとは調教適性は十分な△サンライズマックス、△エクスペディション、△ユニバーサルバンクまで。

1.サンライズベガ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

2.オースミスパーク
今回：一杯平均坂路
前回：標準坂路

3.エクスペディション
今回：標準併用
前回：馬ナリ平均トラック

4.ユニバーサルバンク
今回：一杯平均トラック
前回：標準多めトラック

5.マイネルスターリー
今回：標準トラック
前回：一杯平均トラック

6.トップゾーン
今回：標準坂路主体
前回：馬ナリ平均トラック

7.ゲシュタルト
今回：馬ナリ平均トラック
前回：一杯平均トラック

8.エーシンジーライン
今回：標準併用
前回：標準併用

9.ダンスインザモア
今回：標準トラック主体
前回：標準少めトラック

10.トウショウウェイヴ
今回：乗込坂路
前回：標準多め坂路

11.オールアズワン
今回：標準トラック
前回：標準トラック

12.コスモファントム
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

13.ダノンバラード
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

14.シャドウゲイト
今回：標準併用
前回：標準併用

15.ドモナラズ
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

16.キタサンアミーゴ
今回：標準トラック
前回：標準少めトラック

17.マヤノライジン
今回：標準坂路
前回：標準坂路

18.サンライズマックス
今回：標準併用
前回：一杯平均トラック

　金曜日の馬場状態が重で、明確な逃げ・先行タイプが揃ったメンバー構成を考えると、指数的には上がりの掛かる持久力勝負に向くタイプで一発を狙いたい。

　本命はダンスインザモア。昨秋に8歳ながら重賞(福島記念)を制した大ベテランではあるが、9歳になった今年も指数推移を見る限り、明確な衰えは感じさせない。むしろ、昨年の福島記念以降は、自身の適性範囲外といえるスローの上がり勝負が多く、近走で最も上がりが掛かった3走前の函館記念では6着ながらも、着差は0.4秒差で指数もキッチリ上げている。

　昨年の当レースは12着に大敗しているが、内が良い馬場状態でレースの上がりが33.9秒という、まさに自身の適性とは真逆の展開。馬場・展開ともに昨年の逆を想定しているだけに、9歳でも一発あると読む。

【資質重視】ダノンバラードは、朝日杯FS以上に、クラシックの指針となるラジオNIKKEI杯優勝馬。春シーズンは、共同通信杯9着ののち、皐月賞はぶっつけ。馬群を縫って3着に粘り込みを果たしたものの、ダービーは断念。ひと夏を充電、復帰戦のアンドロメダSは折り合いを欠いて3着に取りこぼしたが、母は交流重賞を含む7勝。血統に奥もあれば、パワーに比重の高い先行粘り込み型だけに、平坦の小倉も望むところ。器は若干落ちるような気もするが、デムーロは、同脚質で似たような境遇にあったトゥザグローリーを駆り、昨年の中日新聞杯を奪取。後の有馬記念3着へと繋げている。素材のありかを、今一度問う中日新聞杯だ。エクスペディションは、小倉4勝のコース巧者。本格化に手間取ったが、8月の九州スポーツ杯を1分46秒1、続く釜山Sは1分58秒3。開催時期が異なるだけに横並びとはいかないだろうが、昨年の中日新聞杯の決着タイムは1分58秒7だった。ちなみにステイゴールド産駒の、もっとも確率の高い場所は小倉。逆転もある。アンドロメダSの勝者ユニバーサルバンクも、京都新聞杯2着馬。母のヴィクトリーバンクは5歳夏にOPを勝ち上がった遅咲き。まだ伸びしろもあれば、直線がフラットな京都を得意としている。平坦コースは悪かろうはずがない。使える脚が短いゲシュタルトも、小回りの小倉は歓迎材料。やや記録は古いが、サンライズマックスは小倉大賞典馬。今夏の小倉記念2着馬キタサンアミーゴの地力を連下に押さえておきたい。

　デムーロ騎手の騎乗する◎ダノンバラードから入る。

　単なる騎手買いではない。これまでデムーロ騎手が騎乗してきた芝のレースを中央場所とローカルで分けると、中央場所は勝率13.8％・連対率22.1％で回収率は単90％・複87％。それに対してローカルは勝率17.8%・連対率30.5％で回収率は単219％・複105％。勝率や連対率はフルゲート頭数による部分もあるだろうが、回収率の差を見ればローカルで特に良いことは明らかだ。

　その中でも小倉とは特に相性が良く、勝率39.6％・連対率47.2％、回収率は単210%・複112％。ほとんどは来日しはじめた当初のものだが、昨年も小倉で行われたこのレースを制しているし、相性が悪いはずもない。ここは◎1着決め打ちの馬単・3連単でいく。

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【伏兵注意】ダノンバラードは前走が上々で、叩き2走目の今回は勝機大。ユニバーサルバンクはハンデ微妙も能力的には互角だろう。エクスペディションは休み明けで初の重賞と条件が厳しいが、仕上がり良好で上位争いに期待する。サンライズマックスは仕掛けひとつで食い込みが十分。差せるゲシュタルトにも警戒が必要だ。マヤノライジンも叩き2走目なら一発の可能性を秘めている。

　◎エーシンジーラインは「ジャイアンツコーズウェイ×ダンジグ」という組み合わせ。父ジャイアンツコーズウェイは米リーディングサイアーで、先日のマイルCS(GI)を勝ったエイシンアポロンや京王杯SC(GII)を勝ったスズカコーズウェイなどを出している。パワー型の血統なのでパンパンの良馬場では苦しく、木曜日から降り始めた雨で馬場が渋ったのは好材料。小倉コースでは7回走って5回馬券になっているようにコース適性も高い。休み明けだからこそ狙っておもしろい。